【米国株式週間アップデート】業績で10月らしく少し荒れました 2024年11月2日

投資

早いもので、もう11月です。今年も残すところあと2か月ですが、米国株式市場はまだまだ動きそうです。

それは、日本株もまだまだ動くということでもあるかと思っています。

10月28日~11月1日のマーケットについて、振り返ってみましょう。

市場全体&マクロ

S&P500は先週に続き下落の週となり、NASDAQは上昇が7週連続で途切れることになりました。

市場を動かしたマクロ経済要因としては、11月1日に発表された雇用統計です。失業率は変わらず4.1%でしたが、非農業部門雇用者数が、ハリケーンとストの影響で(これは想定されていました)、前月比+1万2千人と予想(+12万5千人)を大幅に下回るものでした。

このニュースで、来週のFOMC(11月6・7日)での25bps(0.25%)の利下げ確率はほぼ確定と市場では見ているようです。

にもかかわらず、金利は上昇し、長期金利は4.38%と4カ月ぶりの高水準となっています。

これは、混迷する大統領選挙が影響している可能性があります。接戦のため、どちらの候補も最終盤での票集めのため、有権者に利益を供与するような政策案を沢山表明しています。

これは、その資金源を国債発行に頼ることになり、財政規律が緩み、金利上昇につながるとの見方が強まっているから、と考えて良さそうです。

こうしたマクロ要因以上に米国株式市場を動かしたのは、ピークを迎えている業績発表であったかと思います。

市場を牽引してきたマグニフィセント・セブン銘柄のうち、5銘柄の業績がこの週に発表されました。

どの企業も、基本的にアナリスト予想を上回る好決算でした。しかし、先行きの見込み(ガイダンス)で慎重な見方を表明したかどうかで、市場の反応は大きく異なりました。

巨大銘柄の動きは市場全体への影響も大きく、単純にバラ色の未来を描いていた投資家層に、先行きに対する慎重さを求めた格好になり、10月末日の市場で大きく乱れる市場となった形です。

セクターの状況

グロース・セクターのうち、テクノロジーだけが酷いパフォーマンスという若干珍しい現象が起きています。

これは、業績発表の影響を受けたもので、半導体セクターがアドバンスト・マイクロ・デバイシーズ(AMD)の決算で、他の半導体関連をも巻き込んで下落したこと、AI関連の中心銘柄の一つであったスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)で、監査人が辞任するという事件が起き(会計に問題があることを示唆)、エヌビディア(NVDA)も含めて下落したことがあります。

また、発表した業績は良かったものの、今後の見通し(ガイダンス)に慎重な見方を示したことで、メガキャップ銘柄が下落したことなどが影響しています。

個別銘柄の状況

マグニフィセント・セブン銘柄のうち、前週に業績を発表して大きく上昇したテスラ(TSLA)は、この週は大きく下落しています。この理由として、バッテリー・EV(BEV)で、ライバルである中国のBYDに世界一の座を奪われる見通しであることや、CEOのイーロン・マスク氏が入れ込んでいる大統領選挙でのトランプ氏応援の情勢に関連しているとも推測されています。

選挙結果に対する見方が、トランプ氏が接戦だが優位と見られていたが、より微妙な状況になっていることが上げられています。この選挙結果予想の変化が、ビットコインの価格の動きにも影響していると言われています。

この週に業績を発表したマグニフィセント・セブン銘柄は、メタ(META)、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)です。

GOOGLとAMZNは、業績発表を受けて上昇 しましたが、META、AAPL、MSFTは、業績は良かったが、ガイダンスが慎重であったことで大きく下落しています。

この中で、分かってきたのが、AIへの巨額の投資(コスト)は継続せざるを得ないが、収益化がまだ不明瞭だということかと思います。それでも、AI投資を加速させ、トップにいることが大事とこれらの企業は考えているようです。

逆に言えば、ハードウェアでAIには無くてはならないものを作っているNVDAの業績は当面好調であろうということかと思われます。

引け後に発表されたのが、NYダウ平均に、インテル(INTC)に変わってNVDAが採用されることになったとのことです。

今後の見通し:波乱要因

目先の最大の波乱要因は、11月5日の大統領選挙です。最終結果が判明するまで、数日を要するかと思います。どちらが勝っても、プラス・マイナスあります。

同時に行われる議会選挙の結果も影響あります。大統領の政党と議会の多数派政党が同じになるよりも、これが分かれた「ねじれ」になる方が、極端な政策に走らず結果として良いのではないか、との見方もあります。何とも言えないです。結果を見て、市場がどう反応するかで判断したいと思います。

11月6・7日に行われるFOMCでは、利下げが行われるのではないかと思われます。行われなかったら、下落要因になるかなと想定しています。予想通り0.25%(25bps)の利下げなら、ノー・インパクトかと。

大統領選が終わって結果が判明し、最初のリアクションの後は少し落ち着いてくるかなと思っています。基本的には、ポジティブ方向で見ています。早く落ち着いてくれることを待つのみです。

後記

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