【米国株式週間アップデート】調整局面入りの覚悟   2024年4月20日

投資

インフレの鎮静化が遅れ、先行きの業績にも若干の不安が出てきたうえに、中東情勢の緊張が高まってきて、これまでの想定が崩れ、逆回転が始まった感じです。

当面は、調整局面入りも覚悟して慎重に状況を見極める必要がありそうです。

 

市場全体とマクロ環境:金利・中東情勢・業績が懸念材料

4月に入ってから、週間ベースでは下げ続けています。(S&P500、NASDAQ)

この原因は前週でもお伝えしたように、

① インフレの鎮静化がここに来て再び進みにくくなってきていることにより、金融引締め姿勢から中立への転換が後ろズレする懸念が高まったこと。

② イスラエルとハマスの戦争が、イランを巻き込む形に展開し、中東情勢の緊張が高まったこと。

この週はこれに加えて、新たな材料が出てきました。

③ 業績が発表され始める中で、市場の上昇を牽引してきた半導体セクター企業が、好業績の一方で先行きについて慎重な見方を提示していることなどで、先行きの業績懸念が浮上してきました。

第1四半期に大きく上昇した株式市場でしたので、不安材料が積みあがってきたこともあり、今のうちに利食いをしておこうという動きが活発化してきたようです。

S&P500は3週連続、NASDAQは4週連続の下落となっています。結果として、年初来からの上昇もかなりの部分を吐き出してしまいました。

市場に重くのしかかっている3つの要因は、当面、払拭される気配はなく、しばらくこの3つの悪材料をこなしつつ市場は展開していくものと考えます。

市場心理的にも、利食いが出やすい状況ですし、下落が続くと、我慢していた投資家が我慢できずに売却に回りやすくなります。売りが売りを呼ぶ展開が起こり易くなります。

高値から10%以上の下落となる調整局面まで行ってしまうことは覚悟しておいた方が良いかもしれません。

3月下旬から末にかけて達成した直近の高値から急速に下落しています。調整局面になるには、今のような雰囲気の悪い市場がもう2~3週間続き、更に5~6%下落するというイメージです。(NASDAQや小型株指数のRussell2000はあと2~3%程度)

その場合は、そこで止まらず、更に下落してしまう可能性も十分にあります。

市場は上げでも下げでも行き過ぎるものです。

下げる日に出来高が増え、上げる日に出来高が減るという取引日が多いように思えます。これは、機関投資家が売りに回っているということを示唆している可能性が強い。まずはこの動きが止まらないとなかなか反転しにくい。

今は、新たな買いは控え、様子を見た方が良いかと思います。

押し目買いをするには早すぎます。

落下するナイフを掴むと血だらけになりますから、慌てて買いに入るのは控えた方が良いと思います。

積立投資は、そのまま変更せず淡々と積立ていきましょう。その忍耐が将来の成果につながると思います。

セクターの動き:セクターレベルでも逆回転

ディフェンシブ>シクリカル(景気敏感)>グロースと言う感じです。

半導体指数は1週間で-9.23%の下落と急落しています。その結果テクノロジーセクターも-7.26%の下落です。

まさに第1四半期の上昇を牽引したセクターが下落をも牽引しているように見えます。

高止まりしている原油価格に支えられて、エネルギーセクターは目立たない中で、年初来では最も良いパフォーマンスとなっています。

個別銘柄の動き:半導体関連に赤信号?

業績発表が本格化してきている中で、注目された半導体セクターの業績発表で荒れています。

まずは、最上位の半導体製造装置メーカーのASML(オランダ)が予想に未達であったことと、先行きに対しても慎重な見方を発表し、急落。

ファウンダリー企業(ファブレス企業がデザインした半導体を実際に製造する企業)で世界最大の台湾セミコンダクターは最高益の業績を発表した一方で、スマホやPCの売上が弱く、先行きに若干慎重な見方をしたことで急落。

これらを受けて、AIブームの最先端を走っていた半導体メーカー(ファブレス)のエヌビディア(NVDA)や、アドバンスト・マイクロ・デバイシーズ(AMD)、そしてやはりAI関連の勝ち組の一つスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)などが暴落と言って良い状況になりました。

この週の下落で、テクニカル的に売りシグナルが出てしまったものも多いようです。短期的には非常に厳しい状況になっています。

まとめ:今何をすべきか

マクロ環境が厳しい中(金利・地政学的リスク)、業績で全てをひっくり返すのは厳しいかなと。

しばらくは忍耐が必要な状況が続くことを覚悟しておきましょう。

投資のホライズン(投資期間:どのくらいスパンで投資をしているのか)によって、取るべき行動は変わってくるでしょう。

短期のトレーディングをしている人は、まずは出来るだけキャッシュ化して、次の上昇まで待つということが必要になるでしょう。

長期の投資家・積立投資を行っている人は、ジタバタする必要はなく、淡々とこれまで通りの投資を続ければ良いかと思います。10%を越える下落は、ほぼ毎年1度は起きるものです。その後は更に上昇していきます。

中期投資家は、保有銘柄の見直しでキャッシュ化を進める中で、長期で持てる銘柄とそうでないものをより分け、ポートフォリオの質を高めていくことが必要になるかと思います。

今年からNISAで投資始めました、という方には早くも試練が来てしまったかもしれません。

でも投資は良い時も悪い時もあるものです。悪い時を如何に過ごすかが、その後のパフォーマンスに大きく影響します。

頑張りましょう。

後記

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