【米国株式週間レビュー】上昇回復、マクロ環境変わらず 2024年1月13日

投資

先週(1/8-12)のNY株式市場は、前週に止まった週間連続上昇をものともせずにサイド上昇に向けて動いています。

年初からこんなに上昇してもいいのかなと、心配になります。心配になる要因もいくつかあります。

そのあたりを本日はお話していきます。

ファンド

概況


この週の大きな材料は、木曜日のCPIと金曜日のPPI、そして毎週木曜日の新規失業保険申請件数などがマクロ系の材料で、これは金利の今後の行方を判断(推測)する材料になります。

そして、金曜日から本格化した2023年12月期の四半期業績の発表です。大手金融機関を中心に業績発表シーズンが本格化してきています。

まず、マクロ経済指標に関してです。これは、結果として見れば、どれも現在の市場の金利に関する見方を大きく変えるものではなく、ほぼノー・インパクトと言って良い状況でした。

CPIは予想より少し高く、PPIは予想より少し低い。そして新規失業保険申請件数は予想より少し低く、引き続き雇用市場は堅調と言えるようです。

そうしたマクロ環境の中であっても、市場は3月までに利下げがスタートするという見方を堅持しているようです。10年金利の低下だけでなく、2年金利(金融政策の影響をより強く受ける)も大きく下落しています。

特に2年金利の下落幅が非常に大きく、債券市場は暴騰という状況に近い。

業績発表関連の話は、「個別株の状況」で後述しますが、非常に良いというほどではなく、悲喜こもごもといった感じです。

この週に注目された出来事としては、暗号通貨のスポットETFがついにSECによって認可され、木曜日(11日)から取引が開始されました。暗号通貨投資家から長らく期待されたものです。

暗号通貨を投資のアセットクラスに入れるかについては、時期尚早だと見ています。
投機の対象としては構わないと思いますが、投資の対象としては、扱いが難しい。

まだプロの間でも、暗号通貨(資産)の公正価値をどう算出するのが良いかについての議論が続いており確定していない。(とはいえ、こうした議論が真面目にアカデミックの世界でも議論されるようになったのは、隔世の感があります)

少なくとも、伝統資産とは異なる動きをするという意味での分散効果はあるかもしれない。それ自体が何かを生むものではないので(交換レートの差を取るだけ)、ポートフォリオの中に入れる場合は、あまり大きく入れるのはお勧めしません。

もう一つ、話題になっていたのが、時価総額世界一を巡るアップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)の株価の動きでした。

従来の1位であったAAPLは主力のiPhoneの売上動向などに関してネガティブなニュースが出て、株価は下落方向。

一方で、MSFTはAI分野での好調さもあり、株価は上昇し続け、All Time High、引け値ベースでの最高値も更新しています。

その結果として、僅かな差で1・2位が逆転し、週末時点でMSFTがトップ、AAPLが2位になっています。ちょっとした動きで再逆転も十分あり得る状況です。

どちらが1位2位であっても、どちらも良い会社です。個人的にはAAPLよりMSFTの方が好きかな(よりビジネスが分散している)。でも、AAPLの消費者のLoyalty(忠誠心)の強さには感服します。まさにそれがバフェットのお気に入り要因です。

市場が大きく上昇しているものの、この上昇は少し脆弱であると見ています。したがって、何かをきっかけに一旦下落するのではないかと懸念しています。

懸念が顕在化する前に状況が改善されれば良いと期待しています。

懸念材料
上昇銘柄の集中:上昇銘柄と下落銘柄の比率(騰落比)をずっとトラックしています。特に10日平均の動きに注視しています。

この騰落比の10日移動平均が、年初はそれでも1倍を少し上回る水準にいました(即ち、上昇銘柄数>下落銘柄数)。それが、今週は主な指数は皆上昇しているのに、この騰落比は下落し続け、金曜日時点で、1を越えているのはNYダウのみ。

大きく上昇しているNASDAQもNASDAQ100も1を割り込んでいます。即ち、指数は上昇しているが、上昇銘柄は減っているという状況です。

この状況をMarket Breadthが狭い(低い)ということで、あまり健全な状況とは見られていません。

取引高もあまり増えていないのも気になっています。

こうした懸念が杞憂であって欲しいと思いつつ、警戒もしています。

セクターの状況


金利が大きく低下したこともあるのでしょうが、グロース系セクター優位の市場であったことは明らかです。

グロース系>ディフェンシブ系>シクリカル系(景気敏感系)

投資スタイルで言えば、またグロース(成長投資)系優位です。なかなかバリュー系(割安株投資)に日が当たらないですね。

一方、年初来で言うと、ディフェンシブ系の雄であるヘルスケア(景気の影響を受けにくい上に成長セクターでもある)の調子が良い。

ヘルスケア・セクターは面白いセクターなので、個人的にはとても好きなセクター。ただし、理解するのが難しいセクターでもあります。(だから面白い!)

個別株の状況

この週では、中国向けAI用GPU製品やAI-PC向けGPU製品を発表したエヌビディア(NVDA)が上に突き抜け、上昇軌道に入っています。All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しました。

上でも取り上げましたが、MSFTがAIテーマで上昇し、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。

これ以外にも、薬品のバーテックス(VRTX)、ホテルのマリオット・インターナショナル(MAR)がやはりAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新しています。

MARは最高値更新後にエネルギー切れで、年初の水準に戻ってしまっていますが、VRTXは上昇を続けています。

業績発表は、JPモルガン・チェース(JPM)が、金融大手の第4四半期決算は予想を上回ったが、売上高は下回ったことで、下落。その他、大手銀行では、ウェルズ・ファーゴ(WFC)とバンク・オブ・アメリカ(BAC)が決算ニュースで下落した。シティグループ(C)は逆に1.5%上昇した。

また、ダウ銘柄のユナイテッド・ヘルス(UNH)は第4四半期の予想を上回ったが、医療費負担に充てる保険料の割合が増加したことを材料に(利益率の減少)、売られています。

テスラ(TSLA)、ネガティブなニュースにここの所ずっと見舞われています。イーロン・マスクCEOの薬物使用疑惑、中国でのEV売上不振と価格引き下げ、そして、紅海での紛争の影響もあり、部品不足でベルリン工場の操業を2週間停止する、などのニュースが出ており、下げがなかなか止まらない状況です。

今後の動き

1月15日(月)は1月の第3月曜日ですので、マーチン・ルーサー・キングス・デーの祝日で市場はお休みです。

来週は、FRB高官のスピーチもいくつか予定されています。業績発表に加えて、これらも市場変動要因になるかと思います。

警戒しつつ、市場の動きについて行けるようにしておきましょう。

日本株が絶好調なのは、喜ばしい。日経平均が3万5000円台で引けました。これは、33年11カ月ぶり。(1990年2月23日以来)

ただ、ここのところの上昇は、円安とテクノロジー(主に半導体関連)の業績回復などが中心テーマかと思います。円安が主要因であれば、これはいずれ下落してしまいます。

日本企業にとって、円高になっても、非常に好環境が想定されています。その点も含めて好業績が主たる要因になっていけば、まだまだ行ける。それを期待しています。

後記

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