分散投資を始めよう(その2)配分の成功の秘訣はリバランスをルール通りやる

株 投資の始め方

分散投資の配分(アセット・アロケーション)の決め方が、とても重要だということが分かっても、ではどのように配分を決めれば良いかというのは、大きな問題でもあります。

しかも、アカデミックの世界でも何が一番良いかというのは、実務的には一致を見ていないのです。

だから多くの会社が自分の方法が、一番と競い合っている状況でもあります。

→ 分散投資を始めよう

分散投資の配分の決め方

良く行われるのは、過去の月次パフォーマンスなどをデータとして使い、平均のリスク(月次リターンの標準偏差)とリターンを計算します。

それと相関係数をも用いて、リスクもしくはリターンをターゲットにして最適化を掛けるというプロセスを踏むのが一般的です。

これを自分で計算することも可能ですが、実際にはこれはあまり実態に合っていません。

というのも、相関係数は相場状況によって変わってしまいますし、暴落時は平常時の相関係数ではなく全てが1になってしまう、即ち、何を持っていても下落する、ということがよくあります。

  • それを防ぐには、現金を持っているしかない。
  • しかし、いつも現金を持っていたら、リターンが稼げない。

分散投資の配分(アセット・アロケーション)が最も重要なのに、最適な方法が見つからないというジレンマに陥ります。

この部分は、素人が考えてもあまり良い方法が見つかるわけでもないので(結果として良い方法はあるかもしれませんが)、不必要に考えすぎることは止めましょう。

成功の秘訣はリバランスをルール通りやること

バランス

25年とか30年同じアロケーション(配分)で変えないということまでしなくて良いので、5年くらいの未来を見据えてアロケーションを決め、5年に一度見直すというので良いかと思います。

途中で短期的な市場動向に合わせて、この基本的な配分を見直すこともアイデアとしてはあると思いますが、これも実はマイナスに作用することが多いので慎重に考えた方が良いです。

必要なのは、定期的に、例えば1年に1度、その基本配分から離れた分を調整して、基本配分に戻すことです。

これをリバランスと言います。

これは、成績の良かった資産クラスを削って、悪かった資産クラスを増やすことになります。

成績の良かった資産クラスがずっと成績が良いとは限らないので、それを一部利食いし、成績が持ち直すかもしれない分野を買います。

統計的に「平均への回帰」(上がったものは下がり、下がったものは上がる)が見られることを利用したものです。

このリバランスをルール通りきちんとやっていくことが、成功の秘訣です。

スタート地点の最初の配分

では、スタート地点である最初の配分を、どうすれば良いでしょうか?

よく使われるのが、国内株、外国株、国内債券、外国債券、その他(不動産、金、その他)という資産クラスをどのように配分するかで考えます。

このようにした場合、国内株、国内株式のウェイトが、世界全体の市場の配分を考えると、多めに入ってしまいます。

これを、ホームカントリーバイアスと言います。

国内の市場の方が見やすいし、為替リスクもないので安全と思えます。

また、自国の成長性が十分ある状態では、これで良いかと思います。

ただ、残念ながら日本は、今後人口も減り、高齢化が進んでいます。

そうした中では、経済成長は既に鈍化していますし、再加速ということがあまり期待できない状況になっています。

そうしたことを踏まえると、敢えて、日本を分けて考える必要はないかと思っています。

したがって、日本を含む世界の、日本を含む世界の債券、その他ということで考えて良いのではないかと思います。

株は債券と比べて4倍くらいのリスクがある

割合について言えば、株は債券と比べて4倍くらいのリスクがあります。

株と債券のリスクを均等に使用とすると、1:4で債券を多く持つ必要が出てしまいます。

これでは想定リターン的には、かなりコンサバな比率になってしまいます。

前回は株式と債券を半々、国内と海外を半々という配分をご紹介しました。

そのほかにはアメリカで経験則としてよく使われる、株式:債券=6:4などもあります。

これはリスク的にはかなり株式のリスクに影響される配分なので、かなりの変動幅が見込まれます。

途中での引き出しがなく、長期運用という前提で考えれば、そうしたリスクは逆にチャンスにもなります。

更にアグレッシブに投資したい場合は、更に株式を増やし、安全に運用したい場合は、債券を増やす。

その他の資産、例えば不動産や金などを含める場合は、投資のスタンスのアグレッシブ度合いに応じて、株から、債券から、あるいは両方から削ることを考えれば良いかと思います。

不動産は、投資目的が定期的な家賃収入にあると考えれば、リスク・リターンは株と債券の間で債券に近い方で考えれば良いかと思います。

債券の利回りが極めて低い状況が続き、その状況は急には変わらないと考えれば、債券をかなり削って、不動産(現物、あるいはREIT、不動産ファンドなど)に充てるのも一つの考え方です。

世界株式の約6割はアメリカ株です。アメリカ株の成績が全体をかなり決めてしまいます。

グローバル株式の投信あるいはETFで外国株式の大半を埋め、残りをアメリカ株や日本株の個別株投資に回して、投資・ビジネスの勉強と投資を行って楽しむというのが良いのではないかと思っています。

不動産の現物投資と金現物資産

不動産投資

不動産の現物投資を行っている場合は、この証券投資ポートフォリオとは別で考えた方が良いでしょう。

そうでないと資産の大半が、不動産になってしまいます。

金などの現物資産は、通常、持っているだけでは何も生みません。

値上がり益だけが利益の源泉なので、不必要にたくさん持つのは控えた方が良いでしょう。

こうした様々なことを考えた上で、自分自身のアセットアロケーションを考えてみると良いかと思います。

そして、その配分について、経験と学習から学んだことを踏まえて修正が必要なら修正をかけていくのです。

これであれば、労力も少なく、本業に精を出しながら、長期的に良い投資が出来るかと思います。

本業に精を出して、そこからの収入がより大きくなれば投資する額も増えるので、より早く大きな資産に育っていきます。

目的・目標を明確にして、大まかな計画を立て、自己規律をしっかりと持って行動していく、ということさえしっかりできれば、素人でも長期的にしっかりとした資産を築き上げることは可能です。

 

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