【米国株式週間アップデート】ローラーコースターマーケットは続く 2025年4月12日

投資

(写真は、日比谷公園で撮影したもの。2025年04月08日)

4月7日~11日のNY株式市場は、週間ベースとしては2023年以来の大きな上昇の週になっています。

とはいえ、一日の変動幅が引き続き非常に大きく、また、トランプ関税の朝令暮改の予断を許さない展開で不透明感が強く、まだまだ安心出来ないかなと思っています。

ローラーコースターマーケットは続くかなと思っています。こういう時は、静観するに限ります。

都合により、来週はお休みします。

概要&マクロ

この週が、2023年以来の大きな上昇とはいえ、月初来では、まだまだ大きなマイナスですし、年初来では、S&P500で9%近いマイナスですし、NASDAQは13%を越えるマイナス、景気の影響を最も受ける(そして関税の影響も大きい)小型株指数のRussell2000は16%を越える下落のままです。

ここのところの上下動の大きいローラーコースターに乗っているようなマーケットの変動の主要因は、ご存じのようにトランプ関税に関する政府のコメント・対応が二転三転しているから。

ヘッドライン主導のマーケットとも言えます。

その中で、実は、四半期の業績発表のシーズンが本格化し始めていますし、重要なインフレ指標なども発表されていますが、市場はほぼそれを無視している状況と言えます。

因みに、発表されたCPI、PPIを見ておきましょう。

コアCPI 前月比 +0.1% (予想+0.3%、前月+0.2%)

コアCPI 前年比 +2.8% (予想+3.0%、前月+3.1%)

コアPPI 前月比 -0.1% (予想+0.3%、前月+0.1%)

コアPPI 前年比 +3.3% (予想+3.6%、前月+3.5%)

インフレ指標はどれも予想を下回り、インフレが落ち着きつつあることが示されています。

そのような状況ではあるものの、マクロ指標、特に金利の動きが非常に激しい。債券市場は暴落に近いというくらい下落しています。(価格の下落→金利上昇)

ベッセント財務長官が気にしている10年金利は、1週間で0.5%も上昇しています。2年金利でも0.31%の上昇。

米国の金利が上昇し、日本の金利は低下しているので、金利差から言えばドル高方向ですが、この混乱の中では、むしろ米国離れの動き?米国景気の弱さにつながる?というような思惑から、ドルも売られる状況になっています。

株式市場よりも債券市場の方が、トランプ政権にとって影響の出方が読みにくく、苦労しているようです。

金曜日に株式市場が上昇したのも、FRBの高官が、金融市場が混乱に陥り無秩序な状況になれば、FRBは安定化に向けた支援する用意がある、と述べたことで、安心感が広がったことによると考えられます。

最後は、FRBが何とかしてくれる、という安心感が下落を止めたとも言えます。これも、モラルハザードになる可能性も強く(金融機関がリスクを取り過ぎるのは、根底にはこれがあるから)、どうなのかなとも思いますが、必要悪なのかも。

セクターの状況

大きく上昇したので、ディフェンシブからグロース、シクリカルへ資金がシフトした(それまで大きくやられていたセクターでもあります)ということが、明確に出ています。

エネルギーセクターのみマイナスですが、原油先物市場が、この混乱が世界景気を冷やし、需要減につながる可能性を強く見ていることかと思います。

債券・金利市場と原油先物市場は、景気の鈍化をより強く気にしていると言えそうです。

金が、前週に一旦は売られたものの(これは、マージンコール=追証を入れるために儲かっていた金を売らざるを得なかった、という説もあります)、この週は再び最高値近辺まで買い戻されています。

個別銘柄の状況

上のテーブルでは、週間ベースではかなり良いように見えます。月次(MTD)や年初来(YTD)の列を見ていただくと、まだまだだな、というのがよく分かります。

この週に大きく上昇した銘柄の多くは、その前に大きく下落していた反動とも言えます。

アップル(AAPL)は、主力のiPhoneの生産を中国で行っているということが広く知られているように、現在の関税問題、特に米中の貿易摩擦(貿易戦争?)的な状況のマイナスの影響を最も受けやすいと捉えられており、年初来でも20%以上下落しています。

そのため、時価総額世界一の座を、マイクロソフト(MSFT)に譲っています。マイクロソフトも決して調子が良い訳ではないですが、相対比較ではAAPLより下げが小さいということによるものです。

今のところ、決算発表で大きなネガティブ材料は出ていないようですが、先行きのガイダンスに関しては、やはり「不透明感」が強いことが強調されているようです。

今後の見通し

これまでのところ、4/3~4/8の4日連続の下落で見た一番の底は、S&P500で5000を切り、昨年8月初の急落時よりも低く、ほぼ1年前の水準にまで下落しています。

そこで一応反転しているので、最悪シナリオを全部織り込んでそこまで行ったとすれば、その水準が取り敢えずの大底と見れるかもしれません。

とはいえ、昨年の夏のように急激に戻ることを期待するのは無理があるかなと。

90日の延長も、あっという間ですし、個別交渉がどうなるかはまだまだ不透明です。

当面はこの辺りで上下動を繰り返し、明確な方向感が出ない感じになるのではないかと見ています。

しかし、秋以降には、来年の中間選挙を睨んで、トランプ政権としても国民・市場にフレンドリーな政策を打っていかなければならない状況に陥ります。

従って、夏の終わり位まではあまり期待せずにいた方が良いかなと。

そういう意味では、慌ててポジションを大きくしていくのはお勧めしませんが、下落したところで、あるいは定期的に、少しずつ買い増しをするには絶好の状況が続くかもしれません。

モノを買う時は、安い時に買いますよね。わざわざ高い時に買うことは避けるかと思います。株も同じです。出来るだけ安い時に買いましょう。ただ、もっと下がるかもしれないので、慌てず、ゆっくりと買うのが良いかなと。

後記

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