【米国株式市場週間レビュー】悪材料を消化しつつあるが油断は禁物 2023年11月11日

スクリーニング 投資

概況

この1週間(11/6~11/10)のNY株式市場は、依然先行きが不透明なFRBの金融政策についての憶測で揺れ動いています。そうした中で大型テック銘柄が、売られ水準から堅調に反転してきており、2週連続の上昇となっています。


不安定ながら、Higher and Longer(金利はより高く、より長く)の状況を徐々に消化し始めている(もしくは、既に忘れ始めている?)。

売られ過ぎに水準にあったレベルからしっかりと回復してきており、テクニカル的にも、少なくとも短期的には回復傾向が続く可能性が高いように見えます。


これは、S&P500に連動するETFのチャートですが、50日移動平均線(赤)、200日移動平均線(黒)を越えて動いていますし、ここ2週間ほど、短期の21日移動平均線も越えて動いています。

最近話題の”Higher and Longer”に関して言えば、Higher(金利がより高く)の状況は、もしかしたらあるかもしれないものの、これ以上金利が上がる確率と、同レベルもしくは低下方向に向かう確率では、上がる方向の確率の方が小さいだろう、というのがほぼ市場の見方です。

市場全体がおおむねその方向に動いているのは、ある意味危険でもありますので、そうでない場合のことも頭に入れておきましょう。

市場の関心の中心はLongerの方。金利の高い状況がどれだけ続くのかということになります。これは、FRBもよく分からないということなのでしょう。データ次第ということになるかと思います。

取り敢えず、慎重さを残しつつ若干強気にモードを変えてもいいかなと。ただ、小型株などは厳しい状況も続いていますので、注意が必要かと思います。

セクターの状況


完全にグロース・マーケットですね。テクノロジー、コミュニケーション、消費一般財・サービスのグロース系セクターが圧倒的に強いマーケットでした。

上下に大きく振らされますが、今年、これまでのところは、再びグロース・マーケットの様相が強く出ているかと思います。

原油価格が落ち着いてしまったこともあり、エネルギーセクターが大きく劣後しています。

原油価格は、イスラエル・ハマスの紛争が始まった直後に、紛争の中東全体への拡大を懸念して(最悪シナリオ)、大きく上昇しましたが、少なくともこれまでのところ最悪の事態までは至っていないということで、下落してきています。

加えて、中国の景気に明るい兆しが見えないことや、米国金利の高止まりによる景気鈍化懸念で、需要サイドの弱さを懸念して、原油先物は軟調に推移しています。

その他は、比較的金利の影響を受けやすいセクターが、金利が前週に一旦大きく下落した後、上昇気味であるため、弱めです。

個別銘柄の状況


10日(金)に半導体製造(ファンドリー)最大手の台湾セミコンダクター(TSM)が、10月の売上高が16%増加したと発表し、エヌビディア(NVDA)を始め、半導体関連銘柄を大きく上昇させています。

上のセクターのテーブルで、フィラデルフィア半導体指数は、週で+3.97%となっていますが、木曜日まではマイナスでしたので、金曜日1日で1週間分の上昇を稼いでいます。

金曜日に大きく上昇し、目立ったのがマイクロソフト(MSFT)。上場来最高値と引け値ベースでの最高値を更新しています。

MSFTは来週のイベント(Ignite2023)で、AI関連の最新の製品・サービスを発表予定であること、独自のAIチップ(NVDAへの依存度を下げるため)を発表する予定であることなどが買い材料となったようです。

一方で、原油価格の下落の影響を受けて、シェブロン(CVX)は52週の最安値を更新しています。昨年とは全く異なる光景です。

今どうすべきか

上で、慎重姿勢(警戒姿勢)を持ったまま少し強気に傾斜ということをお伝えしましたが、慎重姿勢(警戒姿勢)を維持する必要があるのは、まだまだ、金融政策の効果測定が難しい(インフレが想定ほど下がっていない)ためです。

11月13日~17日の週もイベントが目白押しなので、その一つ一つに市場は過敏に反応する可能性があるので、過度に反応しないようにした方が良いかと思っています。

重要イベント
米中首脳会談:
15日水曜日にバイデン大統領が習近平国家主席との会談に臨みます。劇的なことが起きることは想定していませんが、注目は必要です。

経済指標:
14日(火)消費者物価指数(CPI)
15日(水)生産者物価指数(PPI)
15日(水)小売売上高

そして、再び、連邦政府閉鎖の危機が訪れる可能性があります。10月頭に取り敢えずの妥協案として成立した45日間の政府予算措置が11月17日(金)に期限切りとなります。

共和党内の分裂もあり、政府閉鎖の可能性は十分高いと思っていた方が良いかと思います。この動きは、債券市場に影響がありますので、株式市場にも少なからず影響があると想定していた方が良いと思います。

ということで、今後もエキサイティングな毎日になりそうですが、冷静に市場を俯瞰し、慌てて動かないようにしましょう。

後記

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