【投資をはじめよう】14.投資対象:金融商品について(2)

株式 投資の始め方

今回はより具体的に、何に投資すべきかを説明していきます。今回は株式編です。

日本株式

日本

日本の株に投資しましょう、と言っても、日本にもたくさんの上場企業があって、具体的にどの企業に投資して良いか分からない、ということも多いかと思います。

具体的に応援したい企業があったとしても、「応援したい」という気持ちだけで十分な調査をせずに、自分の大切なお金をその会社に託しても良いでしょうか?

難しいところです。

個別の銘柄を選択しなくても良いような方法から考えてみましょう。

前回、投資信託やETFをご紹介しました。いずれの場合でも、複数の(通常は多くの)銘柄を一定のルールによって、もしくは調査と判断の結果によって選定して保有しています。

従って、これらに投資すれば、自分で個別の銘柄を選ばなくても、分散された多くの銘柄のコレクションを購入することができます。

前回もお話したように、アクティブ・ファンドと言われるものは、そのファンドの運用会社の調査能力や、運用者の投資に対する考え方やスキルなどによって成績が異なってきます。

アクティブ・ファンドを選ぶのは、どの会社が良いかを選ぶのと同じように、それなりの知識と判断力が要ります。

素人には難しいのが実際ですし、結果が想定通り出るとも限らないのが現状です。
(プラスもマイナスもあります)

投資初心者にとっては、そのファンド選びをも回避する方法として、インデックス投信もしくはインデックスに連動するETFを購入するのが良いかと思います。

投資巧者と言われるレベルになる人でも、多くのウェイトをこのインデックス投信などに振り向けているケースが多いです。

それは、高い手数料に比較して、成績が充分ではないケースが過去多かったということにあります。

また、プロでも勝つファンドを見つけるのは難しいということもあります。

運用成績がインデックスとの差があまり大きくないのであれば、手数料の安いインデックス投信などで良いだろうとの判断もあります。

投信とETFでは、積立投資の仕組みが作りやすい投信の方がお勧めです。

日本株式であれば、日経平均に連動するインデックス投信、もしくは東証株価指数(TOPIX)に連動するインデックス投信を選んでいただければ良いかと思います。

日経平均と東証株価指数とどちらが良いかという点に関して言えば、どちらでも良いと思っています。

動きに多少の違いはあるものの、大きな差はありません。

インデックスとしてどちらがより良いかと言うことで言えば東証株価指数ではありますが、ニュースなどでは歴史の古い日経平均の方が取り上げられやすいので、動きをフォローしやすいという点から日経平均に連動するインデックス投信の方が扱いやすかもしれません。

インデックス投信でまずベース・基礎を作っていきましょう。

そのうえで、どうしても投資したい個別の銘柄があれば、それを全体の最大でも5%以下になる程度にして投資することで良いかと思います。

外国株式

外国株式

日本以外の世界の株式となると、範囲が広すぎて、さてどうしたものか?と迷ってしまう人も多いかと思います。

先進国の株式だけに投資するもの、新興国の株式を含めるもの、米国だけ、とか米国でも大型株中心のものや、米国の大型~小型までを含むものなどがあります。

また、テクノロジー・セクターだけに投資するものとか、選択の範囲は無限にあるように感じてしまいます。

個別株と投資信託・ETFという比較では日本株の債と同じで、投資信託がお勧めです。

そして、やはり選択の難しさから、インデックス投信が良いかと思います。

ただ、問題としては、インデックス投信でもどのインデックスに連動する投信にするかでもかなり多くの選択肢があります。

世界の株式に関するインデックスには、業界スタンダードとして使用されているのが、以下のようなものになります。

  • MSCI コクサイ:世界先進国株式(除く日本)
  • MSCI ワールド:世界先進国株式
  • MSCI オールカントリー・ワールド・インデックス:世界株式(日本・新興国を含む)

どうも、最近では、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(MSCI All Country World Index、以下MSCI ACWIと連動するものが多いようです。

グローバルという点で投資するのであれば、このMSCI ACWIに連動するもので良いかと思います。

ただ、グローバルの株式市場の動きは、その約6割を占めるアメリカ株の影響が非常に大きく、かつ、欧州市場や日本市場、そして新興国市場も米国の動きにつられて動くことが非常に多いのが現状です。

その意味では、分散の意味が少し薄い。特に新興国市場の上昇を支えるのは米国からの資金であることが多く、米国市場が崩れた時には、米国の資金がリスクを取るのを止め、新興国市場から引き上げるので、米国市場以上に大きく下落してしまうこともあります。

また、あまり大きくない新興国市場では、急激な資金流入と資金流出で市場が大きく上下することがあります。
(日本の投信での流行り廃りが、現地市場の混乱を招いた例もあります)

こうした現象を踏まえて、外国株式での分散にあまり大きな期待を持っていません。

上のような性質があるのであれば、米国だけに投資すれば良いのではないか、という考え方もなりたちます。私は個人的にはこの考えです。

米国のインデックスとしては、以下のようなものがあります。

  • NYダウ平均:アメリカを代表する30銘柄(大型株の安定した銘柄が中心)
  • S&P500:アメリカを代表する500銘柄(セクターの分散なども銘柄選定委員会がルールに則って行っています)
  • NASDAQ:NASDAQ上場全銘柄を対象とします。NASDAQはセクター構成比バランスがあまりよくなく、テクノロジー等の偏重が見られます。
  • NASDAQ100:NASDAQの中の時価総額の大きいもの100社によって構成されています。
  • Russell2000:小型株2000銘柄が選ばれています。
    Russell3000というインデックスがあり、そのうち時価総額で上位1000銘柄(大型~中型)がRussell1000を構成し、1001番目以降の小型株がこのRussell2000に含まれます。

市場が良い時は成長性の高い銘柄が入っているNASDAQやNASDAQ100が上昇率も高く、好まれる傾向があります。

バランスの良い分散と安定性と成長性を備えたS&P500と連動するインデックスファンドをお勧めしています。
(それぞれの人の置かれた状況などにより、これが絶対的な正解とは言えないケースも多いです)

更に米国市場で投資可能な株式すべてを含むもの(ヴァンガード・トータル・ストックマーケット・インデックスなど)もあります。

これには、小型株、超小型株なども入ります。

ただ、時価総額基準で配分されているので、小型株・超小型株の影響は非常に小さいのが現状です。

米国への投資の良いところは、外国の株式市場に関して言えば、最も情報が入りやすい市場です。

なにが起きているのかをテレビのニュースでも報道されますし、ネットのニュースメディアでもすぐに情報が取れることです。

次回は債券その他についてご紹介していく予定です。

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