前回あまり説明しませんでしたが、分散投資しましょう、海外株式に投資しましょう、と言っておきながら、海外株式はS&P500で十分です、とお伝えしました。
今回は、その理由をご説明します。
海外株式はS&P500:世界ではなくアメリカである理由
何故、世界の株式ではなくて米国の株式であり、米国の株式でもNYダウやナスダックではなく、S&P500なのか、ということをご説明します。
世界の株式市場全体の動きを示すインデックスも、もちろん存在します。
そして、そのインデックスに連動するインデックス投信も、もちろん存在します。
そうしたインデックス投信には、米国だけでなく、欧州の各国、アジアの国々など多くの株式が入っているので、分散という意味では、これに勝るものはない、とも言えます。
にもかかわらず、私はここでは米国のS&P500だけで良いと思っています。
実は、世界の株式市場の約6割強が米国株で占められています。
加えて、この最大市場である米国株式市場の動きにその他の国の株式市場はかなりの割合で連動しています。
日本の株式市場を見れば、それも明らかです。
朝のニュースでアメリカ株市場が上昇していれば、日本の市場は上昇することが多いし、アメリカ市場が下落していれば日本株も下落することが多いです。
こうしたことが、世界のあらゆるところで起きています。
アメリカの動きが世界中の株式市場の動きの原因となるなら、そのおおもとだけに投資していれば十分だということです。
そして、アメリカに関するニュースが海外のニュースでは、最も広く深く得ることができます。
ヨーロッパのニュースですら、かなり断片的にしか入ってきません。
なにが起きているのかを最もよく知ることが出来るのもアメリカです。
これも重要な点です。
海外株式はS&P500:NYダウやナスダックではなくS&P500
アメリカの株式市場でも、NYダウ(ダウ30種工業平均)、S&P500、ナスダック、そのほかにも、アメリカ市場を代表するインデックスはいくつもあります。
全てを網羅した全米株式インデックスというのもあります。
S&P500というインデックスは、アメリカを代表する500社を銘柄選定委員会が選定基準に合致した大型優良企業を選んでいる。
ほぼ全ての業種を網羅している。
優良銘柄で構成されており、かつバランスが取れています。
ビジネスが拡大して株価も上昇すると、自然とこのS&P500の中での構成比も上昇していきます。
企業・業種の栄枯盛衰も反映されていきます。
ナスダックは、ナスダックに上場する銘柄全てで、小型株も含め、何でも入っている(良い企業も冴えないダメな企業も)。
そしてテクノロジーなどに構成比が偏っている。
一方、NYダウは30種しかないが、米国を代表する大企業30銘柄で構成されているので、安心感は強い。
しかし、30しかないことで、超大企業のみになり、成長性はS&P500に劣る。
しかもテクノロジーなどの成長業種の構成比が相対的に低く、重厚長大系が多い感じになっています。
安定性・成長性など多くの点でバランスよく選定されたコーポレート・アメリカという感じになっているのがS&P500と考えていただけるのではないかと思います。
この中には日本で活動している企業も多いので、知っている企業もかなり多いのではないかと思います。
世界のビジネスの中心はアメリカ
世界のビジネスの中心が未だ、そして今後しばらくもアメリカにあると想定されます。
新しいビジネス、新しいテクノロジーもアメリカを中心に当面は発展していくものと想定されています。
そう考えると、その成長のど真ん中に投資すれば、世界の成長の成果を享受することが出来そうです。(アメリカに投資する理由)
世界をリードするアメリカのビジネスの中でもどの分野で最も大きな成長をするのか、その時々でどの分野での成長が大きいのか、をリサーチして当てることは難しい。
したがって、業種の分散はバランスよくされている方が良い。
しかもそれらが米国を代表する企業で構成されている。(S&P500が良い理由)
成長を狙いつつも、バランスよく分散されており、過度なリスクを取らないで済むS&P500が最適ではないかと思っています。
アメリカがまだまだ世界のビジネスの中心である、というところについては別の機会に議論してみたいと思います。
これも、かなり様ざまな理由が考えられます。
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