この週(1/12~1/16)のNY株式市場は、高値圏で次の動きの契機を探るような展開の中で、年初来の小型株(Russell2000)優勢の状況が継続しています。
概要&マクロ


1/12〜1/16の米国株は、主要3指数(ダウ・S&P500・NASDAQ)が小幅に下落して終わりました。数字だけ見ると“足踏み”ですが、中身はかなり特徴的です。
つまり、「指数全体は横ばい〜小幅安」なのに、小型株はしっかり上がっています。この週、5取引日のうち4日で最高値を更新しています。そして、Russell2000がS&P500をアウトパフォームした(パフォーマンスが良かった)日が11日連続となり、2008年以来の長さになっています。
ここ数年、小型株がずっと大型株に劣後する状況が続いていたので、かなり特徴的な動きです。
マクロ面では、週後半から本格化した決算シーズン(銀行株など)と、金利(米国債利回り)、そして地政学・政治リスクが市場のセンチメントを揺らしました。
台湾セミコンダクターの好決算・強気見通しで、AIテーマの復活が見られ、半導体関連株が強かった一方、全体としては「記録高値近辺でのもみ合い」「節目(S&P500の7,000)意識」など、過熱と警戒が同居する状態のような動きをしています。
このような警戒がそれなりに強い状況は、実は上昇しやすい環境でもあります。どちらに転ぶか、様子を注視していきましょう。
為替(ドル円):円安基調で、リスク資産に“追い風にもノイズにも”
ドル円は158円台後半〜159円近辺で推移し、円は弱含み。短期的には介入警戒ゾーンといった観測もあり、為替の大きな変動は株にも波及しやすい局面です。
セクターの状況:今回の“ローテーション”は少し癖がある

「Russell2000(小型株)強い=景気敏感が強い」という連想は自然ですが、今週はセクターの勝ち方が少し癖があります。
生活必需品・不動産・公益といったディフェンシブが週間で強かった一方、金融が弱かったと伝えています。(決算は決して悪いと言えるほどではないのですが。。。)
これは、典型的な“強気の景気敏感ローテーション”というより、「高値圏で利益確定をこなしつつ、バリュエーションが相対的に低い(またはキャッシュフローが読みやすい)ところへ資金が分散」しているニュアンスに近い。
一方で、週末にかけては半導体(AI連想)に再び強さが出ており、「AIが終わった」ではまったくありません。半導体ETFの上昇などが報じられています。
セクターの特徴的な動きは下のヒートマップで明らかです。(Finvizのヒートマップです。1週間の動きです)

銀行(マネーセンターバンク。左下)、クレジットカードなどが大きく下落しています。
この辺りが少し特徴的な動きですが、これにはクレジットカードや、金利、金融政策、FRB人事などをめぐるトランプ大統領の発言に動揺させられている感が強いかなと見ています。
個別銘柄の状況

この週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新したのは、グリーンでハイライトした銘柄です。
(1)半導体・AI周辺:相対パフォーマンスは揺れるが、需給はまだ強い
週の終盤、半導体が上昇。AI需要(データセンター等)を背景に、メモリやストレージ関連が買われています。
ここは重要で、メガテックが停滞して見えても、“AIの部品”は動く。投資家心理としては「巨大プラットフォームは織り込みが進み、周辺の伸びしろを探す」動きが出やすい。(AIの進化で、ストーレージの今後の拡大の需要急拡大のトレンドが続くと見られ、俄かに脚光を浴びてきているセグメントです)
(2)銀行・金融:決算は悪くないのに、テーマは別の場所へ
JPモルガン(JPM)、ウェルスファーゴ(WFC)、バンカメリカ(BAC)ゴールドマン・サックス(G)、モルガン・スタンレー(MS)など金融大手が決算を発表し、比較的良かったとの印象でしたが、株価は素直には反応していません。
金融セクターが重かった背景として、政策・規制面の懸念にも触れています。
要するに「業績」だけでなく「政策」が値動きに混ざる週で、ここは短期投資家の主戦場になりがちです。
(3)小型株:指数が語る通り、主役は“裾野”
この週の主役はやはり小型株。資金が工業・エネルギーなど「景気再加速で恩恵を受ける領域」に向かったのではないかと思われます。
ただ、マグニフィセント7銘柄が停滞しているとはいえ、大きく売られているというほどではなく、少しポジションを減らして利食い、その分で出遅れ感の強い小型株などに資金を振り分けた(リスク管理的な再配分)という感じに見えます。
「メガテックを叩き売って乗り換えた」ほどではなく、マグニフィセント7は崩れていないと見ています。
市場の全体観について(私見)
1. 「ローテーション」なのか?それとも「ウェイト調整+割安修正」なのか?
結論から言うと、今週の動きは 「どちらも混ざっている」というところかと思っています。ただし比率としては、純粋なセクターローテーション(テック売り→景気敏感買い) というより「巨大株の集中がいったん止まり、出遅れ(小型・バリュー・中型)へ資金が分散」の色合いが強い、と私は見ています。
そのように考えている根拠は下の3つ。
根拠①:マグニフィセント7が“下がらない
大きく崩れないのは、AIテーマ自体がまだ否定されていないから。週後半に半導体関連が強かったのはその証左(台湾セミコンダクターの決算を受けての動き)
根拠②:ラッセルのアウトパフォームが「連続」で続く
連続アウトパフォームは、短期の思いつきではなく、ポジションの積み上げを示唆します。
これは「AI飽きた」ではなく、「広く買う」モードに市場が移っている可能性が高い。
根拠③:ディフェンシブも強い=強気一本槍ではない
生活必需品・公益・不動産が強いというのは、「景気敏感だけを買っている」状態と違います。
高値圏で、守りも買いながら広げている。だから指数は伸びないが、勝ち組が増える。
2. コモディティ&貴金属:ここが“カジノ化”の体温計になっている
最近私が市場を見ていて感じることですが、株価・金価格の動きの値幅が大きく、株・金がカジノっぽくなってきていると感じています。(ここ数週間というよりは、ここ数年の動き。最近は株だけでなく、金や銀の価格変動も大きくかなり投機的に見えます)
金(ゴールド):週間で約+2%、週中に過去最高値圏をつけています
銀(シルバー):週間で+13%、値動きが荒い
プラチナ/パラジウム:下落
さらに、金は「強い米指標→ドル高→利下げ期待後退」で一時押される、という典型的な材料も出ています。
つまり、マクロ材料は普通なのに、値幅が大きい。これは、参加者の増加=値動きの荒さ、に見える理由です。
一方で、債券・金利は比較的「理屈で動く」市場です。だからこそ、株や貴金属の値動きが荒いときは、長期投資家はこう整理すると良いかと思います。
(A)需給が主役の値幅:短期資金・レバレッジ・オプションが作る
(B)ファンダメンタル主役のトレンド:金利・インフレ・利益成長が作る
今は(A)が強め。だから“カジノっぽく”見える。ただし、(A)が強い局面ほど、(B)の前提が崩れたときに下落が速い。ここは注意が必要です。
今後の見通し:市場が注目するリスクとチャンス
注目①:決算(特にテック)—「高値に耐える利益」かどうか
指数が高値圏で粘っているとき、決算は“現実”を突きつけます。今週は序盤戦。ここからが本番です。
注目②:金利とドル—小型株優位が続く条件
小型株優位は、金利が急騰しないことが重要条件になりやすい。ドル円も含め、金利と為替の振れは、ローテーションの継続性を左右します。
注目③:センチメント偏り—「強気の中の小さなヒビ」を探す
市場のセンチメントが強気に偏ってきていると感じています。だからと言ってすぐに暴落するような水準ではないし、センチメントが偏っている期間は、実際にはかなり続くことが多い。したがって、偏ってきていると感じてはいるものの、「暴落の予兆」として過度に警戒するのではなく、多少気を配って警戒していきたいと思います。
ただ、今後は以下のような現象が増えてくる可能性があります。
・急騰銘柄が増える
・一撃の急落も増える
・材料に対する反応が過剰になる
こうした兆候が頻繁に見られるようになってきているので、強気は維持しつつも警戒は緩めないほうが良いかと思い始めています。
長期投資家としての示唆:やることはシンプル、でも“点検”は増やす
結論:コアは握る。だが点検頻度を上げる。
この週のように「指数は動かないのに中身が派手」な局面で、売買を増やすと逆にパフォーマンスを落としがちです。
長期投資家がやるべきは、派手な売買ではなく次の3つ。
・ポジションの集中度チェック
マグニフィセント7が止まっている間に、ポートフォリオが“巨大株依存”になりすぎていないか点検。
・リバランスは機械的に
小型株・バリューが伸びたなら「伸びた分だけ薄く戻す」。売る理由が“気分”になったら失敗します。
・「値幅の荒さ」を前提に、サイズを落とす
カジノ化に見える局面では、銘柄選別よりまずポジションサイズ。これがいちばん効きます。
後記
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