【米国株式週間アップデート】あの下落は何だったのか?  2024年8月17日

投資

8月12日~8月16日の米国株式市場のアップデートです。

この週は、今年最高のパフォーマンスの週となり、月初の急落が何だったのか?と思わせる結果となり、急落分を取り返してしまいました。

急落のきっかけは分かっているものの、本当の原因はまだよく分からないままです。急落分は取り戻したとはいえ、急落の前に市場が完全に戻ったと考えない方が良いかと思います。

まだ、下落のきっかけとなり得るイベントが沢山控えていますので。

市場全般&マクロ

S&P500は+3.93%で今年最高のパフォーマンスの週になりました。月初来(MTD)を見ていただければ分かるように、これもプラスに転換しています。即ち、急落した月初(8/1~8/3)の下落分は完全に回復してしまったということです。

NYダウもまだマイナスとはいえ、ほぼ回復したと言えます。

唯一、小型株指数のRussell2000は大きく凹んだままです。まだ、景気後退懸念がまだくすぶっているのかもしれません。(高金利や景気後退の影響を、大型株より受けやすいので)

大きく下落した際にそのきっかけとなったのが、高金利の継続により景気後退に陥るのではないかとの懸念でした。急激に悪化したように見えた雇用統計がきっかけとなっています。

一方で、新規失業保険申請件数は、その後に発表された2週続けて減少し、雇用状況はそんなに悪くなっていないのではないか、との安心感が広がりました。

(統計数字のブレは頻繁に起きますので、1回の数値で判断するのではなく、傾向値を見る必要があります)

更に、インフレ指標はPPIもCPIも想定通り鎮静化が見られていること、また、小売り売上高が予想より強い数字で出てきました。

総合して考えると、雇用状況も懸念したほどではないかも、インフレは想定通り落ち着きつつあり、かつ景気もそんなに悪くなっていない。→ソフトもしくはノー・ランディングシナリオ再浮上という状況です。

これらが支えとなって市場全体は急浮上しました。

また、為替では一旦弱くなったドルが再び買われ、一時的に149円台まで戻ったものの、落ち着き147円台で引けています。

巷で言われていた、キャリートレード(円で資金を借りて、より高利回りの資産へ投資する)の巻き戻しも道半ばで、また元に戻ってしまった感じです。

レバレッジを掛けて株に投資していた人(信用・先物など)は、急落時にマージンコールなどもあり、売りたくなくても損切を余技なくされた方も多いかもしれません。レバレッジは両刃の剣です。想定外の動きが起きたときには、刃は自分に向かってきます。気を付けましょう。

長期投資で、特に何もしなかった人は、結局何もなかったということで終わったかと思います。

大きく下落した際に、買えた人は、取り敢えずおめでとうございます。運が良かったですね。

どのパターンだとしても、その結果の評価は、評価する時点の市場の状況によって変わるので、一喜一憂しても仕方ないです。

「禍福は糾える縄の如し」ですよ。

セクターの状況

少なくともソフトランディングにはなりそうだ、との期待の再浮上で、再びグロース系が好調です。半導体をリード役としたテクノロジーの上昇が特に大きいです。

コミュニケーションが低迷しているのはアルファベットが下落していることによります。これは個別株のところでお話します。

景気後退懸念はだいぶ和らいだので、シクリカルも好調ですが、急落の痛手が大きかったようで、月初来で見ると、まだマイナスです。

とはいえ、S&P500が金曜日まで7連騰でしたので、すべてのセクターでプラスでした。

個別株の状況

上で、少し述べましたがマグニフィセント7の一つであるアルファベット(GOOGL)は前週の裁判で、GOOGLが反トラスト法違反と判断されたことを受けて、司法省がアルファベットの分割を画策しているとのニュースで大きく遅れている感じです。

GOOGLを巡る、司法省からの反トラスト法違反裁判はまだまだ続きます。

マグニフィセント7の銘柄は、巨大化し過ぎていることもあり、米国での反トラスト法違反裁判も含め、競争を阻害するとして、独占禁止法などへの疑義が日欧でも出されています。

これらの企業の株価の最大の懸念は、業績もさることながら、これらの裁判や規制によるものとなるかと思っています。そのインパクトは大きくかつ予想が出来ないものも多い。

エヌビディア(NVDA)は、1週間で+18.93%と大きく上昇し、7月初のレベルまで戻りました。

NVDAは米国政府の、輸出規制(中国への最先端半導体輸出の禁止)などもあり、たびたび影響を受けています。これらの動きが、ビジネスにどれだけ影響してくるのか、ビジネスが急成長しているが故に注意が必要なところになります。

警戒度合いを少し緩め、通常モードに近い強気かつ警戒レベルで良いかと思っています。

今後の見通し

急落の前のレベルまで市場インデックスは回復しました。しかし、急落が完全に無かったと無視はできず、なぜ起きたのか、きっかけやその原因に加え、それを加速したものなどの存在を市場としては無視できない。

それらを市場は意識しつつこれから出てくる材料をこなしていくことになります。

従来の「ソフト・ランディング」もしくは「ノー・ランディング」への期待が、再浮上したとはいえ、以前ほど盤石なものではないため、経済指標の出方によっては、ふたたび、景気後退懸念が浮上し、株価が大きく下落することもあり得ます。

今後のイベント

8月21日:7月FOMCの議事録の公開 FOMCがどの程度利下げに傾斜しているのかを確認

8月23日:FRBの経済政策フォーラム(カンザス州ジャクソン・ホールで毎年開かれるFRBのイベント)で、パウエル議長が基調講演を行う予定。 市場はここで9月の利下げに関する確度をより高めるヒントを求めている。過度な期待はしない方が良いかと。しかし、9月の利下げはかなりの確率で行われるものと推測されます。

後記

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