前週のDeepSeekショックに加え、トランプ大統領の様々な想定外の発言と関税発言で金融市場だけでなく、世界中が振り回された。一週間でした。
この一週間(2/3~2/7)だけを見ると、金曜日の雇用統計が示すように、景気(特に雇用状況)が良い中で、関税引き上げによるインフレ再燃懸念で、株式市場は軟調な1週間でした。
概要&マクロ
業績発表シーズンでもあるので、個別株、特に大型の注目銘柄の業績発表が市場に影響することもありましたが、やはり、どちらかというとヘッドラインニュース(マクロや政治)に右往左往した1週間でした。
注目された雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想より少なかった一方、失業率が低下、そして賃金(平均時給)上昇率も予想より高いという数字で発表されました。
極端な数字ではなかったものの、引き続き雇用市場が堅調に推移しているため、インフレの鎮静化が終盤に向かうなかで足踏みもしくはインフレ再燃になるのではないかとの懸念が浮上しています。
FRBが利下げアクションについて慎重になっていることを裏付けするような内容です。
これに加えて、トランプ大統領がより広い国を対象とした関税のプランを来週にも発表すると発言したことなどもあり、下落して週を終えました。
このようにヘッドラインニュースで大きく動く市場は、投資家、特に長期投資家にはなかなか難しい局面かと思います。今、注目されるヘッドラインニュースは、政治的なものが多く、市場にとってプラスかマイナスかの判断が難しいものが多い。実際にどうなるかは、ある程度時間が経たないと分からない。
更に、トランプ大統領が「関税」プランを、その他の問題の交渉に使っているため、本当に実施されるのか、回避されるのかなど判断しがたいケースも多い。状況は常に流動的です。
不透明感が強く、中・短期的な影響が見極めにくい。
むしろ短期トレーダー向けの市場環境と言えるかと思います。
長期投資家は目先の動きに振り回されないようにしっかりとした確信に基づいた投資スタンスが必要になるかと思います。
市場関連のニュースをあまり見ずに、淡々と投資続けるのも一つの方法です。
個人的には、少しだけリスクを落としているような感じです。
セクターの状況
パッと見た感じでは、ディフェンシブが相対的に優勢で、次がシクリカル(景気敏感)そしてグロース系セクターが劣後したと言えそうです。
年初来で見ると、シクリカルが相対的には優位で、次にディフェンシブ、そしてグロース系という順になっています。
これまでのグロース系セクターが引っ張っていた状況から変わっています。
3カ月くらいで見ても、一般消費財・サービス(Consumer Discretionary)やコミュニケーションは比較的良いのですが、テクノロジー自体は、劣後し始めている感じです。
金融などが比較的良いです。これは、金融緩和のスピードが減速しているものの、逆イールドカーブの状況が改善しつつあり、収益環境が改善しつつあることなどによるものと考えられます。
マーケット・リーダーが交代しつつあるのかもしれません。その場合、絶対値としてのリターンは、過去2年のような20%を越えるような高いリターンは期待できないかなと思います。
大きな下落なしに行き過ぎていたと考えられる部分が調整されるのが理想的ですが、ショックが起きる可能性も以前に増して持っていた方が良いかなと思います。
個別銘柄の状況
不安定な市場でしたが、上のテーブルの緑でハイライトした銘柄は、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。
メタ(META)、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、マリオット(MAR)、J.P.モルガン・チェース(JPM)などです。
AMZNは、業績発表後、ガイダンスが慎重であったことで、大きく売られています。
トランプ大統領と親密になり政権内にも入ることになったイーロン・マスクCEO率いるTSLAですが、その行動や発言が様々なところで問題になり、テスラ車の発売にネガティブな要因になっており、TSLA株価は政権発足後は不調です。
ロボタクシー期待で上昇した分も、利益相反問題などもあり、期待したほどにはならない可能性もあり、期待がしぼんできたのが株価に影響しているかと思われます。
ネットフリックスは前週からの強い流れが続いており、高値更新中という感じです。
今後の見通し
上でも少しお話ししましたが、関税を巡るトランプ大統領の発言・動きが引き続きヘッドラインを大きく飾るものになりそうです。
また、12日(水)には消費者物価指数(CPI)が、14日(金)には小売売上高データが発表されます。インフレの先行きに直接的に関連する指標ですので、注目されています。
また、大型銘柄では、マクドナルド(MCD)や、コカ・コーラ(KO)などの業績も発表されます。
ヘッドラインでいろいろ驚かされると思いますが、それに惑わされることなく、市場を見ていきたいと思います。
大きく下落するか、今のように上下動を繰り返し、あまり上昇も下落もしない、という状況が続くことで、バブルとは言わなくてもフロス(あぶく)くらいにはなっていたものが解消される過程に入る可能性をも視野に入れています。
強気度を少し下げ、警戒しつつ強気維持です(Cautiously Bullish)。
後記
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