今週(7/21-7/25)の米国株式市場は、S&P500が5日連続で上昇し、終値ベースで過去最高値を更新する力強い動きとなりました。
背景には、AI関連銘柄への期待、堅調な企業決算、そして通商合意への進展期待が重なり、投資家心理を支える要因が揃った形です。
一方で、一部では割高感やミーム株の再燃による過熱感も指摘され始めています。
今後の展開を占ううえでも、今週の動きをしっかりと整理しておきましょう。
概要&マクロ
今週の主要指数の動きは以下の通りです:
• S&P500種:+1.3%、過去最高値を5日連続で更新し6388まで上昇
• NASDAQ:+0.6%、テスラの下落が重荷となるも、AI銘柄が支えになり、最高値を3日連続で更新
• ダウ平均:+1.3%、日米・米EU通商協議の進展が安心材料に
マクロ的には、以下の動きが市場を左右しました:
• 金利:10年債利回りは4.38% → 4.39%へと横ばい圏、経済の底堅さが利下げ期待をやや後退させる一因に。トランプ大統領が、パウエル議長の解任に関する発言をトーンダウンさせたことも安心感につながったようです。
• 為替:ドル円は146円→147円台後半へ。米利下げ観測の後退と円売りが要因。参議院選挙での自民・公明の与党の過半数割れはあったものの、最悪の状態は避けられたことで、円が買い戻された。その一方で、日米の関税交渉が妥結したことやパウエル議長の解任懸念が薄らいだことで、ドルが買われる展開。綱引きで若干ドル高の方向。
• 原油と金:ドル高と通商リスク後退でいずれも反落。WTIは65ドル台まで軟化
セクターの状況
市場が非常に強かった中ではありましたが、これまでと若干傾向が変わり、必ずしもテクノロジーやコミュニケーションが市場をけん引するという形ではありませんでした。1週間で見ると、どちらかというと景気敏感系やディフェンシブ系が強かったといえそうです。
• テクノロジー:アルファベット好決算でAI熱再燃、NVIDIAも上場来高値を更新
• 資本財・産業:通商合意進展で輸出期待が高まり上昇
• 小売・ミーム株関連:コールズが一時2倍超に急騰するなど、投機色が再燃
一方、エネルギーは原油価格の軟化に伴い冴えない動きとなりました。
個別銘柄の状況
グリーンでハイライトした銘柄は、この週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。
注目された個別企業の決算と株価の動きは以下の通り:
• アルファベット(GOOGL):クラウドとAI関連の需要が押し上げ、決算は好感され株価上昇
• テスラ(TSLA):決算ミスとマスクCEOの慎重なガイダンスで8%超の下落
• ゴープロ、コールズ等:再び投機対象となる“ミーム株”として急騰
今後、Apple・Amazon・Metaなどの決算発表も控えており、個別株のボラティリティは高まる可能性があります。
今後の見通し
■今後の見通し(短期〜中長期)
今後1週間は、以下のイベントが控えています:
• 7/29〜30:FOMC(米金融政策会合)
• 8/1:対EU追加関税の発動期限、および雇用統計発表
• 主要テック企業の決算ラッシュ(S&P500構成銘柄の40%以上)
決算は、関税の影響がまだ不透明ではあるものの、アナリスト予想対比では好調が続いています。
中期的には、関税リスクの軽減とAI主導の企業利益成長が市場を支えるとみられます。ただし、バリュエーションの割高感や信用取引の増加など、過熱の兆しには注意が必要です
長期視点では、「AI」「通商政策の再構築」「強固な米企業の収益力」が成長ドライバーとなる一方、FRBの政策スタンスや金利動向が再び注目される局面が来ると予想されます。
後記
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