【米国株式市場週間レビュー】感謝祭の週で静かに推移 2023年11月25日

ポートフォリオ 投資

概観

先週(11/20~11/24)のNY株式市場は、23日が感謝祭の休日で休場、24日も短縮取引(Earcly Close。午後2時まで)であり、市場参加者も少なく、実質3日の取引日と言って良いような状況で、静かに推移しました。

静かな取引の中、NYダウ、S&P500、NASDAQ、NASDAQ100は4週連続の上昇です。

売られ過ぎ水準から大きく回復しましたが、今度は若干過度に買われ過ぎている感が強い状況になりつつあります。

急速な金利低下が、金融市場全体の引締め状況を緩めてしまうことは、FRBの金融引締め政策の効果を減じてしまい、結果として、インフレの鎮静化を遅らせ、金利の低下を遅くしてしまうリスクがあります。

今週のキーになりそうなイベントとして、FOMC議事録の公開とエヌビディア(NVDA)の決算発表があると先週伝えました。

FOMCの議事録は、特にサプライズもなく、ほぼノーインパクト。

NVDAの決算は、やはりAIブームの影響が大きく、非常に良い決算で、アナリストのコンセンサス予想を上回っています。ただ、一部の超強気な予想に満たなかったということで、一旦利食いの売りが入りやすかったようです。

ただ、この売りも流れを変えるほどの動きではないかと見ています。

金利、原油、金、為替などは、市場参加者も少なく、かつ短い週でもあり、前の週末とほとんど変わっていません。

強いて言えば、多少、ドル安方向に動いたので、金が上昇したということくらい。ただ、あまり大きな意味のある動きではないかと思います。

セクターの状況


週次ベースで見ると、ヘルスケアや消費必需品セクターなどが上位に来ており、ディフェンシブが強かったと見て良いかと思います。

原油価格は、イスラエル対ハマスの戦争が中東全体に波及する状況になっていないこと、また人質解放・4日の休戦が実現していることなどから、若干低下。OPECが心地よい水準と考えていると想定されている水準(北海ブレント先物で$80~$100)の下限にあり、更なる減産へ向かうのか微妙なところ。

個別株の状況


今週の目立った動きとしては、マイクロソフト(MSFT)とNVDAです。

驚いた方も多かったと思いますが、Open AIのサム・アルトマンCEOが、取締役会に実質的に解任されるという事件が起き、その後、サム・アルトマン氏と同時にOpen AIを退社するとされた社員をMSFTが採用すると発表。

そして、解任劇から二日後には、サム・アルトマン氏がOpen AIのCEOに復帰するということで決着しました。

取締役会とサム・アルトマン氏のビジネスの進め方に関して対立があったようですが、一部には経営幹部の一部によるクーデターという噂も出ていました。真相は分かりません。結果として、意見対立が起きていた取締役会のメンバーが大幅に刷新され、サム・アルトマン氏復帰ということになりました。

MSFTは、サム・アルトマン氏の採用を発表し、その後、彼の復帰も歓迎し、いずれにしてもMSFTにとっては、Open AIとの関係強化につながり、AI競争で優位に立てるとの思惑から、株は買われ、史上最高値を更新しました。

NVDAは、AIテーマで現在唯一大きな収益を獲得している企業ですが、水曜日の決算発表を前に、期待感から大きく買われ、史上最高値を更新しました。

実際に発表された決算も非常に素晴らしいものでしたが、それ以上を期待する貪欲な投資家も多かったようで、決算発表後は少し売られています。利食い売りも出やすい状況なので、仕方ないかと。

ただ、基本的なストーリーは変わっていないかと思われます。金曜日に、最先端AIチップの中国への輸出が、米国の輸出規制遵守のため、来年第1四半期まで延期するとのニュースで少し下落しています。

ただ、輸出規制は新たなものではなく、当然、織り込まれていて良い話なので、材料としては弱いと見ています。むしろ利食い売りかと。

肥満薬を最初に承認を受け販売を始めたノボ・ノルディスク(NVO)は来年には日本にも進出との話も出ており、これまでも非常に良いパフォーマンスでしたが、再び動きだす気配もあります。

米国の大手製薬会社イーライ・リリー(LLY)も後続で、同種の薬の認可を取得し、販売を始めたようです。

肥満薬は、肥満を原因とする多くの病気やケガを減らす可能性があり、長期的には
ヘルスケアの世界だけでなく、食品、外食産業にもインパクトがある可能性があり、注目されます。

まだ価格が高いので、まがい物も多く出回っているようで、気を付ける必要があります。

今何をすべきか

来週は、FRB高官の講演などがいくつか予定されています。パウエル議長も金曜日に講演の予定が入っています。

木曜日には、FRBが好んで注目しているインフレ指数である個人消費支出(PCE)価格指数が発表されます。

再び、金融政策を巡る思惑で上下に振れそうです。上に振れるリスクよりは下へのリスクを覚悟しておいた方が無難かと思います。

今のところ市場は堅調に推移しており、クリスマスに向かって堅調なマーケットを期待する向きも多い。

懸念材料としては、市場参加者が少し楽観的になり過ぎているということです。

面白いもので、市場参加者が過度に楽観的になっている時は、何かが起きて大きく下落します。大きく下落してしまうのは、油断しているので、慌てて売るという行動に出やすいからかもしれません。


Bull/Bearセンチメントもかなりブル(強気)に傾いています。(まだ過度というには早いですが)

気になるのが、恐怖指数と呼ばれるVIX指数が異常に低いことです。この水準はコロナのパンデミックでの下落前、2020年の1月の水準です。
(下落を心配する人が多いとこの指数は上昇します)

市場が油断している時こそ、油断せずに警戒を怠らないようにしましょう。

後記

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