ウォーレン・バフェットの今年(2023年)「会長からの手紙」から何を学ぶか?

手紙 投資の始め方

2023年2月25日に、世界一の投資家、ウォーレン・バフェットの会社であるバークシャー・ハサウェーの年次報告書が公開されました。

そして、その巻頭を飾るのが、ウォーレン・バフェットによる、バークシャー・ハサウェーの株主への「会長からの手紙」です。

ウォーレン・バフェットに関する本はたくさん出ています。

しかし、ウォーレン・バフェットが自ら書いて世の中に出ているのは、この「会長からの手紙」だけです。

そういう意味では、本当にウォーレン・バフェットの投資を学ぶのであれば、原典であるこれを読むことは絶対に必要ではないかと思われます。

毎年、この「会長からの手紙」で彼が何を述べるのかは、世界中の投資家の関心の的です。

2023年ウォーレン・バフェットの「会長からの手紙」

手紙

今年も公開されて、すぐに私も読んでみました。

毎年、学ぶことはたくさんあるのですが、今年もいろいろ学ぶことがありました。

今年の「会長からの手紙」のテーマは以下のようなものです。

  1. 業績の概略報告
  2. 二つのタイプの投資について(公開株への投資と買収)
  3. 公開株投資(支配権のない投資):コカ・コーラとアメリカン・エクスプレスの例
  4. 買収(支配権のある投資)
  5. 自社株買いの効果について
  6. バークシャーハサウェーを支える8銘柄の公開株投資と2つの買収
  7. バークシャーハサウェーが支払った税金について
  8. チャーリー・マンガー語録

以下のリンクから「手紙」を読むことができます。
https://www.berkshirehathaway.com/letters/2022ltr.pdf

もちろん英語で書かれていますが、最近のAI翻訳を使えばあっという間に邦訳できます。(ただ、完全ではありませんのでご注意を)

彼自身が自分の投資について語っている部分では、自分は様々な失敗をしてきたが、自分(バークシャー)の投資の成功を支えたのは、結局のところ上手く行っている少数の投資をずっと長期保有しているところから来ているといっていることは傾聴に値します。

そして、今年の「手紙」の目玉は、これまでとは少し異なり、長年のパートナーであるチャーリー・マンガーの語録となっていることです。(したがって「手紙」はいつもより短い)

とても含蓄のある内容なので、私が日本語訳したものをすべて掲載します。

チャーリー・マンガー語録

ビジネスパーソン

  • 世の中は愚かなギャンブラーばかりですが、ギャンブラーは忍耐強い投資家ほどうまくはいきません。
    (短期的な投機ではなく、忍耐強い長期的な投資をしましょう)
  • 世界をありのままに見ないと、歪んだレンズで何かを判断しているようなものです。
    (物事を見たいようにではなく、あるがままに見るようにしましょう)
  • 私が知りたいのは、自分がどこで死ぬかだけです。
    それを知ったら、絶対にそこに近づかないようにします。
    同じような考え方を逆の視点から利用すれば、次の様にも言えるかもしれません。
    「早いうちに自分の望む死亡記事を書いておき、それに従って行動する。」
  • 自分が合理的かどうかを気にしないのであれば、人はそれにちゃんと取り組むことはできない。
    そこ(合理的かどうか)に関心が行かないのであれば、その人は非合理なままで判断し行動するので、お粗末な結果しか得られない。
    (自分の考えが合理的かどうかを常に意識しましょう)
  • 忍耐力は身につけることができます。
    注意力が高く、一つのことに長時間集中できることは、大きな強みです。
    (忍耐力・注意力・集中力を高めましょう)
  • 死者から多くを学ぶことができます。
    尊敬する故人からは良いところを学び、憎むべき故人を反面教師として学ぶ。
    (どのような人からも学ぶことは出来る)
  • 航行可能な船が近くにいて、それに泳いで行けるのであれば、何も無理して沈み行く船から水をくみ出す必要はない。
    (見限る判断は早くしましょう)
  • 素晴らしい会社は、あなたがいなくなった後も働き続けますが、平凡な会社はそうはいきません。
    (投資では、良い会社であることが割安であることよりも重要な条件としています)
  • ウォーレン・バフェットと私は、市場のノイズに目を向けることはありません。
    長期的に良い投資対象を探し、それを頑固に長く持ち続けるのです。
    (長期投資の神髄!)
  • ベン・グレアムは、「日々の株式市場は投票機であり、長期的には計量器である」と言いました。
    もし、あなたが何かをより価値のあるものにしようと努力し続けるなら、賢い人がそれに気づいて買い始めるでしょう。
    (結局、価値あるものが選ばれる)
  • 投資において100%確実なものはない。
    したがって、レバレッジの使用は危険である。
    素晴らしい数字の羅列にゼロを掛けたものは、常にゼロになる。
    (一度上手く行ったとしても)レバレッジを使って金持ちに二度なれることをあてにしてはいけない。
    (レバレッジは出来るだけ使わない)
  • お金持ちになるために、たくさんのものを所有する必要はありません。
    (モノを持っていることと金持ちであることは別の話。「豊かである」ことは人によって異なる)
  • 優れた投資家になるためには、学び続けなければならない。
    世界が変わるとき、あなたは変わらなければならない。
    ウォーレン・バフェットと私は何十年も鉄道株を嫌っていたが、世の中が変わり、ついにアメリカ経済に不可欠な4つの巨大鉄道会社が誕生した。
    私たちはこの変化に気づくのが遅かったが、遅くても気付かないよりはマシだった。
  • 「ウォーレン、もっと考えてくれ。君は賢いし、僕は正しい。」

最後に、ウォーレン・バフェットのアドバイス

「できれば自分より少し年上の、とても頭のいいハイグレードなパートナーを見つけて、その人の言うことを注意深く聞くことです。」

なかなか出来ることではないですが、とても重要なことです。

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