【米国株式週間レビュー:11/3~11/7】連邦政府閉鎖とAIセクター調整で市場不安、週末は合意期待で下げ止まり

投資

11月3日~7日の米国株式市場は、不安定な動きに終始しました。金曜日に若干落ち着きましたが、これが反発のきっかけになるのか、下落局面での小休止かはまだ分かりません。

概要&マクロ

市場を不安定にさせている懸念材料は以下の3つです。

長引く連邦政府閉鎖 → 経済指標も発表されず、金融政策の先行きが見通しにくい(ほぼ暗闇で動いているような状況です) 既に7日に閉鎖は38日で過去最長になっているので、これも新しい話ではないが、その影響が連邦職員の雇用に与える影響だけでなく、補助金などの支払いが止まるなど影響が広がっています。

AI関連株のバリュエーションが過熱していないか → これは、以前からずっと根強くあるものですが、「ビッグ・ショート」で有名になった空売りで稼ぐマネジャーが新たにエヌビディアやパランティアの空売りポジションを積み増していることなどがニュースになり、若干神経質になっている市場の中で投資家の注目を浴びてしまったようです。

労働市場の弱さへの懸念 → 連邦政府閉鎖の影響で、10月の雇用統計がまだ発表されていません。金融政策が手探り状態になっている中で、雇用が比較的強いことが、金利が高止まりしても米国経済は大丈夫という信念が、市場を支えてきました。(不安を抱えつつも)それが、民間の雇用関連の指標で、揺らいできています。

この3つの、これまでもあった懸念が再度そして同時に意識されたことで、市場の下落につながっています。

4月の「解放の日」以後、大きな下落・調整局面なく上昇し続けてきた市場ですので、上昇のエネルギーが枯渇しやすい状況になった中でしたので、見事に下落の材料になりました。

金曜日に、長引く連邦政府閉鎖解消に向けての、かすかな灯りが見えたことで、取り敢えず、下げ止まりました。

ただ、はっきり言って状況は全く変わっていませんので、反転のきっかけになるかどうかは全く分かりません。下げ続けると出てくる逆張り的な動きで小休止しただけかもしれません。

言い方はあまり良くないですが米国の市場格言では”Dead Cat bounce.”と言われるものかもしれません。(「死んだ猫でも高いところから落とせば跳ねる」ということ。下落局面での一時的な自律反発に対して使われます)

週末に少し休んでセンチメントが改善することを期待します。

ps. メディアの記事には、機関投資家の売りが起きているという推測をしているものがありました。ただ、出来高の動きを見ている限り、大きな変化は起きていません。ヘッジファンドなどの短期の投資家は動いているかもしれませんが、長期スタンスの機関投資家が大きく動いている気配はないように思います。様子見かと思います。

セクターの状況

グロース系セクターが不振の一方で、ディフェンシブ系のセクターが堅調でした。指数全体が下落している中で、セクターでマイナスになったのが、製造業(Industrial)とグロース系の一般消費財サービス、コミュニケーション、テクノロジーだけです。

売りがグロース系セクターに集中したということがよく分かるかと思います。

これはS&P500の1週間のパフォーマンスのヒートマップです。

面積としては半導体などを含むテクノロジーは真っ赤っか(大きく下げた)。緑(上昇)の銘柄も結構見えています。

そういう意味では、この下げ市場全体が大きく下落したということではないと考えて良さそうです。

スピード調整的な下落(それが調整局面にまで行ったとしても)と言えるかもしれません。

個別銘柄の状況

この週では、週初にアマゾン(AMZN)がAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。マグニフィセント7では、唯一プラスで終わった銘柄です。

ヘルスケアのイーライ・リリー(LLY)は、糖尿病薬・肥満薬の好調が決算に現れているなどで、好調です。

特筆すべきは、エアラインや特にホテルが非常に好調であったということでしょうか。ただ、連邦政府の閉鎖が続いており、管制官などの不足で、エアラインは、運航本数を減らさざるを得ない状況になっているので(一時的だとは思いますが)、若干注意が必要かなと思います。

今後の見通し

上でも書きましたが、市場を下落させた要因に大きな変化はありません。したがって、短期的には引続き不安定な動きが続く可能性があると思って良いかと思っています。

中期的には、利下げ方向にFRBが安心して取り組める状況になるかどうかがキーになりそうです。それが、景気の状況、ひいては企業業績にも影響すると思われるので。

長期的には、米国経済は非常に強い(resilient。最近の流行り?)と思っているので、下落局面での売りはしない方針です。

個別銘柄の売買は、当該企業のビジネスの状況で判断し、市場全体の動きに伴う動きでの売りの判断はしない方が良いです。(下げた時に買い、過度に上昇したと判断した際にトリミングするなどはあるかな)

後記

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