【米国株式週間アップデート】不安定な市場の中で物色の変化 2025年3月1日

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早くも2025年は2か月が終了し、3月に入ってしまいました。

2/24~2/28の週は金曜日に上昇したものの、かなり酷い状況でしたし、月次でもマイナスとなるなど、これまでとは若干異なるステージになってきたかなという感が強くなりつつあります。

概要&マクロ

金曜日に大きく上昇したとはいえ、週間で見るとプラスを維持したのは、NYダウ平均のみ。NASDAQに至っては、-3.47%の下落と週間ベースの下落としてはかなり大きい。

結果として、2月単月では4指数全て下落、年初来では辛うじてS&P500もプラスですが、NASDAQと小型株のRussell2000はマイナスです。

景気の鈍化がかなり意識される中で、トランプ大統領の関税問題もあり、インフレの鎮静化が遅れ、金利が高止まりしている状況です。

これらから最も直接的に影響を受けるのが小型株です。小型株はかなり長い低迷をしています。金利は高いが景気は良いというところに支えられてきたのですが、それが危うくなっていることが特にキツイのかと思われます。

この週(2/24~2/28)の材料で大きかったのが、水曜日26日の引け後に発表されたエヌビディア(NVDA)の決算に対する評価と、金曜日28日に発表された個人消費価格指数(PCE指数)インフレ率です。

NVDAの決算は引続き大変良いのですが、やはりDeepSeekショックの影響が大きく、その評価は非常に厳しいものとなったという印象です。一部、ウォールストリートの証券会社が格付けを引き下げたという報道も出てきています。

この影響は、他の半導体銘柄だけでなくテクノロジーやコミュニケーションなどかなり広い範囲に広がっています。

金曜日に発表されたPCE価格指数(対前年比)は、+2.5%(予想+2.5%、前月+2.6%)と低い水準となったことは好感されました。

もう一つ、トランプ大統領が何が何でも終結させようとしているロシアのウクライナ侵攻問題(若干なりふり構わない感がありますが、経済的な問題だけでなく、彼がノーベル平和賞を狙っているからとの噂もあります)ですが、ウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談が不調に終わったことなどで、引き続き不透明感が続きます。

関税がインフレに影響すると考えられていることから、トランプ大統領の関税に関する言動に市場は振り回されている感じです。経済状況や、企業の業績が以前ほど盤石とは思えない状況になりつつある中なので、より不安定になりがちです。

セクターの状況

比較的綺麗に分かれましたね。ディフェンシブ>シクリカル>グロース。

マグニフィセント7銘柄を含むテクノロジー、コミュニケーション、一般消費財・サービスなどのグロース系セクターが劣後し、ディフェンシブやシクリカルが相対的に上位に来ています。

グロース系セクターが劣後している状況は、2月単月でも、年初来でも同様です。

今年に入り、セクターロテーション(個別銘柄においてもマーケットリーダーの交代)が起きつつあるということが示されているかと思います。

個別銘柄の状況

マグニフィセント7は、週間ではどれもマイナス。月次では、アップル(AAPL)、エヌビディア(NVDA)がプラス。年初来では、メタ(META)のみプラス、という状況です。

最近では、マグフィセント7は全く「マグニフィセント(非常に素晴らしい、最高の、といった意味)」ではなくなり、むしろ市場の足を引っ張っている感もあります。

これらの銘柄は、時価総額が大きいので、インデックスに対する影響が大きいので、これら以外の銘柄がどのような状況にあるのかが分かりづらく、市場の変化を捉えにくくしてしまう、というマイナス要因があります。

市場インデックスだけを見ず、より細かいレベルで見て行かないと変化にはついて行きにくいかなと思います。

最近見たニュースで、これまで何があっても上昇し続けていたマグニフィセント7が全体として、高値から‐10%以上下落し、調整局面入りしたという報道も出ていたかと思います。(28日金曜日では、-10%よりは小さくなっているかと思いますが)

最後までマグニフィセント7を牽引していたNVDAは、好決算にもかかわらず売られました。業績も先行きも良かった。しかし、期待を上回った幅が小さいとか、収益率が低下してきた(これは事前に想定されていたはずだが、、、)、とかいろいろいちゃもんが着いて、下落しています。

DeepSeekショック前であれば、この決算なら最高値を更新していてもおかしくないかなと思いますが、DeepSeekショックで、贔屓目でみることが出来なくなってきています。

即ち、やはりAIの成長において明らかにステージが変わりつつあるということ(パラダイムシフト)かと思います。

業績も悪くないし成長しているので、大きく下落することはないと期待していますが、出来高を伴って下落しているので(機関投資家が売っている)、長期にわたって横ばいが続く可能性があります。

今後の見通し

難しいですね。まあ、簡単であったことはないですし、政治の影響がこれだけ強くでている市場も珍しく、その政治の展開が極めて不透明(市場にとってネガティブに見える)なため、まだ引き続き不安定な状況が続くかと思われます。

ただ、トランプ大統領の言っている関税も単なるディールの手段に過ぎない可能性もあるし、アナウンス効果を狙っただけの可能性(もちろん、部分的に施行されるものもそれなりにあるとは思いますが)もあります。

第1期のトランプ政権でも、彼の公約達成率は24%程度だったとのこと。(バイデン政権は30%以上あったようです)

極端なものも多いため、訴訟で連邦政府(即ち大統領側)が敗訴もしくは取り下げをせざるを得ないケースも多いとのこと。

トランプ大統領の現在の行動の最大のモチベーションは以下の二つのようだとの推測がされているようです。

・トランプ大統領は、ノーベル平和賞を狙っている!?そのためには、ロシアのウクライナ侵攻を終わらせることと、ガザ紛争も終わらせることが必要と考えている。

・来年(2026年)の中間選挙で共和党が勝利し、自身の政権を盤石化すること

2点目は、ほぼ全ての大統領が意識することなので、珍しいことではない。(これが実現しないと後半の2年はほぼ何もできなくなる)

好きか嫌いかは別にして、その手段も別にして、もし、ロシアの侵攻を終わらせることができ、ガザ紛争も終結し、この二つの地域の紛争が終わって平和が戻るのであれば、それは一応評価できる。

ただし、終わった時の条件・状況によっては、後の紛争の火種を残すことにはなるので、一時的なものに終わってしまう。ノーベル平和賞の選定委員会がどう判断するかでしょう。そもそも私的な団体なので。

いずれにしても、引き続き不安定な市場は続くので、警戒は継続しましょう。積立は継続するにしても、下がったからと言ってすぐに積極的に買うのは止めた方が良いかなと思っています。

後記

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