週間概況
先週(12/11~12/15)のNY株式市場は、今年最後のFOMCで、利上げが見送られ、政策金利は今回の利上げサイクルでのこれ以上の利上げの可能性がなくなってきたことを好感して、上昇を継続しています。
これで、7週連続の上昇となり、NYダウとNASDAQ100は最高値を更新しました。
個別の材料はいろいろありますが、市場全体を動かしたのは、今後の金利動向に関する見方の変化です。
Higher and Longer(金利がより高く、そしてその状態が長く続く)の懸念が薄らいだことです。
市場がそれに確証を持ったのは、今年最後のFOMC(12/12・13の二日間)で、金利の引き上げは見送られ、また、FOMCメンバーの来年の金利の予想(ドットチャート)が、来年3回の利下げを示唆するものであったことによります。
漸く、株式市場の懸念材料になっていた金利が、上昇が止まり、横ばいの期間があるとしても、次のアクションとしては利下げ方向である、ということが市場にとっては大きな心理的な支えになります。
とはいえ、債券市場の動き(市場金利の動き)は、ちょっと極端です。この変動(ボラティリティ)の大きさは、異常としか思えない。市場の性質も変わってきたのかもしれない。ギャンブル性が強くなっている傾向が債券市場にも広がっているのか?
1週間で、2年金利が28bps(0.28%)、10年金利が32bpsの低下です。FF金利の影響をより受けやすい2年金利よりも、10年金利の方が下げが大きい(イールドカーブのフラットニング)が起きている。
景気減速懸念も引き続き強いのか?この意味は少し気に留めておく必要がありそうです。
セクターの状況
金利上昇で大きく劣後していた不動産(REIT)が、この金利急低下局面では非常に良い動きをしています。
半導体セクター(フィラデルフィア半導体指数)は、前週のアドバンスト・マイクロ・デバイシーズ(AMD)のAI用半導体の発表に加えて、市場規模の強気発言もあり、関連半導体銘柄全体に好影響を与えたようです。
原油価格が一旦底打ちして緩やかながら上昇に転じたように見えることがエネルギーセクターの緩やかな反転をもたらしているようです。2021年、2022年とは大きな違いです。
個別株の状況
グリーンでハイライトした4銘柄は、史上最高値を更新した銘柄です。
アップル(AAPL)は最高値更新後、金曜日は中国におけるiPhone販売に関する懸念で若干下落しています。
薬品のバーテックス(VRTX)は、オピオイドに代わる鎮痛薬の開発のフェーズ2でのリサーチ結果が良かったというニュースで大きく上昇し、13日から最高値更新継続中です。
見落としがちであった、コロナで大きくやられていたホテル銘柄のハイアット(H)とマリオット(MAR)が、ともに最高値更新しています。
同じコロナで大きく下落したエアラインが復活出来ていないのとは対照的です。
上のテーブルの上(Magnificent 7)と、下のそれ以外を比べていただくと気が付くことがあるかと思います。
実は、この週では、Magnificent 7は相対的には若干劣後しています。大きく下落している訳ではないので、大きな問題ではないですが、むしろ、上昇の幅が広がってきていることは、良い傾向かと思っています。
今何をすべきか
7週連続の上昇という状況であり、サイコロジカル・インジケーターは強気に急速に傾斜してきているように見えます。
まだ、極めて危険というレベルではないですが、強気への傾斜が急であったこともあり、上昇継続するためにも、少し休憩した方が、大きな崩れなく行けるのではないかなと思っています。
少し、ステップバックするくらいはあり得ると思っていた方が良いかと思います。
もう、クリスマス前の取引の最終週になります。市場参加者もクリスマス休暇に入る人も多くなるため、取引高は減少していくかと思います。そのような時に少し大きなニュースが出ると、流動性が低いので、過剰な反応になりやすくもなります。
静かに、ハッピーな気分でクリスマスに向かっていってくれるといいなと思っています。
後記
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