【米国株式週間アップデート】忙しい週でした 2025年2月1日

投資

1/26~1/31の米国市場は、DeepSeekの出現によるAI業界のショックに始まり、トランプ大統領のカナダ・メキシコへの25%の関税と中国への追加関税で終わる、下押し圧力の強い週になりました。

概要&マクロ

この1週間では、NYダウが辛うじてプラスを保ちましたが、その他はマイナスで終了しています。

中国のスタートアップであるDeepSeekが発表した生成AIが、性能的にはOpenAIのモデルに匹敵する一方で、NVDAの最先端半導体を使っておらず、開発コストが$6mil(9億円余り)で済んでいる、との会社発表のニュースで、市場に激震が走りました。

これは、AIで先端企業となるためには、NVDAの最先端半導体をどれだけ確保し、巨大なデータセンターを作るかが、勝負と言われ、AIのインフラ関連銘柄が大きく上昇し、NVDA一強時代を作っていた理解です。

最先端半導体を使わず、開発コストが僅かで済む、というのは、まさにゲームチェンジャーです。

現時点では、本当にそうなのか、あるいはいろいろ問題があるのではないか(データセキュリティとか、「蒸留」の問題とか)、という疑念もあり、DeepSeekのモデルがOpenAIのChatGPTを越えるようなことがあるかどうかは分かりません。

実際にDeepSeekをiPhoneでアプリをダウンロードし、ChatGPTと比較してみました。DeepSeekも悪くないが、ChatGPTの方が勝っているかなとの印象でした。

リクエストが集中したのか、DeepSeekは、「今いっぱいなので、後でまたトライしてくれ」、という内容のメッセージ(しかも中国語)が届きました。まだまだかな。

DeepSeekがすぐにOpenAI型のAIを駆逐することはないかと思うものの、少なくとも、これしかないと思っていたものが、いろいろな形が今後も考えられる。

そして、NVDAの最先端半導体だけが解ではないが、DeepSeek型のものでも、最先端半導体を使えば、もっと良いものが出来るかもしれない。

これまでよりも、様々なアイデアが今後も出てくる段階に早くも到達したかなということかと思います。大規模言語モデルにおける開発競争や、生成AIを使った新たなビジネスなど、今後はハードからソフトへの関心が高まっていく段階に来たということなのだろうと思います。

これが、一つの大きなニュース。そして、もう一つが、トランプ大統領による、カナダとメキシコに対する25%の関税です。中国に対する10%の追加関税は、あまり驚かないものの、カナダ・メキシコに対する関税は、事前に予告されていたものの、結局やるとのことで、市場の不安定要因になっています。

既に、メディアなどでも言われているので、ご存じかと思いますが、関税を上げると、輸入物価の上昇を呼び、せっかく落ち着いてきたインフレが再加速してしまうのではないか、と言われています。

もし、そういうことになれば、インフレ鎮静化を選挙戦でも唱えてきたトランプ大統領としては、苦しい。(その場合には、きっとバイデン前大統領に問題があったとか言って言い訳するんだろうが)

セクターの状況

好業績銘柄が多いコミュニケーションが非常に良いパフォーマンスを見せている一方で、同じグロースセクターでも、DeepSeekショックで、半導体セクターが大きく下落している影響もあり、テクノロジーセクターが最下位で-4.55%と珍しい状況になっています。

関税問題は、インフレの再加速懸念につながり、金利のHigher for Longerにつながるとの懸念で、景気敏感系のセクターに悪い影響を与えています。

上で述べ忘れましたが、金利の上昇、高止まりは中小型株には厳しいので、小型株インデックスのRussell2000が、劣後しやすい状況がまだ続きそうです。

個別銘柄の状況

グリーンでハイライトされた銘柄(META、AMZN、GOOGL、DE、JPM)は、この週に、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。

どれも好業績を発表した銘柄です。

一方、業績を発表したものの、期待通りではなかった銘柄は大きく売られています。マイクロソフト(MSFT)はこの例になっています。引き続き信賞必罰の強いマーケットになっています。

テスラ(TSLA)は業績だけでは大きく売られてもおかしくないのですが、CEOのイーロン・マスク氏がロボ・タクシーの明るい未来を語ったことで、値持ちが良い状態が続いています。

まだまだマスク氏のカリスマ性が株価に大きなプレミアムを付けているようです。

トランプ大統領との蜜月のマスク氏の目的は、自動運転、ロボ・タクシーの規制を緩和することにあるのではないかとも言われています。もし、それが成功すれば、TSLAとしても新たな成長ドライブを獲得できるかもしれません。

今後の見通し

巷で言われているように「トランプ大統領になって、確実に言えることは、「不確実であることが今後4年続く」ということかもしれません。

関税は、コロンビアとのやり取りを見ても分かるように、その他の政治課題の解決のための交渉材料の一つに使われている面もあります。

関税がインフレに悪影響を与えなければ良いなと思うものの、あまり期待し過ぎない方が良いでしょう。

金利が比較的高い状況がまだ続くとすると、株価にとってもマイナスです。ドル・円の為替は円高には益々行きにくくなっていくかなと思われます。

現時点で想定されるのは、過去2年のように今年も20%超のリターンが期待できるとは思わない方が身のためかなと。(この予想が外れれば、それはラッキーです)

そのつもりで警戒を強めておきましょう。

後記

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