概況
2/20~2/23の週の米国株式市場は、現在市場を牽引しているAIテーマの中心的存在のエヌビディア(NVDA)の業績発表が、驚愕の増収増益で発表され、NYダウとS&P500、NASDAQ100は最高値を更新しました。
NASDAQ総合指数は、2021年11月につけた最高値まであと一歩まで近づきましたが、金曜日に下落してしまい、最高値更新は果たせていません。
もう一つの大きなニュースは、エヌビディアの驚愕決算を受けて、日本株市場も半導体関連銘柄を中心に上昇し、日経平均がバブル期末期の1989年12月27日に付けた最高値を漸く更新することができました。
欧州でもドイツのDAX、フランスのCACも最高値を更新していたようです。中国株もその他の要因もありましたが、一旦下げ止まった感じにもなりました。
この週、事前に材料視されていたのでが、先のFOMCの議事録とNVDAの業績発表でしたが、FOMCの議事録に関しては、既に多くの理事がFOMC後に発言していた内容を確認する程度の内容でしたので、特に市場では材料視されませんでした。
NVDAの業績発表は、予想が既に3桁の増収総益を予想するもので、それが既に株価に織り込まれており、単にアナリスト予想を越える程度では、材料出尽くしで売られるのでは、との予想もありました。
しかし、発表された第4四半期決算は驚異的で、486%の増益、265%の売上増でした。しかもかなり強気のアウトルックも発表しています。
空売りも大きく膨らんでおりましたので、業績発表後の最初の取引となった22日には+16%上昇し、株式時価総額の1日の増加の最大記録を更新しました(これまではMETA)。
時価総額としては、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)に次いで第3位。そして、金曜日23日の場中に一時、2兆ドルを越える場面もありました。
セクターの状況
概況でお話した文面だけ読んでいると、NVDAを含む半導体セクターがテクノロジーやコミュニケーションを牽引して、これらセクターが絶好調という感じがしたかもしれません。
NVDAの決算が出る水曜日の引け後までは、NVDAも決算前に利食い売りがかなり出ていましたし、空売りもかなり出ていたようです。(現物を売って、コールオプション買いに乗り換える人も多かったようです)
そのため結果として見ると、セクターではディフェンシブの消費必需品セクターがトップに来ています。ウォルマート(WMT)、コカ・コーラ(KO)、プロクター&ギャンブル(PG)などのダウ銘柄が好調だったこともあるようです。
NVDAの特殊要因のあるテクノロジーがその次で、そのあとが景気敏感系セクターが3つ並んでいるのは、注目して良いかと思います。
個別株の状況
私の個人的偏見による注目銘柄の状況です。
グリーンでハイライトした銘柄は、All Time Highと引け値ベースの最高値をともに更新した銘柄です。レッドでハイライトした銘柄は、All Time Highは越えられなかったものの、引け値ベースの最高値を更新したものです。
ホテルのハイアット(H)とマリオット(MAR)がともに大きく上昇しているのは注目です。目立ってはいないものの、年初来から見るとエアラインも良いパフォーマンスとなっています。
テクノロジーなどの派手な動きをする銘柄に目を奪われがちですが、こうした動きも見落とさないようにすると良いかと思います。
NVDAの業績は上で述べた通り。AIのテーマでの上昇ではありますが、これが凄いのが、単なるコンセプトで人々に夢を与えているだけではなく、実際の収益が株価以上のスピードで増加しています。
逆に言えば、ますます割安になっているとも言えます。まあ、この業績の伸びが永遠に続く訳ではないので、過度に期待し過ぎてもいけないですが。
空売りが大きく膨らんでいるのも、株価の上昇が急速過ぎるから。業績の伸びにしても、そんなにいつまでも、アナリストの高い予想を上回り続けることは出来ないだろうということからかと思います。
業績との関係で言えば、割高と言えるほどの水準ではないのが、凄いところ。株価の上昇スピードが速すぎるので、スピード調整的な下落は当然今後も発生するかと思います。ただ、今の業績を伴った大幅上昇は簡単には止まらないかもしれません。
今、何をすべきか?
AIテーマで上昇していますが、こうした未来の成長を感じさせるテーマでの投資の場合は、その中心において実際に収益を伸ばしている会社を買うのが良いと思っています。
NVDAが上昇していて入りにくいという理由で、2番手3番手など関連銘柄に行くのは、結果としてあまり良いことにならない(大して儲からない)ことが多いので、よく調べてからにしましょう。
とはいえ、今、これからAIテーマでポジションを新たに構築、あるいは買い増しをするのは、少し待った方が良いかなとも感じています。相当買っている人が多いので、一旦は売りが出て、買い手が増えることも重要かと。
特にNVDAは金曜日に朝方大きく上昇した後に上げ幅を大幅に縮小しています。取り敢えず上昇していますが、一旦の天井を付ける動きにも見えなくはないです。短期で見ている人は様子をよく見ていただいた方が良いかと。
金利の高い状況が続いており、金利引き下げにFOMCが動き出すタイミングが、後ろズレするような材料が出続けていることもあり、その影響を受けやすい小型株が出遅れています。それが、NASDAQが最高値を更新できない理由の一つになっているかと思います。
日本株について
日本株も、大きく上昇し、日経平均が最高値を更新したとはいえ、市場全体の上昇というよりは、半導体や値がさの大型株中心の上昇となっています。時価総額加重の東証株価指数(TOPIX)は、最高値更新までまだ8%あります。
円安要因などの追い風や、中国株からの資金シフトなどの需給要因などの追い風などもありますが、まだ、企業のファンダメンタルズの変化での買いになってきていません。したがって、今の日本株の上昇は短期で終わる可能性が高いと見ています。
とはいえ、賃金上昇や設備投資がより本格的に見えてくれば、4万円越えや、ゴールドマン・サックス証券が予想する4万5千円も視野に入ってくると思っています。
日米ともに目先、少しプル・バックがあることを予想しつつも基本的に強気継続です。
とはいえ、こういう時は、特に警戒心を失わないようにしていかないといけないかと思っています。
どこで何が起きるか分からないのが市場です。我々が考えつくような材料だけではなく、そんなこともあったか、というような事件も市場の内外で起きえます。強気の時こそ、注意を怠らないようにしましょう。
後記
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