前回、銘柄の選び方として、個別銘柄の良し悪しを見る見方とトレンドのお話をしました。
ある程度、銘柄にめぼしが着いている際に、その銘柄を投資すべきかどうかの判断の際には、前回のチェックリストは大変役立ちます。
そもそも、銘柄をどこから発掘してくるのか、それがないとなかなか先には進めません。
今回は、銘柄を調査出来るレベルまでに絞り込む作業について、お話ししましょう。
(読む順番としては、こちらを先にしていただいた方が良いかもしれません)
投資銘柄を見つける方法
- 個別の製品・サービスから個別の企業にたどり着く方法
- ビジネス・トレンドから個別の企業にたどり着く方法
- 大きな社会的トレンドや社会課題に取り組む会社を探し当てていく方法
- 証券口座や有料情報サイトでのスクリーニングによって銘柄を絞り込む方法
- プロの投資家によって運用された優れた投資信託が保有している銘柄を参考にする
- 有料メルマガなどで取り上げられたもの
- 本や雑誌で取り上げられた銘柄をヒントにする
- SNSなどで取り上げられた銘柄
個人投資だと概ねこんな感じかと思います。
プロの運用会社などでは、自社でアナリストを多数抱えているので、そうした人たちの推奨を参考にしたり、証券会社のアナリストの詳細な情報(レポート)も多数入手可能ですが、個人投資家にはなかなかそこまでは出来ません。
情報があり過ぎるとそれを処理する時間も大量に必要になりますし、投資に充てられる時間や資金に制約がある個人では、上の①~⑦くらいが主なものかと思います。
⑥⑦⑧は、通常お勧めしていませんが、そこに書かれていることを鵜呑みにせず、きちんと自分でも調査を行った上で納得して投資するのはOKかと思います。
では、それぞれについて述べていきます。
① 個別の製品・サービスから個別企業にたどり着く方法
これは、米国のミューチュアルファンド(フィデリティ・マゼランファンド)のファンドマネジャー(在任1977年~1990年)であった伝説の投資家ピーター・リンチが得意としていた手法です。
ピーター・リンチが常々言っていたのが「自分の知っているものに投資しろ」ということです。
自分が買って良いと思ったもの、自分が受けて素晴らしいと思ったサービスなど、自分の日常の様々なものに関心を持ち、そこで「これは」と思ったものが見つかった時に、その製品を作っているのは何という会社か、そのサービスを行っているのは何という会社か、というところからその企業の調査を行います。
上場企業であれば、その企業のサイトの投資家向けのページへ行けば、年次報告書(アニュアル・レポート)や財務諸表をチェックすることができます。
あるいは投資関連サイトに行けば、その企業の財務上の重要項目について時系列でみることが出来たりします。
それらを使えば、前回お話したチェックポイントなどを確認することができます。
ヒントは至るところにあります。
ニューズ、雑誌、SNS、ショッピング・モール、デパート、スーパー、等々。
あるいは電車のつり広告などもヒントになります。
この方法でともかく重要なのは、好奇心を持って物事を見ること。
バズっているものを見つけたら、その裏にあるもの、トレンド、それによって儲かる会社とかいろいろ考えて調べてみることです。
好奇心がキーです。
② ビジネス・トレンドから個別企業にたどり着く方法
これは、前回も少しお話しましたが、ビジネス・トレンドをある程度理解しておく必要があります。ちょっとレベル高くなります。
半導体には、半導体サイクルというものがありますが、その一方で、IOT(Internet of things。全てのものがネットでつながる)を始め、ありとあらゆるものが電子制御されるようになってきているので、半導体はありとあらゆるものに使われるので、業界自体が拡大することはあっても縮小することは現時点では考えにくい状況です。
半導体関連企業の中にもいろいろな種類があります。メモリ系、CPU、GPU、など。
半導体製造機械メーカーなどもあります。
PCからインターネット、そしてクラウド、AIへとコンピューティング(演算処理)の世界のトレンドは変化して行っています。
そうしたトレンドの盛衰を常に最新の状況にしておく必要があります。
全ての業界のトレンドを抑える必要はないですが、自分が関心を持っている分野・業界のトレンドは最新の状態で把握し、その中での勝者群を把握する努力をすると良いでしょう。
③ 以降は次号に続きます。
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