流石に、エヌビディアおよびその周辺銘柄で市場全体を牽引するのは持続可能ではないかなという気配も現れてきた感のある1週間でした。
米国市場は6月19日がJuneteenth(アメリカ合衆国の奴隷制度が終了したことを記念する日。2021年に連邦祝日になりました)の休みでしたので、4日の取引日のShort Weekでした。
Juneteenthまでは好調でS&P500とNASDAQ、NASDAQ100は最高値更新。その後は流石に息切れ感がありました。まさに、楽観と悲観が入り混じる週になりました。
そして、時価総額の上位3社の順位が日替わりで変わるような状況になってきています。
私用により、来週(6月29日)と再来週(7月6日)はお休みさせていただきます。
市場全体&マクロ:米株は最高値更新、円安は進む
金利は若干上昇していますが、その幅は小さい。
その一方で、円安が目立った形で進んでいるのには、次の二つの要因があるかと思います。
1.米国要因:以前景気指標は、インフレ鎮静化を示すものと、インフレを再加速させてしまう可能性のあるものとがミックスであり、FRBがいつ利下げに向かうのかについて、市場は確信を持てないでいる。
2.日本要因:日銀の政策決定会合で国債の買入(量的緩和)の終了を決めたが、いつから、どの程度ずつやめていくのか、などの具体策はこれから検討と言うことにとどまった。これでは、利上げがいつ始まるかという予測も立たず、利上げの時期を巡る憶測に関しては、後ろズレしたという状況です。
米国の金利が下がりにくく、日本の金利が上がりにくい、という状況なので金利差は変わらず、円高方向へは行きにくい。
また、米国の財務省が、日本を為替慣行に関する「監視リスト」に日本を追加した。為替操作国と認定されなかったことは良かったが、少なくとも「監視リスト」に載ってしまったので、為替介入はしにくくなったかと推測されます。明確に金利差が縮小しない限り、円安方向への流れは変わらない可能性が高い。
日本の企業行動の変化(その前提として、日本人そのものの行動の変化)がより見えるようになり、成長が見えてこない限りは、一時的に円高に多少いくことはあっても、その幅は大したことはなく、基本は円安なのかな、と思えて来ます。とても情けない。じり貧だな。。。
株式市場に戻ります。
17日・18日とS&P500、NASDAQ、NASDAQ100は最高値を更新しました。そして休み明けの20・21日は、力尽きた感が見えます。
S&P500もNASDAQもここのところ急速に上昇し過ぎていた感がありますので、調整とか弱気相場と言うレベルまで行くかどうかは分かりませんが、少なくともスピード調整的な足踏みは起きて当然かなと見ています。
しばらくの間横這いでいてくれると良いかなと思っています。すぐに上昇を再開してしまうと、その後に大きく下落する可能性が高くなってきます。(タイミングは分かりませんが)
21日金曜日はトリプル・ウィッチング・デーでしたので、出来高が急増しています。下落日に出来高が急増するのは良い兆候ではないのですが、このような特殊な日の場合は単純に解釈しない方が良いかと。
セクターの状況:テクノロジーとコミュニケーション頼み
木・金でテクノロジーが崩れたので、週間ではアマゾン(AMZN)やテスラ(TSLA)が大きく上昇した一般消費財サービスがセクター別ではトップになっています。
このテーブルと前項で示したインデックスの数値とを見比べていただければ分かるのですが、S&P500は年初来で14.57%上昇しています。
S&P500のセクター別で、これを越えるのはテクノロジーの27.99%、コミュニケーションの23.99%の二つだけです。コミュニケーションは、アルファベット(GOOGL)、メタ(META)が大半を占めます。
今年のS&P500の上昇は、テクノロジーとコミュニケーションのみに支えられた市場で、全体としてはさほど上昇していないとも言える状況です。
個別銘柄の状況:結局マグニフィセント7(5?)のみか
グリーンでハイライトしたアルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)は、この週にAll Time High(史上最高値。取引時間中も含む)と、引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。
レッドでハイライトしたアップル(AAPL)はこの週に引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。(All Time Highは更新せず。AAPLは6月12日に更新)
年初来(YTD)の数値を見ていただくとテクノロジーでは、NVDAが飛びぬけており、ついでMSFTも大きく上昇。コミュニケーションではMETA、GOOGLが大きく上昇しています。
マグニフィセント7のうち、AAPLとTSLAを除く5銘柄が大きく上昇しています。
結局のところ、今年はマグニフィセント7のうち5つを持っているだけで良いというのが、ここまでの状況です。
NVDAが一時時価総額で最大になりましたが、直後に大きく下落しているので、2日で終わっているものの3兆ドル以上の銘柄はMSFT、AAPL、NVDAの3銘柄で大きな差がないので、すぐに順位が変わります。
まとめ&今後
こうした状況は持続可能ではなく、市場の上昇トレンドを脆弱にします。大きく崩れるまでは慎重に対応していった方が良いかと思います。
ただ、いつどのように下落(or暴落?)が起きるかを予想することは誰にも出来ません。そして、往々にあるのですが、人々が心配すればするほど市場は上昇し続けることがあります。
市場動向などを予想して、それに合わせて、売り買いを行ってしまうと、大きく損失を出してしまったり、せっかくのチャンスをみすみす見逃すことにもなりかねません。
規律を持った投資行動が必要になります。(あまり貪欲になり過ぎず、あまり恐怖に怯えないで行動するということです)
後記
私用により、来週(6月29日)と再来週(7月6日)はお休みさせていただきます。
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