【米国株式週間レビュー】中東緊張とインフレ懸念の交錯、S&P500は一進一退

投資

2025年6月第2週の米国株式市場は、インフレ鈍化を好感する買いと、中東地政学リスクの高まりによる売りが交錯し、週末にかけて大きく揺れ動きました。S&P500は最高値圏をうかがう場面もありましたが、週末の地政学リスクで上昇分を帳消しに。

概要&マクロ

S&P500:週前半はテスラなど大型株の買いに支えられ最高値に迫るも、週末に大幅下落(13日は▲1.13%)。週末終値は5,976.97。

長期金利:CPI・PPIとも予想下振れで利下げ期待が一気に高まる中、10年債利回りは一時4.37%まで低下。しかし13日は原油高によるインフレ懸念で反転上昇。

ドル円:144円台を中心に乱高下。週初は円高に振れたが、週末は地政学リスクでドル買い優勢。

原油価格:週を通じて急騰。イスラエルのイラン核施設攻撃と報復でWTIは一時73ドル台まで上昇。

金価格:インフレと安全資産需要を背景に、金価格は史上最高値圏に。

金曜日に大きく下落した原因は、既にニュースでもご覧になっているかと思いますが、イスラエルがイランの核施設を攻撃したこと、そしてその報復としてイランがテルアビブを攻撃したことにあります。

現時点では、核施設への攻撃は、下手をすると核戦争にも匹敵するようなことになり兼ねず、背筋の凍るような感じがします。ここしばらくイランはイスラエルの攻撃に対して、比較的自制し、紛争が過度にエスカレートしないようにしているというように見えました。

今回は、イスラエルの攻撃、それに対するイランの報復ということで収束に向かうというよりは、更にエスカレートしそうな様相を呈しています。

中東情勢は要ウォッチです。

セクターの状況


エネルギーセクター:中東情勢の緊迫化を背景とした原油急騰の恩恵で一週間を通じて堅調。週末の急伸で上昇をけん引。

テクノロジー:週初は好調だったが、利益確定売りとマクロリスク(中東情勢の緊迫化)で後半に調整。

上には示されていませんが、中東情勢の緊迫化で防衛関連銘柄(ロッキード、の――スロップグラマンなど)が、買いが集中。

旅行・航空株:戦争リスクと原油高で急落。地政学リスクの典型的な影響セクター。

地政学リスクの高まりによる市場の不安定化が進んだので、ヘルスケアやユティリティなどが、相対的に買われやすい環境でした。

個別銘柄の状況

マイクロソフト(MSFT):混乱する市場の中で、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しました。

テスラ(TSLA):トランプ氏との関係改善観測で週前半は上昇。週後半は横ばい。

アップル(AAPL):WWDCでのAI関連の発表が乏しく、AI分野での出遅れを感じさせるものとなり、週間で約▲2%の下落。

オラクル(ORCL):クラウド事業の好調な見通しで最高値を更新。

防衛関連:ロッキード(LMT)・ノースロップ・RTX等に投資家の注目集まる。

今後の見通し

短期的にはFOMC(来週開催)と中東情勢の推移が最大の注目点です。

来週のFOMCでは政策金利据え置きがほぼ確実視されていますが、ドットチャートや経済見通しの更新に注目が集まります。

インフレ鈍化傾向が続けば、年内2回の利下げという市場の期待も現実味を帯びてきます。

しかし、中東情勢の緊迫化が予断を許さない状況であり、原油高が長期化すればスタグフレーション懸念も再燃するため、米金融当局はジレンマに直面することになります。

長期的視点では、米中貿易協議や関税の帰趨が企業業績に影響を与え、S&P500の上値余地を左右することになるかと思われます。

投資家は引き続き、分散とクオリティ重視のスタンスが有効。

なお、中東情勢緊迫化が米国株市場に与える影響に関しては以下の記事をご覧ください。
「中東情勢の緊迫化と米国株への影響:イスラエル・イラン衝突が投資家に問いかけるもの」

後記

米国株投資において「情報の質」は成否を分けます。

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