【米国株式週間レビュー】ブル・ベア攻防戦 決着持ち越し 2024年3月16日

投資

概要

3/11~3/15のNY株式市場は、前週末の波乱*の影響の中で、強気派(ブル)と弱気派(ベア)の攻防の中で、ベアが若干優勢ではあるものの、まだ方向感定まらない状況が続いています。

ブルとベア

*先週末の波乱:マーケット・リーダーのエヌビディア(NVDA)が、大きく上昇して最高値を付けた後に急落し、クライマックス・トップのような状況になったこと。

AI関連など業績期待の高かった銘柄が、期待に届かなかったり、インフレ指標が予想より高く、インフレ収束が遅れるとの懸念が高まったり、と株式市場にはネガティブなニュースが続きました。

その結果、NYダウ、S&P500、ナスダックなど主要指数は2週連続の下落となりました。

マクロ指標を見ると、インフレ指標(CPI、PPI)が予想より高い数字で発表されたこと、新規失業保険申請者数が予想より小さかったことなどにより、FOMCによる利下げタイミングの後ろズレの可能性が高まったことの影響で、金利が長期も短期も上昇しています。

こうした金利の動きでは、グロース系銘柄は下落しやすい環境だったかと思います。

日本の投資家にとってみると、円から米株への投資は、株価は不振だったが、円安ドル高に少し動いたので、その影響は若干マイルドになった感じです。

セクターの状況

米国の在庫減や、国際エネルギー機関(IEA)が年間需要予測を供給超過から供給不足に修正したことで、原油価格が上昇しています。

その恩恵をエネルギーセクターが受けたものと考えられます。

明確な特徴は見えずらいですが、景気敏感系が比較的良く、グロース系とディフェンシブ系が出遅れた感じかと思います。

金利の上昇の影響を最も受けやすい不動産(REIT)セクターが最も不振でした。

サブセクターレベルでは、経済全体の影響に与える影響の大きい半導体セクターは、NVDAの反転以降、厳しい状況に置かれています。

個別銘柄の状況

ここでは、Magnificent 7と、その他気になるセクターの代表的な銘柄を数銘柄、私の独断と偏見で選んでいます。ここに示されていないセクターも沢山あります。

グリーンでハイライトしたマイクロソフト(MSFT)とキャタピラー(CAT)は、この週に、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。

NVDAの先週末の動きが、本当にクライマックス・トップだったのかどうかを判定することはまだ出来ないようです。そのまま継続して下落することもなく、攻防戦が続いています。

週間レベルでは、大きく上昇していますが、不安定な状況は変わっていません。

隔世の感のあるのが、テスラ(TSLA)です。価格低下が1週間で‐20%近いというのは流石に醜い。EVブームが急速に冷えてきているような感じになっています。中国での需要減に加え、米国でも需要が落ちている。

インフラ(充電設備など)不足や充電時間の長さなどの不便さから、フルEVではなくむしろハイブリッドに人気が移りつつあるようです。

広く一般に広がるためには、補助金に頼るだけでは不十分で、まだまだ課題も多いようです。

AI関連銘柄として注目を浴びていたアドビ(ADBE)ですが、生成AIのOpenAIが画像生成も可能にしたAIを発表したことで2月半ばに大きく下落していましたが、今度は業績発表において、先行きの見通しが市場の期待に満たなかったことで、大きく下落してしまいました。

市場は貪欲です。

今後の見通し

2/18~2/22の週はいくつか大きなイベントがあります。

FOMC:2/19(火)20(水) 新なニュースは特にないと予想されています。利下げは早くても6月と予想されています。

GTC2024:NVDAのAI関連カンファレンスです。(2/18夜~2/21)

New Era of Work:MSFTのイベントです。

この二つのイベントは、AIテーマの今後を占う上で重要なイベントになりそうです。

まだ、上昇トレンドが壊れたというには早いかと思っています。ただ、-10%程度の下落は、ほぼ毎年起きています。ここまでの上昇スピードが早かったので、一旦、調整が入っても違和感はないかと思っています。

そのあとに再び上昇軌道に戻れるかどうかは、やはりインフレの鎮静化の状況と、金利の動きが大きなポイントになるかと思います。

そのうえで、業績を伴った株価の上昇が起きれば良いかなと思っています。

基本的にはあまり心配していないものの、状況を注意深く観察していくのが良いと思っています。業績の良い企業は、マクロ要因で下落した時には、買いのチャンスと見ても良いかと思います。

インデックス投資でもやはり積み増しのタイミングになることが多い。

目先の株価にあまり一喜一憂せず、5年10年先を見ながらその企業の業績がどうなりそうかを考えていると、目先の動きはノイズに過ぎないです。

追記:
為替絡みでは、日銀の政策決定会合が18日・19日に行われます。市場では、ゼロ金利政策解除と、イールドカーブコントロールの終了が予想されています。

これは、円高に動きやすい状況になっていきます。現時点では、ゼロ金利政策解除後も当面は緩和的な姿勢を取るとのことですが、ゼロ金利解除のシンボリックな意味合いは大きいかなと思っています。

後記

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