12/9~12/13のNY株式市場は、NASDAQ、NASDAQ100は最高値を更新したものの、NYダウは7日連続の下落ともろ手を上げて喜べる状況ではなく、警戒モードを強めるべき時期かなという気持ちがより強まってきています。
概要&マクロ
NASDAQ、NASDAQ100は最高値を更新しています。
上でも書きましたが、一方でNYダウは7日連続の下落(即ち、この週は下がりっぱなし)という状況です。
一時は、市場の上昇が小型株を含め、広がりつつあり、健全な上昇に向かったかなと思っていましたが、再び、上昇が一部の銘柄に集中しつつあります。
時価総額加重の指数、S&P500、NASDAQ、NASDAQ100は、超大型銘柄の一部が上昇したことで指数自体は上昇しましたが、全体としては、下落銘柄の方がかなり多い。
この状態はあまり好ましくない。とはいえ、この状況は、ここ数年よく見られた状況なので、好ましくはないものの、絶対的に危険とも言いにくい。警戒は必要な状況だと思っています。
先週は、市場のセンチメントが強気に偏り過ぎている、という点から警戒が必要とコメントしましたが、その状況が変わらない中で、指数の上昇が一部の銘柄に集中していることも警戒要因の一つとしてお伝えします。
その一部の上昇が崩れると市場全体に大きなマイナス要因となります。
為替について若干コメントしておきます。
現時点では、市場は日米の金利差を見て為替が動いている状況です。
米国:FRBは金利の引締めモードから中立化に向けて、金利を引き下げる方向に舵を切っています。しかし、ここに来て、インフレの鎮静化がFRBの目標水準(2%台)に対して、なかなか下がり切れない状況が続いています。トランプ次期大統領の現時点で公表されている政策は、インフレを鎮静化するというよりは高める可能性が高いと言われています。
また、金利が高い水準で推移しているものの、景気が後退するような懸念は見られない。
こうしたことから、FRBは12月のFOMCで想定どおり金利を0.25%引き下げたとしても、次回以降、当面様子見のスタンスになるのではないかと予想されています。
即ち、米国は金利があまり下がらない方向(下がっても、その下がる速度は遅くなりそう)と考えられています。
日本:日本はインフレが更に加速するような状況は見られない。海外の経済状況が、米国も中国も不確実性が高くなっています。また、中東情勢がより混沌としてきています。
そうした状況下で、日銀として利上げを急ぐ状況にはない、というのが市場の一般的な見方になってきています。
即ち、日本は金利が上がりにくい状況がまだしばらく続きそうです。
米国の金利は低下方向とはいえ、これまでの想定ほど下がらない。一方で日本は、上昇方向とはいえ、想定より上がらない。こうした状況の変化を受けて、円安ドル高にジワジワ動いています。
現時点の状況だと、簡単に円高には行きそうもない状況が目先は続きそうな感じかと思います。
円からの投資という意味では、悪くない。一方で、株も債券もちょっと警戒モードを強める必要がある状況です。悩ましい局面です。
セクターの状況
グロース>シクリカル>ディフェンシブ と比較的綺麗に特徴づけられています。
上位3つのセクターが全てグロースセクターですが、テクノロジーはマイナスです。
過去1週間のS&P500のヒートマップ(グリーンが上昇。明るいほど大きな上昇。赤がマイナス。明るいほど大きなマイナス)です。
大きく上昇した銘柄はテスラ(TSLM)、アルファベット(GOOGL)、ブロードコム(AVGO)くらいで、後は全体に赤、しかも明るい赤が目立ちます。
インデックス投資をしている人はあまり感じないかもしれませんが、個別株投資をしていると、かなり厳しい状況になっているのではないかと思います。
個別株の状況
グリーンでハイライトした銘柄はこの週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。
メタ(META)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)、テスラ(TSLA)などのマグニフィセント7銘柄と、以前、これらの銘柄ともにFANG MANT銘柄の一つとして言われていたネットフリックス(NFLX)です。
偏っていますね。。。
TSLAは、大統領選後だけで、65%以上上昇しています。ビジネス上の実態は全く変わっていないので、期待感だけでここまで上昇しています。
因みにマグニフィセント7銘柄のPERを比較してみると以下のようになります。
AAPL:37X、AMZN:49X、MSFT:37X、GOOGL:26X、META:29X、NVDA:51X、TSLA:182X
TSLAの株価上昇がほぼ「期待感」だけで上昇していることが分かります。大丈夫かな?
今後の見通し
今年これまでの圧倒的な勝者であったエヌビディア(NVDA)は最近ずっと停滞しています。その一方で、AI関連でもその他の銘柄が上昇しています。
引続きNVDAのチップの需要は高く、業績も当面は好調と予想されるものの、NVDAの顧客が自社で内製化するために、カスタムチップなどを購入し始めていることが原因にあるようです。
完全に一極集中(独占)に近い状況から、AIチップの市場も少し広がりが見え始め、競争が少しずつ出てくるだろうということを市場は想定しているのかと思います。
目先の大きなイベントとしては、17・18日がFRBのFOMC,18・19日が日銀の政策決定会合です。FOMCで0.25%の利下げが行われるとしても、パウエル議長のコメントや、ドットチャートが2025年の利下げスピードの減速を示すものであれば(その可能性は十分あります)、市場にとっては更にネガティブになる可能性があります。
今年は、サンタクロース・ラリーは、既に終わってしまった可能性も無くはないかなと警戒しています。もう少し上昇が続くようであればありがたいなと思っています。
次の焦点は、やはりトランプ次期大統領が就任した後の政策にあるかと思います。
後記
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