今週(7月14日〜18日)の米国株式市場は、トランプ前大統領の関税政策を巡る発言やFRB関係者の相次ぐ発言、CPI・PPI・小売売上高など重要指標の発表を受け、神経質な展開が続きました。S&P500は週中に過去最高値を更新する場面も見られたものの、材料出尽くし感や決算への警戒感も相まって、週末は一服感が広がりました。
概要&マクロ
株価指数の動き
• S&P500種指数は週中に一時6,300を超えるも、その後はやや軟調に。終値は6,296.79(前週比+0.5%程度)。
• ダウ平均は週後半に調整色が強まり、週末にかけて下落。
• ナスダック総合はAIセクターが堅調で、引き続き底堅い推移。
ナスダックは最高値を更新していますが、若干過熱感も出てきています。大きな下落を引き起こすほどの過熱感ではないですが、無理をせず選択的に行動することを気にしたほうが良いかと思います。
マクロ経済指標
• CPI(6月)はコアが5カ月連続で予想を下回り、物価上昇圧力は抑制傾向。
• PPI(6月)も横ばいでインフレ鈍化を示唆。
• 小売売上高は前月から回復し、個人消費の減速懸念を後退させました。
• 一方で、関税転嫁の影響が一部の財価格に見られ始めており、今後のCPI再加速のリスクも指摘されています。
セクターの状況
グロース・シクリカル・ディフェンシブという観点では、あまり特徴が出ていた感じでもないです。市場が明確な方向感が出にくい状況であり、かつ、個別企業の決算発表の影響もあるためとかんがえられます。
• 半導体・AI関連が主導。特にTSMCの好決算や、NVIDIA・AMDの対中輸出再開報道が好感されました。
• 消費関連は小売売上高の改善を受けて堅調。
• 一方、エネルギーセクターは原油価格の乱高下を受け、方向感に欠ける展開。
個別銘柄の状況
この週は、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、キャタピラー(CAT)などが、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しました。
• NVIDIA・AMD:AI半導体の対中輸出再開で買いが優勢。
• メタ:AI向けデータセンター投資計画が好感。
• TSMC:売上高見通しの上方修正。
• ネットフリックス:決算発表前に大きく上昇したものの、決算発表後は、予想を上回ったものの、直前にささやかれていた数字ほどではなかったとのことなのか、下落しています。。
• 一方、アボットは決算後に200日移動平均を割り込む下落。アメリカン・エキスプレスなど金融系は週後半に調整。
今後の見通し
●短期(来週〜8月前半)
• 来週はグーグル、テスラ、マイクロソフト等の決算発表が市場の大きな焦点。AIブームの持続性に関心が集まる一方、すでに織り込み済みの期待が高いため、「好決算→売り」の反応も視野に入れておきたい局面です。
•FOMC(7月30日)では金利据え置きが大方の予想。ただし、ウォラー理事の「利下げ主張」は市場に影響を与え続けており、今後のインフレ・雇用指標次第で9月以降の政策に変化が出る可能性があります。
• 一方で、為替市場の動きにも注目です。最近のドルは他の通貨(ユーロなど)に対してはやや弱含んでいる一方、円に対しては強含みで推移しています。背景には、日本の参院選で与党(自民・公明)が過半数を割る可能性が報じられており、減税・給付といった財政拡張的な政策圧力が強まるとの観測が根強くあります。これにより、日本国債の信認や円の相対的価値に懸念が生じ、短期的には円安圧力が強まる構図です。
• 目先では「ドル高・円安」の組み合わせが株価と債券利回りの双方に影響を与える可能性があり、特に為替に敏感なセクター(自動車・輸出関連・観光など)では個別銘柄レベルで注視が必要です。
●中期(年内)
• マーケットの関心は今後ますます「関税によるインフレ再燃」と「FRBの対応スタンス」に集中します。特に輸入価格への波及が進むことで、9月や10月のCPIが上振れするリスクがあり、年内利下げが難しくなる可能性も再浮上しています。
• 為替面では、仮に日本の政治的不安定性が顕在化し、円売りが進む状況が続けば、ドル円が150円を超える局面も想定されます。ただし、その先では財政規律や国際的な信認に対する懸念が強まり、日本政府・日銀が対応を迫られる可能性もあるため、為替のボラティリティ上昇には注意が必要です。
• 株式市場としては、「インフレ懸念」と「景気底堅さ」の綱引きが続く展開で、9月以降のFOMC、米雇用統計、インフレ指標が政策の舵取りを左右します。AIやインフラ投資を中心とした構造成長セクターに注目しつつ、為替リスクを意識した銘柄選定が鍵になる局面です。
●長期(1年〜数年)
• AIインフラ投資の拡大(データセンター建設、半導体需要)や労働市場の底堅さが構造的支え。
• ただし、財政赤字や金利の高止まり、地政学リスクは尾を引く可能性があり、リスク分散が鍵。
後記
メルマガ登録募集中です。
タイトル:「心穏やかなお金持ちになろう」
表には見えにくい市場での動きや、情報過多の中でそれらの情報をどのように理解したらよいのかなどを含め、投資に役立つ情報や基礎的な知識などをお伝えしています。
投資にご興味のある方はぜひどうぞ。登録は下のリンクからどうぞ。
↓↓
「心穏やかなお金持ちになろう」メルマガ登録
基本Weekly(毎週日曜日夕方発行)です。
投資に関するコンサルも行っています。
初心者から、ある程度の経験者まで。
本人の希望に沿いつつ最適な形の投資のお手伝いをしています。(有料ですが、初回は無料です)
相談の上、引き受けの可否、コンサルの頻度その他を個別に決めさせていきながら、資産形成・保全のお手伝いをします。
ご希望があれば、ご連絡ください(まだ多少の空きはあります)
jack.amano@wealthmaster.jp
officeyy@wealthmaster.jp
コメント