今週(1/20~1/23 1/19はキング牧師の日で休場)のNY株式市場は、グリーンランドをめぐるトランプ大統領の発言に大きく降らされた1週間でした。
国際関係は、私たちが親しんできたものとは確実に変化しつつある、という見方も出ています。
注視していきたいと思います。
概要&マクロ:相場を動かしたのは「マクロ」より「ヘッドライン」


何が起きた週だったのか
米市場は、トランプ大統領のグリーンランドを巡る強硬発言(関税示唆を含む)で一度リスクオフに傾き、その後の“軟化(引っ込み)”で持ち直す(TACO相場と呼ばれています)、という展開でした。ロイターは「脅し→Uターン→反発」という市場の反応をまとめています。
ここで重要なのは、株価の上下そのものより、“米国資産の信認”に関する疑念が一時的に強まった点です。実際、ドルが弱含み、金・銀が急騰しました。
為替の動き(USD/JPY):Rate Check=方向転換ではなく”速度調整”の色が濃い
金曜NY時間にNY連銀がドル円のレートチェックを行ったとのことで、ドル円は一時157円台→155円台へ急落、終値近辺も前日比でドル安円高になりました。
長期投資家として、この為替の動きをどう見るべきか
・ レートチェックは「介入の前触れ」になり得ますが、ファンダメンタルズ(米金利、日米金利差、資本フロー)が変わらない限り、トレンドそのものを反転させる力は限定的です。
・ できるのは基本的に “スピードを落とす”“片方向の投機をけん制する” まで。
今回も、マーケットが受け取ったのは「160円接近の“行き過ぎ”は嫌がる」というメッセージ性で、**環境の根本変更というより“速度調整”**としての性格が強いと思います。
金(ゴールド)・銀・白金:ファンダメンタルズ以上に”投機的”に見えるのはなぜか?
ここは今週注意すべき点かと思います。
金:週で**+8%超**という極端な動きは、「2008年以来の強い週」であったようです。(振らされたのではなく、一方向にだけ動いている)
銀:100ドル超で史上最高値、値動きも非常に荒い。
白金(プラチナ):こちらも最高値圏へ急騰。
「ファンダメンタルズ以上の上げ」に見える理由は、複数の燃料が同時点火しているからです。
ドル安(信認揺れ):グリーンランド関連の政治ショックが“ドルの安全資産性”に疑念を生み、資金が貴金属へ。
中銀(中国・ロシア・インドなど)の金買い・脱ドル分散:構造的な買い需要が背景にある、という整理も出ています。
モメンタム(勢い):価格が走るほど追随資金が入りやすい。このモメンタムによる買い(買いが買いを呼ぶ)も要因の一つかと思います。
こうしたことが「投機的に見える」状況を作り出しています。特に銀・白金の値幅は、“ヘッジ”というよりリスク資産っぽい動きになっています。
セクターの状況:今週は「ローテーション」より「ヘッドラインでのリスクON/OFF」

前週までのような、分かりやすい「小型株>大型株」のトレンドに、今週は政治ショックが上乗せされ、セクターは“整理の週”になりました。
政治・地政学の不確実性が高まる局面では、ディフェンシブ/金・貴金属/一部エネルギーが買われやすかったようです。(原油価格上昇→エネルギーセクターの上昇、金・貴金属の上昇→金鉱株などのマテリアルセクターの上昇)
一方で、発言のトーンが引いた瞬間には、株は反発しやすい(ニュースの振り子。グロース系が反発しやすい)。
「セクターローテーションが進んだ」というより、ニュースに反応してポジションを軽くしたり戻したりという短期需給の色が強かった週です。
個別銘柄の状況

グリーンでハイライトしたジョンソンエンドジョンソン(JNJ)とキャタピラー(CAT)はこの週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。
この週は指数全体が小動きなので、個別は「何が買われ、何が嫌われたか」を地図として見るのが有効です。
関税・地政学に敏感な銘柄群:材料ひとつで乱高下しやすい。
マグニフィセント7:「崩れてはいないが、主役の席を少し譲っている」状態が続く。これは“売り崩し”というより、集中を薄める調整の方が説明しやすいです(年初の小型株優位の文脈とも整合的)。
小型株:週では小幅安でも、年初来ではなお強い。広がりが消えたわけではなく、今週は“休憩”に近い。(Russell2000は最高値を水・木で更新しています)
何が起きている?「構造変化」まで進む兆候はあるのか?(グリーンランド関連発言の評価)
この週の本題はこの点かと思います。結論から言うと、現時点で観測できるのは 「構造変化の“芽”は意識され始めた」 までで、サプライチェーンや同盟の本格再設計に直結したと断言できる段階ではありません。
ただし、芽がある理由は3つあります。
ドルの安全資産性が“傷つくシナリオ”が市場で語られた
今回の一連を「ドルへの疑念」「安全資産の再評価」と捉える向きもあります。
“Sell America(アメリカ売り:米国資産を減らす)”の言説が再点火
「世界は米国資産を減らすのか?」と報じるメディアもあります。
ただし現実の資金フローは“すぐには動かない”
脱ドルは言葉ほど簡単ではなく、米国市場の流動性・規模・代替資産の不足がブレーキになります。ここが「芽はあるが、構造変化の確定ではない」理由です。
要するに、長期投資家としては、ニュースの一撃(短期) と制度・同盟・資本フローが変わる(構造)を分けて見るのが正しい。今はまだ前者の比重が大きい、という判断になります。
長期投資家としての示唆:やることは3つだけ
「政治で振らされる」「金が投機的」「為替介入は速度調整」という状況を前提にすると、長期投資家が今週から取るべき行動はシンプルです。
ポジションサイズの点検(値幅が荒い=サイズが全て)
“カジノ化”に見える局面ほど、銘柄当てよりサイズ管理が効きます。
集中の見直しは“機械的”に
マグニフィセント7を信仰で握る必要も、恐怖で捨てる必要もない。
「増えた分だけ少し戻す」「崩れたら買い増す」など、ルール化が一番強い。
構造変化の監視項目を決める(ニュースではなく指標で)
例:同盟国との通商摩擦が“制度化”しているか、制裁・関税が恒常化しているか、企業ガイダンスにサプライチェーン再編が織り込まれ始めたか。
これらが見えないうちは、長期方針は大きく変えないが合理的です。
後記
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