あなたは既に投資をしています
資産を形成するには、貯蓄から投資へと進めていく必要があります。
この言い方では、貯蓄と投資を別ものとして扱っていますが、貯蓄も投資の一部と言えます。
貯蓄は、元本が棄損する(減る)リスクがなく、投資の中では最も安全なものに位置付けられます。
預けたお金を銀行が代わりに企業や個人に貸し付けたり、投資をしたりして増やしてくれます。
代行してやってもらっていますが、その代行手数料は、得られた収益から引かれますし、安全に保管してもらっている手数料も払わなくて済んでいる。
だから得られる金利も非常に低いということになります。
そういう意味では、実は知らない間に投資をしていたとも言えるかと思います。
貯蓄は、銀行に口座さえ作れば、1円からでもスタートできます。
期待されるリターンは極めて低いものの、誰でもすぐに始められるのが預貯金です。
資産を形成する上では、最初にしなければならないことの一つです。
現在の社会の中では、大人になって銀行口座を一つも持たないで生活していくのはむしろ難しいくらいです。
ほとんどの人が、この部分は出来ています。
「投資」のイメージを変えよう
問題は、そこからもう一歩踏み出せるかどうかというところです。
「投資」という言葉の持つ、何かすごく特別なことをするといったイメージが、ハードルを上げてしまっているようです。
投資はお金持ちがするもの、と思い込んでしまっている人も多いようです。
あるいは、投資は怖いもの、といったイメージを持っている人も多いかと思います。
新聞・雑誌・テレビなどで投資に絡んだ記事が取り上げられることがありますが、それらはほぼ極めて極端なケースであることが多く、あまり参考にはなりません。
珍しいからこそ、ニュースになるわけですから。短期間で何十億も稼いだ、とか、何十億も損して大変なことになった、とか。
投資のイメージが一攫千金を狙うギャンブルのようなもののように形作られてしまっているようです。
そうした記事を読んでも誤ったイメージを持ってしまうだけです。
投資はやり方次第で、非常に安全にも、ギャンブル的にもすることができます。
投資は怖いもの、普通の人がやるべきではないもの、といったイメージは払拭していただければと思います。
投資を学ぶ
適度なリスクをとって、それに見合ったリターン(あるいは「より高いリターン」)を狙うにはどうしたら良いかということを学んでいければ良いかと思います。
投資は、お金を必要としている人・企業に対して、資金を再配分し、経済を活性化させる仕組みです。
資本主義社会ではとても重要な仕組みの一つです。
バブルが起きたり、それが崩壊したりして、経済が大変なことになってしまうのは、簡単に稼げるように見えるとついついやり過ぎてしまう、人間の特性から発生します。
それを理解して、上手く対処出来れば、過度なリスクを取らずに、比較的安全に資産を形成していくことが可能になります。
怖いから避けるのではなく、理解することで、過度なリスクを取らずに資産を形成していくことで、資産を形成していきましょう。
貯蓄から投資へ
貯蓄から投資へ、といった時に実は高いバーはありません。
今では、かなり低い金額から投資が可能となっています。
投資はお金持ちのするもの、というのは思い込みに過ぎません。
捨て去ってしまいましょう。
確かに、お金に余裕がある方が投資をしやすいのは確かです。
その一方で、本当に資産形成が必要なのは、むしろお金に余裕があまりない人です。
お金に余裕の無い人は、その状態から脱するためには、収入を増やすか、支出を減らすかして、将来のために資産を形成していかなければ、お金に余裕の無い状態・お金に不安のある状態からなかなか脱することが出来ません。
投資はお金持ちが更にお金持ちになる仕組みではなく、より多くの人が豊かになるための仕組みです。
前回、お金との付き合い方ということで、お金を稼ぐ、お金を使う(賢く使う)、守る、というお話をしました。
この守るには、守りながら増やす、ということが含まれています。
貯蓄・投資に回せるお金というのは、収入から支出を差し引いたお金になります。
したがって、実は収入そのものは関係ありません。(もちろん、収入が多い方が投資に回せる資金額の可能性は大きくなります)
まずは、「収入より支出額を減らす」ことです。
その幅を大きくしていくことが出来れば、貯蓄・投資は可能になります。
預貯金と投資の割合
預貯金も投資の一部として考えた場合、どのくらいの預貯金を持ち、どのくらいを投資(株・投資信託・金・不動産など)に回すかのバランスはとても重要になります。
若い人には、半年分、もしくは少なくとも3カ月分の収入分くらいを預貯金で持つことを目標にしなさい、と伝えています。
50代以上であれば、そこまでは不要かなと思っています。
臨時の出費があっても何とかやっていけるな、という金額のレベル感を持っておられる方も多いのではないかと思います。
それを越える分は投資に回すようにしていただいて良いかと思います。
必要以上に安全策を採るのではなく、無理のない範囲でリスクを取って行って良いかと思います。
時間は個人投資家の最大の武器
投資のリターンは、投資期間が長ければ長いほど安定してきます。
時間こそが、運やスキルの差を捨象するものであり、一般個人投資家にとっての最大の武器です。
そのためには、投資期間を出来るだけ長くとれるように工夫していくことが大事です。
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