前回までの5回の話で、投資を開始するにあたっての最低限必要な話をしました。
大体どのようなことをして、どうすれば良いのかのイメージはつかめたかと思います。
では、始めてください。
これで始められる人であれば、私の話を聞いていただく必要もないかもしれません。
「貯蓄から投資へ」と政府主導で、個人の投資を推奨しています。
その背景にはいろいろな理由があるのですが、それはさておき、その動きもあり書店には投資に関する本が山ほどつまれています。
ユーチューブを見れば、投資に関する動画が山ほど見つかります。
そして、グーグルで投資のスクールを探すと、証券会社主催のものから、何やら怪しげなものまで含めて、沢山検索できます。
投資は簡単、でも上手くやるのは難しい
投資をすること自体は、そんなに難しいことではありません。
難しいのは、長期で続けることや上手にやること(より高いリターンを得ること)です。
多くの本やスクールがあり、それがそれなりに売れているのは、「簡単」というふれ込みに反して、簡単ではないから、というのが実態だからではないでしょうか。
逆に、「お金の使い方」についてのセミナーや本が少ないのは、それは簡単で誰でも出来ると考えられているからではないでしょうか。
実際には、お金のより良い使い方というのは、大変難しい。
散財することは簡単ですが、意味のある、お金の価値を十分に生かす使い方が本当にできているかどうか、というのは大変難しく、それを教えることのできる人はとても少ないのではないかと思います。
お金は使って初めてその価値が具現化するものです。
どのように使うのが最も価値のある使い方なのか、という視点は、必要かと思います。
こうした話は投資のスクールにはそぐわない話かもしれないので、このくらいにしておきます。
金融リテラシーを高めていこう
今回から少し、金融リテラシーを高めるためのお話を数回にわたり、していきたいと思います。金融リテラシーというのは、金融に関するリテラシーのこと。
そもそもリテラシーというのは、読み書きの能力のことであり、特定分野の技能や知識のことを指します。
したがって、金融リテラシーは、金融に関する知識や技能のことを指します。
しかし、それが具体的に何かというのは、曖昧なことも多いのが現状かと思います。
多くのケースでは、投資をする際に、少し複雑なことをすることが出来る知識を持っているというようなイメージでとらえられているかと思います。
金融庁の資料には以下のように定義されていました。
『金融に関する健全な意思決定を行い、究極的には金融面での個人の良い暮らし(well‐being)を達成するために必要な、金融に関する意識、知識、技術、態度及び行動の総体』
端的に言うと、「お金に困らないようにやりくりする力」とでも言えるかと思います。
無駄遣いをしてあとで困ったり、詐欺にあったり借金のトラブルに巻き込まれにくくなる、ということが重要な点かと思います。
人の財布の中身を狙う怪しげな投資話(うまい話)で近寄ってくる悪い人はたくさんいます。
表面的に悪い意図は持っていなくても、かなりあくどいことをする人・業者もたくさんいます。
そうした話に乗らない常識的な感覚を身に着けることが、金融リテラシーの最も大事な部分です。
金融の基本的なことを理解していくと、上手い話と妥当な話(想定されるリスクと期待されるリターンの妥当な関係)の区別がつくようになってきます。
その基本になるのが、リスクとリターンの関係の理解と、基準となるリターンの水準感と言うことの理解にあるかと思います。
これは、おいおい説明します。
まあ、絶対に騙されないようにする最も基本的な防御策は以下のようなものかと思います。
以下のような言葉が入っていたらまず詐欺を疑う
- 「絶対に安全」
- 「xx%のリターンは保証されます」
(特に年率で二桁のリターンを保証するというようなもの。そのようなものもありますが、それでも「必ず出る」とは言い切れない)
高いリターンが出る可能性があるということの裏には、それに見合うリスクが必ずあります。
それが何であるか解明できるか、そしてそのリスクを自分で負うことが出来ると判断できなければ、どんなに上手い話でも、それは避けた方が良いでしょう。
投資の目的の根底には「より良い人生を生きる」と言うことがあるかと思います。
資産額が多いことも重要ですが、それは十分条件であり、必要条件ではありません。(資産が多くなければより良い人生を生きられない訳ではない)
「より良い人生を生きる」という大きな目的の中でのお金の付き合いかたの一つとして、投資を考えて行っていただければと思います。
次回は、お金に対するときの人間の非合理な癖などについて、簡単にお話したいと思います。
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