【米国株式週間レビュー】8/21~25 ふた山越えたが、まだ方向感定まらず

投資

先週(8/21~25)の米国株式市場は、金曜日に予定されているパウエル議長の講演内容を巡って、思惑で金利が上下したことで不安定な動きとなった。

全体観

パウエル議長の講演内容は、今後の金利動向のヒントを得ようとしていた人からすれば、残念な結果でしたが、要は全てはデータ次第ということ。様子を見ながら必要なら追加利上げをするし、不要ならしない。インフレターゲットの2%は変わらない、ということを言っただけ。これまでと同様の主張です。

それでも、取り敢えず先週のイベントが終了したことで、若干ホッとしたということでしょうか、2週連続で下落していたS&P500とNASDAQはプラスで終了しています。

前週と明らかに異なるのは、短期金利(2年金利)の上昇です。市場でも、9月のFOMCでの利上げはないと見ている参加者が多いようですが、11月のFOMCでの利上げ予想が徐々に上昇しているようです。

長期金利が上がらず、短期だけが上昇し、それを受けて為替でもドル高に進んでいます。ここ数年のパターンから言えば、ドル高のときは金は売られることが多いのですが、先週は、ドル高にもかかわらず、金も上昇しています。

今後の方向性を占う上で、重要とされていたエヌビディア(NVDA)の決算とパウエル議長の発言ですが、NVDAの決算は、これ以上ないというほど良いものでしたし、パウエル議長の発言でサプライズは無かった。

懸念材料がなくなったので上昇、と言いたいところですが、まだ方向感が定まったとは言い難い状況です。

上下に結構動いたという印象があるのですが、全体としての出来高は減少しています。5日の移動平均で見ても、NYSEもNASDAQも出来高は減少しています。

出来高が減少しての値動きは方向感を判断するのには適さない。

S&P500もNASDAQも、21日移動平均、50日移動平均を回復していません。まだ警戒をしていた方が良いと思います。

セクターの状況

週間で見ると、テクノロジー、一般消費財サービス、コミュニケーションと成長系セクターが堅調でした。景気敏感とディフェンシブがその下で混在する感じです。

個別主要銘柄の状況

個別での注目は、何と言ってもNVDAでした。23日の引け後に決算は発表し、予想を軽々とクリアし、第3四半期の業績見通しを上方修正し、250億ドルの自社株買いを発表しました。引き続き、AI分野では、一人勝ち状態であり、それも今後数四半期続きそうな勢いです。

その結果、市場最高値を24日に更新しました($502.66)が、金利上昇懸念などの中で、上昇分をほぼ帳消しにしてしまったり、金曜日にも指数が上昇する中で下落しています。

このような非常に良いニュースでありながら、株価が伸び悩んでいます。少なくとも短期的には、天井を付けたとも言えるような動きです。ここまで急激に上昇してきたので、利食い売りも出やすい環境であることは間違いありません。

再び上昇過程に戻るには、若干時間が必要かもしれません。短期的にはビジネスの状況通りには株価は動かない。長期的にはビジネス=収益の状況に、株価は呼応して動きます。

今後の動き

パウエル議長が、データ次第と言ったように、市場は今後もデータを見ながら一喜一憂して動いていくものと思います。

早速、来週の金曜日(9月1日)には、8月雇用統計の発表が予定されています。

雇用が強い、そして賃金が上昇し続けていることが、インフレの鎮静化スピードを遅くしている、と言われています。したがって、この雇用統計も注目の指標です。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました