1月20日(月)のマーチン・ルーサー・キングの日(休場)に第47代大統領に、トランプ氏が過去最高齢で就任し、トランプ2.0が始まりました。
最初の1週間は心配した関税に関係する動きなど、就任前に懸念されていたことがまだ起きていないこともあり、4日の取引日のうち3日上昇する良い相場で終わりました。
概要&マクロ
トランプ新大統領は、現時点での高い景気の現状を維持したいとの思いが強いようです。
そのため、金利を高い状況で維持しなくて良いように、原油価格を抑制することで、インフレを鎮静化することを望んでいると思われます。
原油価格を下げられれば、バイデン大統領時代に上昇していた原油価格を下げたことで、まず大統領としての成果が上げられます。そのような思惑が見えてきています。
関税については、就任以前にはかなり極端な関税政策を打ち出していましたが、就任後は若干トーンダウンしていると同時に、関税をその他の課題解決のための交渉材料にしようとしている意図が見て取れます。
中国への追加関税の件も、「自分としてはあまりやりたくないのだが」というようなコメントで、中国側に譲歩をすれば何とか回避できるかも、というような印象を与えています。
金利を低下方向にもっていき、景気を再浮揚させたいという意図が明確なので、小型株やシクリカル系の銘柄(バリュー株が多い)が息を吹き返してきています。
少し前から、テクノロジーなどグロース系の株価が頭打ちになりつつあるような感じになっていたので、マーケットリーダーの交代、セクターロテーションが起きつつあるかもしれない、とコメントしてきました。
その動きは継続しています。
ただ、21日引け後に発表された、トランプ大統領が後押しするスターゲイトAI投資計画でAI関連株が急騰し、再びテクノロジーなどグロース株が復活しました。
現在も攻防戦が続いています。
セクターの状況
コミュニケーションセクターは、主要銘柄のメタ(META)アルファベット(GOOGL)が好調なうえに、好決算の発表と四半期ベースで過去最高の有料視聴者(Subscriber)を獲得したネットフリックス(NFLX)の急騰などで、最高のパフォーマンスとなっています。
シクリカル系が若干劣後していますが、Industrial(製造業)が比較的高いことがバリュー株復活の流れを示しているかなと思っています。
個別銘柄の状況
非常に良いマーケットの中で、META、アマゾン(AMZN)、GOOGL、NFLX、そして農機のディア(DE)、そして大手銀行のJPモルガン・チェイス(JPM)が、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しました。
久々に賑やかです。
NFLXの有料視聴者の急増には、イカゲームの続編の影響というような分析がされているようです。期待値が高かったが、内容はいま一つとの声もあったので、この結果は若干意外でした。評価は個人の感覚の問題なので、あまり当てにはできないですね。
真田広之がプロデュースし主演も務めた「SHOGUN将軍」はディズニープラスの配信なので、これはディズニー株(DIS)の好調に貢献しているようです。
また、上のテーブルで、NFLXに次いで先週大きく上昇したのは、Eli Lilly(LLY)です。
この会社は、話題の糖尿病薬・減脂薬(肥満薬)を作っています。最初にこの薬を出したデンマークのノボ・ノルディスク(NVO)です。
LLYもNVOも、この薬の効果を巡って、大きく下落していましたが、直近で出た治験の結果が良かったことで、大きく上昇しています。
糖尿病薬・減脂薬(肥満薬)については、効果が認められて広がれば、アメリカのヘルスケア、食品業界にとってゲーム・チェンジャーになり得るものなので、注目されています。そのため、株価も期待と失望によって大きく上下しやすい。
今後の見通し
トランプ大統領の発言に振り回されている感があり、市場も右往左往していますが、あまり一喜一憂していてもムダかなと思っています。
彼の発言は、交渉相手に対するブラフ(bluff)のようなもので、交渉を有利にするためにしている面も多分にあります。
GDPを下げてまで関税を上げたり、結局アメリカの不利益になるようなところまではやらないと考えています。(そこまで愚かなことはしないでしょう)
前回のトランプ大統領時代の発言に比べてやっていることは、かなりマイルドでした。もちろん、如何なものかと思われるような政策もありましたが、アメリカの状況や選挙対策もあり仕方ない部分はあります。
株式市場にあまりネガティブなことはないかな、とは思いますが、2年続けて市場は20%を越えるリターンを上げていますし、好調な市場が非常に長く続いています。過度な期待(貪欲さ)が市場にはかなりはびこっています。
このような状況で更に大きく上昇し続けるためには、その過度な期待に応えられるだけの好業績と先行きの期待を維持し続ける必要があります。
そう考えると、時々は調整相場(10%以上の下落)や、弱気相場(20%以上の下落)が入って、過熱感を冷まして行った方が、暴落は避けられるかなと。
ITバブルの崩壊時は、NASDAQは1/3くらいにまで下落しました。そこまで下がってしまうとなかなか厳しいです。
業績発表のシーズンに入っています。来週(1/27ー31)の主な業績発表銘柄は以下の通りです(ティッカーで示します)
1月27日(月):SOFI、BRO、WRB、
1月28日(火):RCL、CVLT、SAP、FFIV、SYF、GM、SYK、AX、RNR、CB、BA
1月29日(水):META、NOW、SF、RJF、EAT、NDAQ、HESM、LII、TSLA、MSFT、URI、IBM、TRVA
1月30日(木):APPF、SKYW、TEAM、RMD、DT、MA、DB、V、KLAC、CHKP、BX、AAPL、CAT、VLO
1月31日(金):PIPR、WT
注目しておいた方が良さそうな銘柄は太字にしてあります。
FOMC(FRBの公開市場委員会)も1月28・29日に開かれます。今回はおそらく利下げは見送りかなと思います。(市場もそう想定しています)
いずれにしても、要因はいろいろあります。業績動向は要注意です。
後記
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