先週(9/5~9/8)の米国株式市場は、レイバー・デーがあり4日の短い週でしたが、前週からの不安定な動きを引き継ぎ、市場は下げ続け、金曜日に小型株を除き、取り敢えず、一旦下げ止まって週を終えた。
基本的には、従来の想定より金利の高い状況が長引く可能性があることを、市場が織り込む過程での軟調な展開の継続です。
概況
主要指数は、先週全滅でした。理由は、ほぼ明白で、金利が上昇していること。その金利上昇の原因は、経済指標が引き続きミックスで、方向性を明確に示さないことから、インフレの鎮静化に想定より更に時間がかかるかもしれない、という懸念が強まったことです。
加えて、最大時価総額のアップル(AAPL)が不調であったことも指数の上昇の足枷になったとも言えるかと思います。
金利の先行きの不透明な状況のヒントを得ようと市場は様々なものに過敏に反応する状況が続いています。
この状況が落ち着くか更に不安定かするかは、9月19・20日に行われるFOMCでどのような議論がなされ、どのようなアクションが取られるのか(何もしないことも含め)ということが、市場全体の状況を決めていくことになろうかと思います。
そういう意味では、当面は今のような不安定な状況は続くと見ていいかと思います。
不安定ながら大きく落ち込むことが無ければ、上出来です。
再度上昇トレンドに入るには、概ねこのような時期が必須になります。
セクターの状況
エネルギーとユティリティ以外全滅。エネルギーは、OPECプラスの減産が今年いっぱい続くことなどから、原油価格が上昇していることを背景に上昇しています。
ユティリティは、金利が上昇したことからするとあまりプラスではないはずですが、市場が不安定なので退避先になったのかもしれません。
市場が不安定な時の退避先として、今年前半には、大型テクノロジー関連のMagnificent 7が選ばれていたのは、一時的な現象であったのかもしれません。
上のヒートマップは過去5営業日(9/1~9/8。9/4は休場)のものですが、全体に赤っぽい(下落している)。エネルギーセクターの辺りは緑が固まっています。
比重の大きいテクノロジー関連では、やはり最大ウェイト(S&P500における)のアップル(AAPL)の下落や、エヌビディア(NVDA)を始めとする半導体セクターの不振が足を引っ張っている感じです。
個別銘柄の状況
私が市場の動きを判断するために、見ている銘柄群(保有しているとは限りません。むしろ保有しているものは少ない)
下落で目立つところは、上でも言及したAAPL。これは中国で、iPhoneの使用が政府関係職場での使用が禁止され、これが国有企業にも拡大されようとしていることの影響。iPhoneの大きな市場である中国での売上減少につながる可能性もあり、懸念が広がりました。
AAPLは9/12にiPhone15を発表すると言われています。これへの期待もあり、金曜日にはわずかながら上昇しています。
NVDAの軟調は、業績等によるものではなく、ここまで今年の上昇が非常に大きいことで利食いが出やすい状況の中で、金利が上昇・高止まりの状況になっていることで、売られているかと思います。
市場全体と同様に、大きく下落することなく、この状況が続けば、再度上昇軌道に入ることが可能かと思います。NVDAに対して市場が強気一辺倒になっていましたので、上昇しにくい状況になっていました。その解消が少しずつ進んでいるかと思います。
全体へのインパクトは大きくないですが、エアライン(AAL、UAL)の下落などが目立ちます。これは、景気の先行き不安に加えて、燃料コストの再上昇に対する懸念などがあるのかもしれません。
今後の見込み
当面この状態が続く可能性があります。この状態が解消するかどうかは分かりませんが、その先行きを占う上で一つの大きなポイントは、今月のFOMC(9/19・20)かと思います。
9月・10月というのは、これまでもあまり良い印象のある月ではないので、今年もやはり我慢の時期かもしれません。
今すべきこと
この状況では、インデックスファンドや幅広く分散された投資信託などへの積立投資は継続するとして、個別株投資はあまり無理してやるのは控えた方が良いかもしれません。利食い可能なものは少し利食いしておく、損切すべきものは損切して、次の展開に向けて準備する時期かと思います。
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