【米国株式週間アップデート】不安定性は増したが、市場は安定化 2025年2月15日

投資

2/10~2/14の米国株式市場は、マクロの重要指標やパウエル議長の議会発言などで不安定な動きを示したものの、週を終わってみると、前週初のDeepSeekショックで大きく上昇した市場の不安定性はかなり落ち着きを取り戻した感じです。(大丈夫かな?)

概要&マクロ

金利低下で景気敏感系の銘柄が主導権を握るかと思われていましたが、インフレ鎮静化の遅れ観測が強まり、金利の高い状態がより長く続くとの見方が広がり、景気敏感系がグロース系の銘柄に比べて劣後する状況になったようです。

この週に発表されたのが、CPI、PPI、小売売上高という重要指標が3つ。そして、パウエルFRB議長の議会証言。

CPIとPPIは予想より強い数字だった上に、パウエル議長は、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない状況であると発言しました。

これで、年内の利下げの予想がかなり後退した形になりました。

その一方で、金曜日の小売売上高が予想よりかなり低い数字で発表されたことで、金利は低下し、週を終えてみると、前週末とあまり差のないところで終えています。

市場は9月のFOMCでの利下げを織り込んだようです。

これらに加えて、政治の世界ではトランプ大統領が選挙戦での予告通り、関税カードを振り回しています。そのため、国際化によるコスト低下の動きは反転し、サプライチェーンの見直し・コスト増が想定される事態になりつつあります

具体的な影響はまだまだ見えてこないです。

こうした不安定な状況にあるため、金が非常に強い状況が続いており、この週も1オンス2900ドル越えの最高値を更新しています。(国際情勢の不安定化→金買い

金利が高止まりしている中でも、国際関係の不安定化の影響か、中国の中央銀行は現在の高値の状況でも金を買い続けており、当面この状況が続くのではないかと市場関係者は見ているようです。

上昇しているので、個人の金の購入や、金のETFも資金を集めているようです。買いが買いを読んでいるフィードバックループが出来ているとも言えます。これは、状況が反転すると下落も早いので気を付けましょう。

セクターの状況

DeepSeekショックからの立ち直りが早いですね。何事も無かったのような動きです。実際には状況は一変したと思われるのですが。。。

小売売上高が予想よりかなり低い数字であったことは、早期の利下げを期待するものではありますが、インフレ指標が想定より強い中での小売売上の低下は、ある意味、最も良くない状況でもあります。

そのせいで、景気敏感系(イエローでハイライトされているもの)が相対的に弱いのは仕方ないのかもしれません。グロース系(グリーン)に景気敏感系が取って代わるにはまだまだ時間がかかるのかもしれません。

個別銘柄の状況

このような環境の中で、メタ・プラットフォームズ(META)とネットフリックス(NFLX)がAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新し、JPモルガン・チェース(JPM)がAll Time Highを更新しています。

METAに至っては、なんと20連騰です。すごいですね。これでも、伝統的な割安・割高を測る指標であるPERでは31倍とテスラ(TSLA)の147倍に比べれた、割安株に見えるくらいまともな数字です。

TSLAは、イーロン・マスクCEOが、会社経営から少し離れて政治活動に重点を置くとのことと、欧州の批判を展開したことなどで、欧州での売上にも影響が心配され、中国でのBYDからの劣後もあり、厳しい状況になっています。業績そのもので投資家を安心させないと、夢ばかり語っていても、投資家は逃げてしまうのではないかと心配してしまいます。

DeepSeekショックで最も痛手を受けたエヌビディア(NVDA)は、$113.01の安値を付けたあと、14日には$138.85で引けており、23%近く上昇しています。DeepSeekショックが無かったかのようです。

NVDAの成長に疑問を挟んではいませんが、生成AIはNVDAの最先端GPUを使わなければダメ、という前提条件は変わるかもしれない。いろいろな有り方の可能性が意識されたことは、注意が必要。DeepSeekが無かったとしても、別のものが今後も出て来る可能性があることは意識せざるを得ない。

それにしても、トランプ大統領の関税の振り回しは、これまで国際化の利益を信じ、その恩恵を受けてきた人たち(自分も含めて)にとっては、とても厄介です。

アメリカがあそこまでしなければならないのは、アメリカに過去のような余裕がないということなのか?ちょっとそれは悲しい。

今後の見通し

当面は、政治の世界での関税問題に振り回されることは、ほぼ間違いない。それによってインフレの鎮静化と金融政策がどのような影響を受けるのかが、注目点であり続けるでしょう。

まだまだ市場は大きく下落することなく行きそうな気配を漂わせています。ただ、全体にリスクに対してとても警戒が弱くなっているような気がします。大きな暴落は、警戒が弱くなった時に起きやすい。

暴落にあっても、完敗にならず、復活しやすいような手立てはとっておいた方が良いかと思います。

分散投資もその方法の一つ。「これしかない」と一つの投資アイデアにレバレッジを掛けて投資するのも避けた方が良いでしょう。レバレッジも止める、少なくとも倍率は下げた方が良いかと思います。

後記

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