【米国株式週間レビュー】2025年8月第2週 :CPI安堵からPPI上振れで利下げ観測後退

投資

米国株式市場 週間レビュー(2025年8月11日〜8月15日)

今週の米国株式市場は、インフレ指標と金融政策の行方が相場を左右しました。7月の消費者物価指数(CPI)・生産者物価指数(PPI)が相次いで発表され、利下げ観測が揺れ動く中で、主要指数は最高値更新から一服する展開に。長期投資家にとっては、短期的な値動きの背景を理解しつつ、中長期の視点で投資戦略を見直す好機となった一週間でした。

概要&マクロ動向

  • S&P500:一時史上最高値を更新するも、週後半にかけてやや反落
  • ダウ平均:好調な企業決算と大型株の買い支えで堅調推移
  • ナスダック総合:AI関連株の強弱が分かれる展開
  • 金利:CPI発表直後は低下も、PPI上振れで反発
  • 為替(ドル円):147円台を中心に上下、週後半には円高に振れる場面も
今週の焦点は、CPIが予想通りで市場が安心感を持った直後に、PPIが3年ぶりの大幅上昇を記録したこと。企業が関税コストを価格に転嫁し始めている兆しが見られ、9月FOMCでの利下げ観測は「0.25%確実」から「やや慎重」に変化しました。 雇用統計の弱い数字を見て、市場は9月での利下げを織り込んで上昇しましたが、その後の経済指標がミックスな内容で、利下げ観測が揺れています。

セクターの状況

  • 上昇セクター:エネルギー(原油反発局面)、金融(利ざや拡大期待)
  • 下落セクター:半導体(AMAT業績見通し下方修正、関連株売り)、公益(利回り競合から売り)
  • 小型株:ラッセル2000は3%超上昇する場面もあり、循環物色の兆し
AI関連銘柄は、NVIDIAやパランティアが最高値を更新する場面があった一方で、需給や材料出尽くし感から利益確定売りも。セクター間の明暗がくっきりした週でした。

個別銘柄の動き

この週、エヌビディア(NVDA)は、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。
  • ユナイテッドヘルス(UNH):著名投資家バフェット氏関連の買い増し報道で急伸
  • インテル(INTC):米政府による出資検討報道で7%超上昇、5カ月ぶり高値
  • アプライド・マテリアルズ(AMAT):見通し下方修正で半導体セクター全体に売り
  • 新規IPO銘柄(BLSH):初値後の乱高下から反発も、依然ボラティリティ高
短期的な材料が株価を大きく動かしましたが、長期投資家はこうしたボラティリティに振り回されない姿勢が重要です。

今後の見通し

来週以降は、ジャクソンホール会合(21日~23日)とパウエル議長の発言(22日)が最大の焦点となります。 短期的には以下のポイントが注目されます:
  • 米ロ首脳会談の結果とエネルギー市場への影響
  • 小売企業決算を通じた消費動向の把握
  • 関税の価格転嫁進行度合い(PPI上振れの持続性)
長期的には、労働市場の減速とインフレ鈍化が続くなら、年内複数回の利下げも視野に入り、株式市場にはプラス要因となる可能性があります。ただし、企業収益が関税やコスト上昇で圧迫されるリスクは軽視できません。 投資家としては、好調なセクター・銘柄に集中投資するよりも、分散とポートフォリオの耐性確保を重視すべき局面が続きそうです。

まとめ・行動の提案

  • 市場ニュースに一喜一憂せず、中長期の視点で資産配分を点検
  • 関税・インフレ動向とFRB政策判断のつながりを意識
  • 個別銘柄は材料により急変するため、ポジションサイズ管理を徹底
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