【米国株式週間アップデート】薄商いの中、Window Dressingで最高値更新 2024年3月30日

投資

四半期末の週であり、かつイースター(復活祭)前のGood Friday(聖金曜日)で金曜日が休場であったこと、春の休暇シーズンで米国株式市場は市場参加者が少なかったようです。薄商いの中、四半期の報告書の見映えを良くするための銘柄の入替えなどが起きるお化粧(Window Dressing)が行われたような市場の中で、市場は最高値を更新しました。

市場全体の概要:薄商い&Window Dressing

春のお休みシーズンでもあり、先週に比べると目立って取引高が減少しています。

金曜日がGood Fridayで休場であるにもかかわらず、FRBが注目しているインフレ指標であるPCE価格指数が発表されることと、パウエルFRB議長がサンフランシスコ連銀のイベントで講演することもあり、動きにくい1週間でした。

AI関連の株が足踏みする中でも、市場を押し上げる力が拡散し、強気な投資家も増えたことなどもあり、NYダウやS&P500は史上最高値を更新しています。

今四半期の途中までは、AI関連が市場全体を牽引する状態でしたので、NASDAQ100、NASDAQが主要指数では最も成績が良い状況でしたが、四半期を閉めてみると、幅広い分散が図られているS&P500が最も成績が良い結果となっています。

ここで少し注目していただきたいのが、週次(WTD)、月次(MTD)のパフォーマンスです。

小型株指数のRussell2000が、主要指数の中では最も成績が良い。

これは、やはり市場の中での金融緩和期待が広がっている影響であることの証左かと思います。

Higher and Longer(金利はより高く、高い状況がより長くなる)と言われていた状況から、少なくとも”Higher”は無くなった(これ以上金利が上がることはなさそうだ)ということを示しているということかと思います。

休場中の金曜日に発表されたPCE価格指数も、ほぼ予想通りでサプライズが無かったことで、6月に利下げ開始という市場の予想(期待?)は不変のようです。

セクターの状況:非グロース系がキャッチアップ

これまで市場を牽引してきたAIを始めとするテクノロジーやコミュニケーションセクターが足踏みをする中で、その他のセクターがキャッチアップしてきた週でした。

年初来で言えば、コミュニケーションが最も良く、半導体関連が牽引したテクノロジーなどが良かったものの、よく見ると、エネルギーや金融が侮れないレベルの上昇をしています。

これは市場が単にAIテーマだけで上昇してきたのではないことを示しています。

6月に利下げ開始して、年内3回の利下げを市場が期待していることの現れでもあるでしょう。

個別銘柄の状況:NVDAは12週連続上昇ならず

何時もお伝えしていますが、下のテーブルに掲載されている銘柄は、マグニフィセント7と、大雑把に市場の動きを見るために、私が独断と偏見でピックした銘柄です。私の保有銘柄というわけではありません。

グリーンでハイライトした銘柄は、この週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。どれもシクリカル(景気敏感)銘柄です。

今は、市場を支配する二つの投資テーマのうち、年央からの金利引き下げ期待が市場を動かす主要因になっています。

上でも述べたようにPCE価格指数(インフレ指標としてFRBが重視しているもの)が、ノー・サプライズであったこともあり、景気敏感や、金利の影響を受けやすいセクターなどが足元は堅調な地合いです。

もう一つの投資テーマであったAIについては、その代表格であるNVDAの価格上昇が急速過ぎたことあり、足元では、停滞しています。ただ、これを必ずしもネガティブにとらえる必要はないかと思っています。

むしろ、この水準でしばらく停滞することで、値固めがしっかりできれば、次の上昇ステージでもしっかりと上昇出来るかと思います。

NVDAがこのような状況なので、その他のAI関連銘柄も当面は同様の状況が続くかと思われます。

今後の見通し

今後の見通しが分かるはずはないのですが、今何をすべきをお伝えしたいと思います。

市場がバブルかバブルではないか、そしてそれゆえに急落が起きるか起きないかの議論が絶えません。

市場全体には、楽観ムードが漂っているのは確かです。Investor Intelligence社の調査(週次)による、強気と弱気の比率ですが、強気が60.60%、弱気15.20%と久しぶりに強気が非常に強い状況になっています。

強気(Bull)指数が60%を越えてきたら要注意と言われていますが、だからと言っていつ急落があるということが分かる訳でもありません。

若干強気に傾いています。しかし、考えてみれば当たり前でもあります。景気はまだ強い。雇用の状況も良い。景気が良く、雇用が良く、その一方で、インフレは沈静化しつつある。これで、弱気になれというものおかしなものです。

そして、メディアの状況を見ても、まだまだ市場の上昇について警戒感を出しているコメントも多い。そうした人たちがまだまだ数多くいる状況では、むしろ大きな下落はない。

警戒を示す人たちが、極少数派になり、メディアが強気一辺倒になったら、流石に気を付けた方が良い。(そういう時は一人だけ警戒心を示すのは意外に難しいのが現状です)

また、ずっと弱気の人が降参して強気に転換した時は、ほぼ転換点で市場は大きな下落に見舞われることが多い。

目先の値動きばかり見ていると、全体観が読めなくなり、過剰な反応をしやすくなります。

基本的には今の保有ポジションを維持しつ、大きく下げるタイミングあれば、買いをいれられるように、準備をしておくと良いかと思います。

単に下がったら買う、という決め事では買いに入れません。下がっている最中に買うのは怖いです。

何%下がったら、どれだけ買い、更に何%下がったら、更に買いを入れる、とか、下がっている際には買わず。止まったなと思え、更に何%上昇したところで買う、といった細かいルールを作っておくのも一つです。

積立投資の人は、もう何があっても自動で積立て行く仕組みが出来ているので、それに従ってブレずに続けていけば良いかと思います。

後記

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