【米国株式週間アップデート】不安の壁を昇り最高値に接近 2024年5月11日

投資

米国株式市場は、景気減速とインフレが同時に起こるスタグフレーションの不安を抱えながら、市場は少しずつ上昇し(これを「市場は不安の壁を昇る」と相場格言で言っています)、最高値に接近してきました。

インフレ

市場概観・マクロ環境:経済指標はミックス

発表されている経済指標はミックスな状況です。景気の鈍化を示すものが出ている一方で、インフレの鎮静化の遅れ(しつこいインフレ)を示唆するものも発表されています。

これは景気が悪い中でインフレになるという最も悪いシナリオ(スタグフレーション)に陥る可能性をも示すものです。

それでも何とか市場が大崩れせずに今の水準でとどまっているのは、先のFOMC後の会見でパウエルFRB議長が、利下げのタイミングは後ろズレするとしても、次のアクションが利上げになることはない、と下支えしてくれていることによると思われます。

安心して買っていける状況でもないので、下がる日に出来高が増え、上がる日に出来高が減るという状況が続いている中で、市場はスルスルと上昇しています。

上でも述べましたが、NYダウ、S&P500、NASDAQ(+NASDAQ100)は、引け値ベースでの市場最高値に1%以内に迫ってきています。

金利は前週末と比べてほぼ横ばい。原油も同様です。

そうした中で、金は上昇し、為替も円安に進んでいます。

米国の金利が上昇していますが、日本の金利も実はジワジワ上昇しています。

既に日本国債の10年金利は0.90%、2年金利は0.30%まで上昇してきています。

米国が不安定ながらも、いずれは低下方向に向かうと想定されているのに対して、日本は、当面低金利状態を続けるとしていますが、市場は日銀の金利引上げを催促するような展開になっています。

日銀が早期の利上げに踏み切ると予想している人は7月の政策決定会合での利上げも想定し始めているようです。

企業の業績はマチマチですが、輸出系の好業績企業(自動車など)が賃金の大盤振る舞いをしないと景気はなかなかよくはならない。それが無い中で利上げをしにくいというのが日銀のスタンスです。

そうでないと、日本がスタグフレーションに陥ってしまいます。

セクターの状況:脇役が主役に

普段は目立たない、ユティリティ・セクターが最良のパフォーマンスとなっています。金利が低下していけば良いパフォーマンスを上げるセクターではありますが、それだけでもなさそうです。

このセクターの中で2番目に大きいネクステラ・エナジー(Nextera Energy:NEE)が大きく上昇しています。この企業は、クリーン・エネルギーのリーディング・カンパニーでもあります。

地味なセクターの中にも優良成長企業が散見されます。

個別株の状況:

上のテーブルを見ていただけると分かるのですが、全体的にマグニフィセント7の銘柄よりも、テーブルの下側にリストしてありますその他の個人的注目銘柄の方がこの週のパフォーマンスは良いです。

少し潮目が変わってきたのか?それとも、マグニフィセント7は小休止しているだけで、上昇トレンドは引続きマグニフィセント7が牽引していくのか?これはまだ分かりません。

ただ、上昇に広がりが出てきているのであれば、それはポジティブです。

テスラ(TSLA)が迷走しています。株価が振るわないのは、中国での売上の減速であったり、低価格帯車の投入でEVを普及させる中で高収益性を維持できるのかといったことなどにあります。

しかし、CEOの言っていることが、その懸念とは別方向に向かっているようにも見え、言っていることが二転三転して迷走しているようです。

その結果がマグニフィセント7の中でも際立って悪いパフォーマンスに繋がってしまっています。マグニフィセント6とするか、7で維持するならTSLAと最近調子の良いネットフリックス(NFLX)に入れ替えるというのもありかもしれません。

今後の展望・今何をすべきか

明確に上昇トレンドに復帰したとは言えないものの、あと少しで最高値を更新しそうな状況にもなっています。

来週(5/13~)には、4月のインフレ指標の発表があります(5/14PPI、5/15CPI)。景気が減速してきているので、インフレの鎮静化スピードがそれに追いつけば、再度上昇トレンドに戻れるでしょう。

景気後退まで行ってしまってからでは、企業業績にも影響が出てしまうので、株価は上昇しにくくなります。高い金利の継続は「諸刃の剣」です。

PPI・CPIが予想通りもしくは予想より低い数字であれば、安心感が広がり最高値の更新も問題なくクリアしてしまうだろうと想定されます。

今はある程度の投資(米国株に対する投資)を維持しつつ、過度に強気にならず状況を見極めてすぐに対応できるように準備をしておく時期かと思います。

次に買うべき銘柄のリストの更新をすると良いかと思います。個別銘柄を選ぶのが難しい人は、S&P500のETFもしくはパッシブファンドへの投資も考えておくと良いかと思います。

後記

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