【米国株式週間アップデート】市場外要因が大きな懸念材料 2024年10月26日

外国株式 投資

市場外要因が金融市場に暗雲を立ち込めさせ、不安定な状況が続いています。

結果として、週間ベースでの市場(S&P500)の上昇は、6週連続で途切れてしまいました。

市場全体&マクロ

S&P500は、上で述べたように週間ベースでの上昇が6週連続で切れてしまいました。これは、5日の取引日のうち4日が下落では致し方ないかなと。

一方、NASDAQ、NASDAQ100は、5取引日中4日上昇していることもあり、場中での最高値(All Time High)を金曜日に更新しています。ただし、引け値ベースの最高値(7月10日に記録)を更新することは出来ていません。

決算が本格化している中ではありますが、市場全体の方向感としては、非常に不透明感が強く、不安定な状況です。

その主なものとしては、以下のものです。

① 景気が想定より強いので、FRBの金利引下げスピードは以前の想定より遅くなりそう。(11月のFOMCでは25bpsの利下げ? 以前は50bps利下げを想定)11月1日の雇用統計を市場は気にしています。

② 大統領選挙の行方。若干トランプ氏が僅差で優勢との世論調査などもあり、トランプ氏が大統領になることを想定したトランプトレード(金利高、ドル高を想定した取引)が過度に進展。僅差と言われているので、議会選挙の結果も含め、選挙結果によっては、大きな波乱要因になりかねない。

③ 業績動向:これは株投資なので、当たり前ですが、最近は信賞必罰が激しく、発表後の動きが極端なので気を付けた方が良い。10月28日の週は、マグニフィセント7のうち5社が業績を発表します。

④ 中東情勢の不透明化。イスラエルがイランへの反撃(反撃の反撃?)を開始したとのニュースも入っています。中東情勢は紛争の拡大が続いており、大きな懸念材料になり兼ねません。

⑤ ドル円の為替に関して言えば、10月27日の衆議院議員選挙の結果によっては、更なる円安に向かう可能性もあります。(自公の議席数が想定より多ければ、逆に円高要因にもなり得ます)

1週間で短期金利も長期金利も上昇し、原油も上昇、ドルも上昇しています。こうした状況では、通常、金は下落するのが一般的な反応です。しかし、金も最高値を更新している状況です。

おそらく、市場の不透明感から金へのニーズが高まっているのかもしれません。(「有事の金」と近い動きかもしれません)

セクターの状況

NASDAQがAll Time Highを更新したことにも表れていますが、グロース系セクター(グリーン)が相対的に好調であった1週間です。

一方で、シクリカル系セクター(イエロー)は金利上昇などがネガティブに影響したと考えられます。

個別銘柄の状況

AIテーマの中心銘柄であるエヌビディア(NVDA)が前週の台湾セミコンダクター(TSM)の好決算をプラス材料に、ASMLショックを乗り越えて、All Time Highと引け値ベースの最高値を22日(火)に更新し、高値近辺で動いています。

ネットフリックス(NFLX)もAll Time Highと引け値ベースの最高値を21日(月)に更新しています。

決算で目立った動きをしたのが、EV大手のテスラ(TSLA)です。3四半期ぶりの増益と営業利益率の上昇などで、週間ベースで約22%上昇しています。(それでも最高値ははるかに遠いです)

TSLAが自動車メーカーの中で際立って高い営業利益率を誇っていたことが、高いバリュエーションの理由でしたが、それが低下し、2年前から半減してしまったことが株価不振の大きな原因と考えられます。それが、反転したことを期待させるので、大きく上昇したものと考えられます。

CEOの大口は、5割引き(8割引き?)くらいで聞流し、過度な期待をしない方が良いかなと。実際の数字を見た方が良いと思います。それでも、回復の兆しは見えるかなと思っています。

その他、メディアを賑わしたのは、ボーイング(BA)とマクドナルド(MCD)です。

BA: 継続しているストに対し、会社側が4年間で35%の賃上げを提案したが、組合の投票でこれが否決され、ストが継続されることになり、混迷を深めています。株価も会社側提案を受けて一旦反転しかかりましたが、結局、長期低迷は継続している感じです。

MCD:クォーター・パウンダーが、CDCから大腸菌感染(O157)の原因とされ、同社の株は最高値近辺から7%以上下落しました。MCDはクォーター・パウンダーの取扱いを一次停止したり、同業他社が、玉ねぎ(クォーター・パウンダーの玉ねぎが原因の可能性が指摘されている)の使用を見合わせるなど、影響が広がっています。

いろいろなことが起きています。

今後の見通し

市場外要因の影響力が大きそうなので、不透明感が強いのは確かです。買い進めることも売ってポジションを減らすこともしていません。現状のまま様子見している感じです。

金利に関しては、11月1日に10月雇用統計が発表されます。1か月分の数字に過度な反応するのはどうかと思いますが、市場は過度に反応するので、一応気を付けておきましょう。金融政策を決めるFOMCが11月6日~7日に開催され、この雇用統計が直前最後の大きな経済指標になります。

大統領選挙投票日が11月5日なので、11月4日の週はイベントが盛りだくさんです。

日本の選挙は終わっているので、為替での日本側の要因は固まっているはずです。

中東情勢は、停戦に向けた外交交渉を米国を含め複数の国が仲介しようとしていますが、それと並行して反撃の応酬が続いていて、どうなるか予想が付きません。

株価そのものの要因として、大きなイベントは、マグニフィセント7の7社のうち5社が業績を発表します。(TSLAは発表済み。NVDAは11月下旬くらいだったかと思います)

29日(火): アルファベット(GOOGL)

30日(水): マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)

31日(木): アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)

大統領選が終わって結果が見えるまでは落ち着かい状況が続きそうです。

後記

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