【米国株式週間レビュー:10/6~10/10】「利下げペースの見直し」と「トランプ発言ショック」で揺れた週

投資

(先週お休みをいただきましたので、2週間ぶりのレビューです)

今週の米国市場は、先週まで続いていた「FRBによる積極的な利下げ期待」から一転、経済指標の底堅さを受けて「利下げペース見直し」が意識され、金利上昇・ドル高が進行。

週末にはトランプ前大統領による対中関税発言がリスクオフの引き金となり、株式市場は急落しました。

それでも景気の基調は堅調で、投資家の間では「ゴルディロックス(過熱でもなく冷え込みでもない適温)」への期待が残ります。

概要&マクロ

週前半は、FRBが緩やかな利下げを継続するとの見方と、AI関連の好材料(特にAMDとOpenAIの提携強化)を背景に主要指数が高値を更新。

しかし週中盤には新規失業保険申請件数などが予想より強く、景気が底堅いことが確認されると「FRBは利下げを急がないのでは」という見方が浮上。金利上昇・ドル高が進み、株価は上昇一服となりました。

週末、トランプ氏が対中関税引き上げを示唆したことでリスク回避の動きが急速に広がり、S&P500は▲2.7%、NASDAQは▲3.5%、Russell2000も大幅下落。

トランプ氏のコメントは、中国がレアメタルの輸出規制を行ったことへの反撃的なものです。レアメタルは米国のテクノロジー企業や、EVはじめ電池のを使う製品作る企業には大きな影響があります。

貿易戦争が再発することを懸念する動きが大きく出ました。ここのところ、そこに市場の関心は全くなかったので、特に大きなサプライズになりました。

株を売って国債を買う

円は152円台から急伸し、金利は低下、金価格は逃避需要で上昇しました 。

セクターの状況


木曜日までと、金曜日が大きく異なる展開でした。

大きく下落したこともあり、基本的にはディフェンシブ系が相対的に優位で、シクリカル・グロース系が劣後する展開は止むを得なかったかと思います。

上昇セクター:エネルギー、ヘルスケア、防衛関連は堅調。原油価格の底堅さや安全資産志向が支え。

下落セクター:テクノロジー、コミュニケーションサービス、コンシューマー・ディスクリショナリーは金利上昇とリスクオフで軟調。特にAI関連での利確が目立ちました。

個別銘柄の動き

金曜日の状況と週間の数字だけ見ると、あまり良い週には見えませんでしたが、少なくとも、木曜日までの4日のうち3日でS&P500もNASDAQ、MASDAQ100も最高値を更新するとても良い状況でした。

そういうこともあり、エヌビディア(NVDA)、アドバンスト・マイクロ(AMD)、ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)などが、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しました。

AMD:OpenAIとの協業報道(OpenAIがAMDに出資し、一定量のGPUの購入を約束)で大幅上昇、AI関連の物色再燃。

NVIDIA:高PERが意識され調整。(前週にOpenAIへの出資と協業が発表されています)

Microsoft、Apple:金利上昇で上値が重く、やや下落。

Netflix、J&J、Pfizerなどディフェンシブ銘柄に資金がシフト。

今後の見通し

短期的には、FRBの利下げペースをめぐる思惑と、トランプ発言などの政治要因が市場のボラティリティを高める可能性があります。

中期的には、米経済の底堅さが確認されつつも、クレジット市場の緩み(IG・HYスプレッドの歴史的低位)やBNPLなどの信用リスクがじわりと懸念材料に。

長期投資家にとっては、AI・半導体などの成長テーマを軸に据えつつ、「安全資産と流動性確保の両立」を意識したポートフォリオ戦略が求められます。

後記

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