涼しい日も徐々に増えてきて、季節は秋に変わりつつある感じになって来ました。
株式市場では10月は(9月もですが)、不安定なことの多い月としてとらえられています。
これは、大きなショックのイベントが多かったということがあります。
2008年のリーマンショックは9月でした。
ブラックマンデーは1987年10月19日でした。
大恐慌の際の株価大暴落は1929年10月24日(木)(ブラックサーズデー)から始まり、翌日金曜日も大きく下げてブラックフライデーと呼ばれ、壊滅的な下落は翌週の10月28日(月)(ブラックマンデー)、29日(火)(ブラックチューズデー)の二日で起きています。
歴史的な暴落が9月・10月において起きているので、この時期は神経質になる投資家も多いため、下落しやすくなっているのかもしれません。
そんな中で、今年は今のところ、NYダウとS&P500は5週の連騰で、最高値を更新しています。
市場全体&マクロ
上でお話したとおり、NYダウとS&P500が5週の連騰で最高値を更新しています。
NASDAQ、NASDAQ100も、悪い訳ではありません。7月10日に記録した最高値まで2%もないので、最高値更新もさほど遠くないうちに起きるかと思います。
ただ、今年の市場がNASDAQやマグニフィセント7に牽引されていた市場という印象が強かったですが、現時点ではかなり変わってきていると考えた方が良さそうです。
即ち、セクター・ロテーション、マーケットリーダーの転換が着実に起きている、とも言えるかと思います。
6月までは、NASDAQ、NASDAQ100が年初来の成績が最も高かったですが、7月にS&P500がトップに立ち、その状態は今でも変わっていません。
マグニフィセント7に代表されるような目立つ銘柄(大型のグロース株)の多いNASDAQの動きは派手ですが、そうした銘柄も構成要素と持ちつつ、シクリカル銘柄、ディフェンシブ銘柄などもバランスよく構成要素に持つS&P500は、こうした転換点などで特に強さを発揮します。
10月7日~11日のNY市場の最大の関心事は、10日発表のCPIと11日発表のPPI、この二つのインフレ指標でした。
この二つはどちらも、予想に比べ若干強い(高い)数字で発表されました。それに対する市場の反応を見ると、市場全体としては、先日の雇用統計に見られたように、景気は過度に減速はしておらず、健全な中で、インフレはFRBの目標値に向かって着実に鎮静化しつつある、と解釈しているように見えます。
その結果、債券・金利市場での利下げの織り込みは大きく減退しました。
この状況の中で、11日(金)に大手銀行の第3四半期業績の発表が始まりました。好調な出だしのようです。しばらくは個別の業績で動くことも多くなりそうです。
一方で、11月初旬には金融政策を決めるFOMCや、大統領選挙もあり、攪乱要因があります。
セクターの状況
エヌビディアが、上昇を再開したことを受け、半導体セクター全体が大きく上昇した週でした。
ほぼそのおかげでテクノロジーセクターがトップですが、それ以外を見ると、やはりシクリカル系セクターの健闘が目立ちます。
金利が低下が思ったほど早くはないと推測されるものの、景気が腰折れしていないとの観測や、中国の景気刺激策(期待ほどではなかったとの評価も多いですが)などが後押しして、シクリカル系セクターへの期待感も高まってきているようです。
この動きが、年初来のパフォーマンスにおいて、S&P500>NASDAQ・NASDAQ100となっている理由かと思います。
個別銘柄の状況
この週、ネットフリックス(NFLX)、キャタピラー(CAT)、マリオット・インターナショナル(MAR)がAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。
大々的に宣伝されていた、テスラのロボタクシーのイベントですが、詳細があまり明かされず、期待外れに終わってしまったとの評価のようで、11日の市場では約-8.8%の下落となりなかなか株価の本格的な回復が出来ない状況が続いています。
11日(金)から、大手銀行を皮切りに第3四半期の業績発表が本格化しています。
11日に注目を浴びたのが、銀行の最大手であるJPモルガン(JPM)です。
低下の速度は期待ほどではなかったものの、金利が低下し始めているので、純金利収入は低下するだろうとの予想がなされていました。
しかし、予想外に純金利収入が増加し、好決算を発表しました。これを受けて、JPMは+4.4%上昇。
同じく銀行のウェルス・ファーゴ(WFC)は、投資銀行業務の好調などで好決算。+5.6%の上昇。
良い出だしです。
今後の見通し
上でもお話しましたが、11月初旬にはFOMCや大統領選があり、その結果で短期的に大きく動くこともあるかと思います。
ただ、一時的な攪乱要因と考えて良いかと思います。もちろん、大統領が誰になるかは、その任期中の経済の方向性を変えかねないので、要注意ですが、どちらがなったからどうなると、今から予想して動くのはムダだと思っています。
それ以外の外的要因としては、中東情勢。これは、道義的・倫理的に良いか悪いかという観点ではなく、純粋に投資の観点から言えば、石油関連施設への攻撃が行われて、原油価格に影響があるかないかだけが関心事になるかと思います。
現時点では、それを理由として、原油価格は上昇し始めています。これは要注意かと思います。
もう一つは、中国の景気刺激策。一旦は広範な景気刺激策が出て、市場は歓迎しましたが、更に突っ込んだ景気刺激策が出てこないことを不満としている向きも多い。追加刺激策が出るかどうかは分かりませんが、中国の景気が底を脱して回復に向かうと、原油価格だけではなく、多くのコモディティ価格が上昇するので、要注意です。その一方で、巨大市場である中国が動きだすのは、多くの企業にとってプラスに働くかと思います。
いろいろ注意すべき点を上げましたが、基本的には、米国株式市場には強気継続です。ただ、円安がいつまで続くかは分かりません。今の為替市場は、日銀の金利引上げと円高方向への動きを催促しているようにも見えるので、為替は要注意です。
目先の最大の関心事は、何と言っても、株式投資ですから、企業の業績発表です。
個人的に注目しているのは以下です。(Tickerシンボルで書きます)
10/15 GS、UNH、JNJ、UNH
10/16 MS、ASML、
10/17 TSM、ISRG
10/18 AXP、PG、SLB
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