復帰しました。先週は体調不良でお休みさせていたので、2週間ぶりのアップデートです。
この週(9/9~9/13)の米国株式市場は5連騰で前週の不安定さを払拭し、強気転換したような動きです。ちょっと浮かれすぎのような気もしますが。。。。
市場全般&マクロ
この週は5連騰でS&P500もNYダウも最高値まであと少しの水準に来ています。
上で表示された主要指数(NYダウ、S&P500、NASDAQ、Russell2000、NASDAQ100)全てが短期トレンドを示す21日移動平均線を上に抜けています。
中期トレンドを示す50日平均線については、既に越えていたNYダウに加え、S&P500、NASDAQ、Russell2000もこの週に越えています。
こうした状況から強気転換と見る方も多いようです。
この背景ですが、最大の焦点は来週17・18日で行われるFOMCでの利下げ幅です。
前週のCPIでインフレの鎮静化速度が想定より遅く、景気減速の程度も大したことがないということで、50bps(0.5%)利下げの期待度が大きく下落したため、前週(9/3~9/6)は不安定な動きをしていました。
週初、市場での50bps引き下げの織り込み確率は4%まで低下していました。それが金曜日には40%まで上昇しています。これが、市場を大きくプラス転換させた要因と見られます。
当初の私の想定では、25bpsの利下げを市場が受け入れる形で落ち着き、FOMCを大きな混乱なくやり過ごし、市場は上昇に向かうと想定していました。
大きなニュースがあった訳でもないのに、再び50bpsの利下げという希望的観測が拡大しているのに危うさを感じます。
大幅利下げ期待が、小型株を一気に押し上げてきた感じになっています。最も出遅れていたRussell2000が、金曜日だけで+2.49%と大きな上昇をしています。
利下げが始まり、景気の大きな落ち込みが無ければ小型株にはとてもフェイバーな環境になるかと思います。
セクターの状況
半導体が急回復していることもあり、この週の回復はグロース系セクターを中心とした動きになっています。
原油価格が低迷していることもあり、エネルギーセクターがマイナスを記録しており、年初来でも不振なままです。
一方、年初来でも特殊な動きをしているのが、ユティリティ(電力・ガスなど)です。年初来では、テクノロジーに続く第2位のパフォーマンスのセクターです。
通常はユティリティは成長性がなく、配当利回りが相対的に高いので、債券の代わりのよう形で扱われることが多い。
今年の動きは、AIテーマでユティリティが買われています。AI対応のデータセンターが建設されていますが、このAI対応のデータセンターの消費電力が非常に大きい。これが購入のテーマとなっています。データセンターが多い地域の電力会社株がホットになっているようです。
この分野は、詰まらない分野から新たな成長分野になっているようです。注目してい良いかと思います。
個別銘柄の状況
週間での目立った動きは、エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ(AMD)などの大幅上昇下と思います。
オラクル(ORCL)の好業績発表や、NVDAのジェンセン・ファンCEOのコメントなどを受けて、AIテーマで再び半導体セクターが復活した感があります。
AIテーマに関して言えば、過度に膨らんだ期待が8月からの市場動向で、ある程度弾けてくれていれば、少し安定的に上昇を続けるかもしれません。
景気敏感系の銘柄は、個別の要因で比較的好調な銘柄とそうでないものが混在しています。利下げが始まると全体的に好調方向に向かうかなと期待しています。
今後の見通し:警戒しつつ強気
上で述べたように、テクニカルには、中期上昇トレンドに入ったようにも見えます。ただ、まだ17・18日のFOMCでの利下げに関して50bpsの期待が大きすぎるかなと思っています。
25bps予想が60%、で50bps予想が40%なので、まだ全体としては25bpsと見ている向きが多いのですが、40%が50bpsを予想しているので、25bpsだとまた少し崩れる可能性があります。
50bpsの利下げが行われるとこれは、ポジティブサプライズになるかなと。大幅上昇ではないが、安定して上昇しやすくなるかと思います。
25bpsであれ、50psであれ、利下げが始まることはほぼ既定路線になっています(これが崩されたら、一旦大きく下落でしょう)。
今後の状況を予想する上で、FOMC後のパウエル議長の会見と、発表されるドットチャートの分布状況で今後の金融政策の動向を予想する動きが活発になるでしょう。
最近のマーケットは、可能性があまり高くてもバラ色のシナリオに飛びつきやすいように見えます。そのため、それを崩すような情報が出ると大きく下落するというような傾向が強い。
これに振り回されると、余計な取引をして損をする可能性が高くなります。
中長期的な視点で物事を見ていけば、目先の動きはほとんどがノイズに過ぎません。
後記
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