概況
先週(10月30日~11月3日)の米国株式市場は、FOMC後のパウエル議長の発言や、金曜日の雇用統計を受けて、金利引上げ終了、来年6月には利下げが始まると楽観的な見方が強まり、主要指数は5連騰となりました。
10月31日・11月1日で行われたFOMCは、金利を引き上げず、会見でも想定ほどタカ派的なコメントが出なかったことで、先行きを楽観視する市場参加者が増えていた。
そのうえ、金曜日に発表された雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びは予想より小さく、失業率は予想より高く、そして平均賃金の上昇率は予想より低く発表された。
この二つの大きな要因で、金利は大きく低下しました。10年債金利は、前週末が4.83%(10月に一時5%越えもあった)であったのが、4.57%まで低下しています。
更に、2年金利も0.16%ポイント低下しています。10年債金利も、2年債金利も、1週間にこんなに大きく低下することは稀であり、かなり大きな動きになっています。
急速な金利上昇が株価にマイナスであったことの裏返しになりますが、急激な金利低下は、株価にプラスです。個別企業の業績よりもこの金利の動きによって市場のセンチメントが大きく改善されたことが市場を引き上げたと言えるかと思います。
市場の予想では、金利の引き上げは終了し(これ以上の引き上げはなし)、来年6月までには、利下げモードに入るという見方が支配的になってきているようです。
この急激な変わり身の早さは、少し危ういです。楽観への転換は慎重にすべきかと思います。パウエル議長は、様子は見るが、データ次第ではまた利上げするよ、と言っており、状況は注視すべき状況下と思います。
セクターの状況
金利の影響を受けやすいREITと金融が上位を占めたのは頷けるところ。それに続いてグロース3セクターが続いたのも、セオリー通り。
原油:中東の紛争の戦火の拡大リスクは残っているものの、比較的落ち着いており、供給サイドの懸念は比較的小さい中で、中国経済の不振、そしてアメリカの景気減速などから、需要に対する懸念が先行し、原油価格が下落していることもあり、エネルギーセクターが上昇しにくかったようです。
市場が大きく上昇するときは、ディフェンシブ系セクター(ヘルスケア、ユティリティ、消費必需品)がどうしても劣後します。そういう意味ではこれもセオリー通り。
個別株の状況
(VRTXはAll Time Highを更新しました)
ここで取り上げている全ての銘柄は上昇しています。(これらの銘柄が全て私の保有銘柄というわけではありません。一部はそうですが)
マグニフィセント7では、今週、今一つの業績を発表したアップル(AAPL)は金曜日の市場の上昇には参加できなかったものの、週、当月(といっても3日ですが)、今四半期、年初来ともまだ大きくプラスです。
やはり業績が今一つであった、アルファベットとテスラは今四半期(10月~)はマイナスに沈んでいます。
何をすべきか
金利がもうこれ以上上がらず、いずれ低下に向かうとの見方から、最初に買われるのはやはり半導体セクターです。エヌビディア(NVDA)、アドバンスト・マイクロ(AMD)などが大きく上昇しています。
雇用統計は、これまで強すぎて、インフレの鎮静化を遅らせる頭痛の種でしたが、そこに軟化が見られたことはポジティブなニュースでした。ただ、インフレそのものが鎮静化したということではないので、やはりインフレ指標の推移が今後も最も大きな関心事になるかと思います。
10月のCPIデータは、現地の11月14日(火)、PPIデータは11月15日(水)にそれぞれ発表されます。
まだ、利上げはもう無く、利下げは6月までに始まると決めつけるのは早いかと思います。
ただ、先週の上昇で、上で上げている主要指数(5指数)は全て、短期の移動平均線(21日移動平均線)を上に抜けてきています。短期的には上昇しやすい状況下と思います。まだフル・コミットメントというには早いかと思っています。
一気にエクスポージャーを増やすのではなく、待機資金の一部を試し買いしていくのはOKかと思います。その際には、あまり投機性の強い銘柄は避けた方が良いかと思っています。時間分散して、何回かに分けて少しずつ買っていく方法を取ると良いかと思います。
慎重に少し強気(Cautiously Bullish)
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