【米国株式週間アップデート】ハト派FRBとAIで最高値更新 2024年3月22日

投資

昨年から引き続き市場を牽引している二つのテーマ、①ハト派FRB(金融引締めから利下げによる正常化への転換)、②AIによるイノベーション、が引き続き市場を牽引し、米国の主要株式指数(NYダウ、S&P500、NASDAQ・NASDAQ100は、最高値を更新しました。

マクロ要因:ハト派FRBが市場を底上げ

指数の状況をまず見てみましょう。

今週(3/18~3/22)は、日米で大きなイベントがありました。

日本では、日銀の金融政策決定会合(3/18・19)、そして米国はFRBのFOMC(3/19・20)です。

それぞれの会合とも市場にとっては良い結果であったと言えます。

<日銀の政策決定会合>

大きなニュースになりましたので、ご存じの方も多いと思いますが、日銀が17年ぶりにマイナス金利を解除し、市場における長短金利水準を低めに抑えるイールドカーブコントロールを停止、ETFの買入の停止を決定しました。

超低金利政策からの脱却です。メディアでは、利上げに対する不安(変動の住宅ローン金利負担の増加など)などが取り上げられていました。

市場ではむしろ、漸く金利のある正常な状況への第一歩(デフレからの脱却)というポジティブな見方であったと思います。

その背景には、マイナス金利を解除しても当面は金融緩和状況を続けるという植田総裁の発言などで、継続的な金利の上昇を当面は気にしなくても良いとう安心感があったからでもあります。

<FRBのFOMC>

FOMC:公開市場委員会(金融政策を決める会合)

米国の場合は、急速に金利を上げてきた状況から、引上げが停止している状況にあり、市場の関心事は、いつ金利引き下げによる正常化へ政策を転換するのかにあります。(日本とは逆方向)

ここのところの経済指標は、インフレの鎮静化がだいぶ進んできたものの、ここに来て鎮静化スピードが鈍化していることを示してきました。

今回金利引き下げに動くことはないものの、引き下げ開始時期が後ろズレするのではないか、との懸念が市場に広がり始めている中でのFOMCでした。

結果としては、予想通り金利はそのまま。ただ、発表されたドットチャートによると、委員の多くが年内3回の利下げを想定していることが判明。またパウエル議長も、まだまだデータ次第ではあるものの、年内に利下げを開始することが妥当と考えている、といった発言をしました。

これまで、市場が利下げ期待で過剰に反応するのを抑え、警戒的な発言を繰り返してきたことを考えると、かなりハト派的な発言です。

このハト派FRBが、市場に安心感を与え株価は上昇を続け、木曜日にNYダウ、S&P500、NASDAQ・NASDAQ100は最高値を更新しました。(NASDAQ・NASDAQ100は金曜日も上昇し、更に最高値を更新しました)

 

金利の低下は、株式の評価(PER:株価収益率)を高める効果があり、市場全体を押し上げます。特に、もともとPERの大きい株価は金利感応度が高く、金利低下はプラス方向、金利上昇はマイナス方向へ大きく効いてきます。

加えて、金利の低下は景気敏感セクターには、プラスに働いてきます(景気刺激方向の動きなので)。また、REITやユティリティなど配当利回りの高いセクターも金利低下はプラスに働きます(債券との相対的な魅力度の観点から)。

セクターの状況:ハト派FRBのポジティブな影響

グロース系セクター>景気敏感系セクター>ディフェンシブセクターという順にほぼなっているかと思います。

これは、明らかにハト派的FRBの影響と言えるかと思います。

AIテーマで引き続き半導体セクターを中心に、テクノロジーセクター、コミュニケーションセクターも好調です。

ハト派FRBの影響も相まって、金融セクターなども好調です。不動産(REIT)も最悪期を脱して回復の方向へ向かいそうです。

個別株の状況:AIテーマは引続き強い

個別株のレベルでの動きを見ていきましょう。

グリーンでハイライトした銘柄は、この週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。

世界最大の時価総額であるマイクロソフト(MSFT)は自社のイベントでAI PCを発表するなど、AIの波に乗って株価を伸ばしています。

時価総額二位のアップル(AAPL)は、EV開発を止め生成AIに勢力を注ぐと発表。そしてまずは、グーグル(親会社はアルファベット:GOOGL)のジェミニを搭載する方向でグーグルと交渉中。

GOOGLはこのニュースで上昇しましたが、AAPLは、司法省から反トラスト法違反で提訴されたこともあり低迷しています。

今週は上で取り上げたFOMCが大きなイベントの一つであったこともあり、ハト派FRBの影響もあって、グロース系セクターと景気敏感系セクターが買われる展開となりました。

AIばかりに目を奪われていましたが、上のテーブルを見ると、重機・建機のキャタピラー(CAT)、ホテルのハイアット(H)、マリオット(MAR)、マネーセンターバンクのJPモルガン(JPM)などが、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新するなど好調を続けています。

物色がかなり広がって来ている感じがします。良い傾向です。

イールドカーブが立つ方向(長期金利>短期金利の状況。今は逆の状況)に動くことは、金融、特に銀行セクターには大きなプラスです。金融セクターはしばらく安定的にい環境が続く可能性があります。

最近少し気になっているのが、テスラ(TSLA)などEVセクター全般。

アメリカでは、価格が依然高いことや、充電インフラの不足、充電時間の長さの問題、なども相まって、EV人気が急速に減退し、ハイブリッド(燃費が良く、かつガソリン車に比べて二酸化炭素排出量が少ない)が人気を集めているとのこと。

中国でもEV人気が減退しているとのニュースもあり、世界中のEV業界に暗雲が垂れ込めてきています。

これは移行期特有の減少かなと思います。当初、EUなどもかなりドラスティックにEV化にシフトしようとしました。志は正しいが、インフラが全くついてきていなかった。かなり修正を迫られる可能性があります。

その間にバッテリー問題(航続距離の拡大、充電時間の短縮、そして安全性の改善)の技術的解決が必須。これらの進展で再びEV化へのシフトが進んでいくものと思われます。

そうした技術の開発が目に見えてこないと、しばらくEV関連株は厳しいかもしれません。

後記

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