感情のコントロール:FOMOにどう向き合うか?

投資の始め方

FOMO

FOMOって聞いたことありますか?

FOMOというのは、“Fear of Missing Out”、すなわち取り残される恐怖ということです。

この言葉は、SNS依存に関係して使われることが多かった。

SNSにおける流行への同調の心理的強制みたいな文脈で語られていました。

投資の世界でも、数年前から話題になりました。

スマホの株式取引きアプリが急速に広がり、誰でも簡単に株取引が出来るようになりました。

SNSを介して個人トレーダーが集団でミーム株(Meme Stock。ミーム株とは、オンラインコミュニティーにてもてはやされる「はやりの株」のこと)を買い上げる現象が起きました。

それに関連して使われることが多くなりました。

投資の世界でこの言葉が使われるのは、他の人が投資・トレードをすることで大成功しているのを見て同様な行動をとる場合に使われたりします。

全く関係ない人が、「億り人」になろうが、破産しようが、全く気になりません。

しかし、例えば隣人や会社の同僚など、自分の近くにいる人が、株や暗号通貨で「億り人」になったという話が聞こえてきた際に、じっとしていられる人は、実はあまり多くいないのです。

長年投資の世界にいる私でも、誰々さんがXX株で大儲けしたらしい、なんて話が聞こえてくると、落ち着いていられなくなります。

これが、投資・トレードの世界でのFOMOの原因となる感情です。

そして、その人に出来たのだから自分も、とあまり調べたり学んだりせずに、その世界に飛び込んでしまったりします。

こうした現象は、FOMOなんて言葉が出来るずっと前から、実は延々と続いてきた現象です。

そもそもバブルを形成する過程での、最大のエネルギーはこの嫉妬・妬み・自分だけ取り残される恐怖などの感情のエネルギーです。

FOMOに従って動くと。。。

焦る

では、FOMOに従って行動した時に何が起きるでしょうか?

FOMOは感情ですから、それを感じるタイミング、それを感じで行動に移すタイミングは人によって異なります。

ミーム株の動きでも分かるように、買い上げていく過程では、バリュエーション(割安か割高か)は関係なく、上昇の理由も関係なく、上昇しているから買う、というレベルに近いのです。(本能的な反射に近い)

その中で、FOMOを感じ、行動に移すタイミングが異なるので、後から入ってくる人はより強いFOMOを感じながら入ってくる。

そして、最後に入って来て最も高い価格で入った人が、その後の下落で最も大きな損失を被ることになります。

そういう意味では、FOMOの閾値が低い人(即ち、FOMOに敏感な人)は比較的早い時期に購入しているので、実は、意外に痛手は少ない可能性があります。

ただ、閾値が低いので、常に回りの様子をいつも気にしているような感じになります。

JOMO

JOMO

そうしたことに関心が無いとかJOMO(Joy of Missing Out 取り残されることの喜び)と言っていた人が、FOMOでミーム株が上昇し続けていることが気になり始め、耐えきれなくなって、流れに飛び込むのが一番危険です。

関係ないと思うなら、最後まで関係なく、超然としている、あるいは最後までJOMOであることを楽しむくらいでないと危ないです。

最も弱気の人が、強気に転換した時が、相場の終わりと言われることが多いように、最後に態度を変えた人が最も痛手を被ることが多い。

強気でも弱気でも、周りの動きに振り回されるのは、痛い目にあうことが多いのが市場ですが、上昇でも下落でも、流れに身を任せる順張りでいくのも一つのあり方です。

ただし、順張りするトレンドをどの程度の長さでとらえるかで、成功の度合いは大きく変わります。

それもあまり簡単なことではない。

投資、特に短期・中期の投資をする場合には、FOMOの影響を極力抑制すること、感情のコントロールが重要です。

ただし、実はこの感情のコントロールというのが、実は極めて難しい。

人間が感情を持つ動物である以上、そして、欲望が理性を征服してしまいやすいお金の絡む市場ではなおさらです。

プロ中のプロと言われるような人でも、バブルの時には、バブルを牽引する銘柄に殺到したりしています。

プロ中のプロでもFOMOに抗しきれないのに、私たちがFOMOの影響を小さくして投資をし続けるにはどうしたらよいでしょうか?

FOMOを避ける投資方法

自動化

短期・中期の投資では、売り買いのタイミングの影響は非常に大きなものとなります。

そのタイミングの影響が小さくなるのは、長期投資です。

そして、投資に感情が入り込むのを防ぐ最善の方法は、投資の自動化です。

既に投資の自動化については、お話しました。それも踏まえていうと、感情を排除した投資を行うには、よく分散されたインデックス投信(あるいはETF)を、ドルコスト平均法で長期積立投資すること。

ドルコスト平均法は、証券会社の投信積立とか、定期定額購入などの仕組みを使うことで実施可能です。

上がっている時も下がっている時も、貪欲や恐怖といった感情に振らされやすいのが投資です。

その感情の影響かを出来るだけ排除して、非合理的な動きを避けて、長期的に安定したリターンを目指しましょう。

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