2025年6月第1週(6/2〜6/6)の米国株式市場は、経済指標や政局不安、テック主導の値動きが交錯する1週間となりました。
S&P500は節目の6,000ポイントを突破し、景気後退懸念の後退とともにリスクオンムードが広がっています。
本記事では、指数動向、セクター別、注目銘柄、今後の見通しを、長期投資家の視点から振り返ります。
概要&マクロ:リスクオンムード広がる
主要株価指数は以下の通り堅調でした。
S&P500:+1.03%、6,000突破(年初来 +4.39%)
NASDAQ:+1.20%、テック主導の上昇(年初来 +3.57%)
ダウ平均:+1.05%、バリュー株も買い戻し
最高値まで、S&P500、NASDAQともに2%前後のところまで近づいてきています。
米雇用統計では、非農業部門雇用者数が12.5万人増と市場予想をやや上回り、インフレ懸念は根強いながらも「リセッションではない」という安心感が広がりました。
この数字で、景気急減速に対する懸念が和らぎ、金融市場では年内2回の利下げ確率予想も70%程度まで低下してきています。(直前90%)
米10年債利回り:4.50%(前週比 +11.3bp)
ドル円:144.83(週後半は円安傾向)
セクターの状況:グロース主導の市場に回帰
全体としては、グロース系セクター>シクリカル(景気敏感)>ディフェンシブという形になり、再びグロース系セクターが主導するマーケットの様相(上でも述べたリスクオン)になってきている模様です。
今週最もパフォーマンスが良かったのは以下のセクター:
コミュニケーションサービス:+3.19%(例:メタ)
テクノロジー:+3.00%(例:エヌビディア、AMD)
エネルギー:+2.17%(原油価格の上昇も影響)
一方で、生活必需品(Consumer Staples)や公益(Utilities)は軟調でした。長期投資家としては、こうしたディフェンシブセクターの押し目も注目です。
個別銘柄の状況
テスラ(TSLA):トランプ政権肝入りの政策(減税など)に強く不満を述べたイーロン・マスク氏と、トランプ前大統領との批判の応酬で-14%と急落しましたが、週末にかけては若干反発。蜜月は離反の時に醜い争いになりました。
政治は無視できないが、企業が政治に近づき過ぎたときは要注意です。
エヌビディア(NVDA):+4.88%、AI需要継続。
マイクロソフト(MSFT):時価総額でNVDAを逆転し首位復帰。All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。
メタ・プラットフォームズ(META):+7.76%、QTDでは+21.05%と好調。
その他、セールスフォース、アマゾン、ブロードコムなどの大型テック株も総じて強く、ハイテクの復調が印象的な週でした。また、好調が続くネットフリックスは、この週もAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新しました。
今後の見通し
◆短期:来週以降
6/9には米中通商協議がロンドンで開催予定。地政学リスクと関税政策を巡る不確実性が、相場の材料になりそうです。FOMCの利下げ時期については、9月利下げの確率が70%→約50%台に後退し、金利はしばらく据え置きとの見方が有力になっています。
◆中長期:2025年後半〜数年先
ハードランディング懸念は後退中。雇用市場は底堅く、家計支出も堅調。
一方で、バリュエーションは高止まりしており、今後の調整余地にも注意。
長期的には、引き続き、生成AIと再生エネルギーが構造的成長ドライバー。
既に自動車産業よりも半導体セクターの方が経済全体に与える影響が大きく(何にでも半導体が入っている!)、この傾向は当面は変わらない。
生成AIなど半導体の使用量が増えれば増えるほど電力使用量が増えます。化石燃料は地球温暖化対策的にも増やせないので、再生エネルギーや電力安定供給のための原子力発電の分野は注目され続けると思われます。
金利正常化後の経済リバランスは、長期投資家にとって良いエントリーポイントにも。
後記
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